奈良県明日香村に所在する「岩屋山古墳」は、近鉄飛鳥駅から約5分位の所にある古墳です。古墳は開口しており石英閃緑岩(通称、飛鳥石)の切石を使った見事な石室はとても有名です。この石室とそっくりな「小谷古墳」(橿原市)・「ムネサカ古墳」(桜井市)・「峯塚古墳」(天理市)があります。
今回は、奈良県にある石室がそっくりな「岩屋山古墳・小谷古墳」(1)を紹介したいと思います。
〇奈良県明日香村大字越に所在する「岩屋山古墳」は、周辺には牽牛子塚古墳や真弓鑵子塚古墳、マルコ山古墳等、多くの終末期古墳が点在しています。
墳丘は1辺約40m、高さ約12mの2段築成の方墳で墳丘は版築で築かれており、下段テラス面には礫敷が施されていることが明らかとなりました。埋葬施設については石英閃緑岩(通称、飛鳥石)の切石を用いた南に開口する両袖式の横穴式石室です。規模は全長17.78m、玄室長4.86m、幅約2.8m、高さ約3mで羨道長約13m、幅約2m、高さ約2mを測ります。7世紀中頃の古墳と思われます。墳形は下段部が明らかに方形であることから、発掘調査では方墳とされていますが、下段部は方形であるが、上段部を八角形に築いた八角墳ではないかという説もあるようです。八角墳と言えば、飛鳥地域では天皇のみ許された古墳の形態です。
墳丘は1辺約40m、高さ約12mの2段築成の方墳で墳丘は版築で築かれており、下段テラス面には礫敷が施されていることが明らかとなりました。埋葬施設については石英閃緑岩(通称、飛鳥石)の切石を用いた南に開口する両袖式の横穴式石室です。規模は全長17.78m、玄室長4.86m、幅約2.8m、高さ約3mで羨道長約13m、幅約2m、高さ約2mを測ります。7世紀中頃の古墳と思われます。墳形は下段部が明らかに方形であることから、発掘調査では方墳とされていますが、下段部は方形であるが、上段部を八角形に築いた八角墳ではないかという説もあるようです。八角墳と言えば、飛鳥地域では天皇のみ許された古墳の形態です。
被葬者については、「斉明天皇」等が候補として挙げられています。
近鉄飛鳥駅から徒歩約5分位の所にあり、自由に見学できます。
〇奈良県橿原市に所在する小谷古墳(県指定)は、貝吹山から北東に延びる丘陵の先端に築かれています。墳丘の流出が激しいため墳形は不明ですが、方墳、あるいは円墳であったと考えられます。墳丘の規模は30m前後、高さは約8mで、墳丘の大きさに比して背の高い腰高の古墳と言えます。
埋葬施設は巨石を用いた両袖式の横穴式石室です。規模は全長約11.6m、玄室長約5m、玄室幅約2.8m、玄室高約2.7mをはかります。羨道は高さ約1.8mと、玄室より一段低くなっています。明日香村の岩屋山古墳と同じ形の石室と考えられます。玄室には竜山石(たつやまいし)製の家形石棺が残されています。石室の形状から7世紀に築かれた古墳と考えられます。被葬者は明らかでないですが、皇族を含めた有力氏族の墓と推定されています。
残念ながら現在柵がしてあり、中に入ることはできません。外からみても、立派な巨石の石室を持つ古墳だと伺えます。