泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

人々の尊崇を集める天神様  「太宰府天満宮」

2016年08月15日 17時27分20秒 | 散歩

福岡県太宰府市にある「太宰府天満宮」は、「菅原道真公」の御墓所の上に社殿を造営し、その御神霊を永久にお祀りしている神社です。「学問・至誠しせい・厄除けの神様」として、日本全国はもとより広く世のご崇敬を集め、年間に約700万人の参拝者が訪れています。

今回は、人々の尊崇を集める天神様が祀られている「太宰府天満宮」と周辺の建物や史跡等を、2回にわたって紹介したいと思います。 

(行程)

    西鉄太宰府駅ー参道ー御神橋(心字池)ー志賀社ー手水舎ー楼門ー本殿ー飛梅

「太宰府天満宮」の祭神である「菅原道真公」は、平安時代の当代一流の学者であり、優れた政治家でもありました。その生涯は国家と天皇家のために命をかけ栄達を極めた一方で、57歳の時、時の左大臣藤原時平の讒言により大宰権帥に左遷となりました。大宰府下向の跡は配所であった榎寺から一歩も出ることなく、約2年後、無実の罪が晴れることなく59歳で逝去しました。
無実ながら大宰府に流され、そこで、生涯を終えることとなります。そんな「道真公」の骸はこの地に埋葬されています。延喜5年(905)には、御墓所の上に祀廟しびょうが創建され、延喜19年(919)には勅命によりご社殿が建立されることとなりました。それが現在の「太宰府天満宮」です。

(参道)

「太宰府天満宮」の顔とも言える参道は東西約450mにも及ぶ石畳が続き、約80店舗のお土産屋さんや飲食店が軒を連ねます。「太宰府天満宮」参拝や太宰府観光に訪れた人々で賑わう場所となっています。名物は「梅が枝餅」というお餅です。参道にはお餅を焼く香ばしい香りが漂います。焼きたては、とても美味しいですよ。

参道をほどなく進むと「御神橋(心字池)」の入り口になります。この近くに、頭をなでると知恵を授かるという「御神牛」を過ぎると池が見えて来ます。その池が心字池でそこにかかる赤い橋は太鼓橋となっています。

御神橋(心字池)

漢字の心の字に造られていることから、「心字池」と呼ばれ、そこにかかる三橋は、太鼓橋・平橋・太鼓橋とそれぞれ過去・現在・未来を表しているそうです。

仏教の思想である「三世一念」で「心字池」の端から端まで渡ることで参拝者の方の身が清められ、本堂へ向かいます。

「心字池」に架かる御神橋の途中には社海の神「綿津見」三神が祀られている「志賀社」があります。これは国の重要文化財に指定されています。

(手水舎)

楼門の入り口には「手水舎」があります。霊峰「宝満山」より切り出された立派な「手水舎」は巨大な一枚岩で造られていて、そこで、ご参拝の前に、手や口を清めます。

(楼門)

一般的な楼門といえば、左右対処、前後対称ですが、太宰府天満宮の楼門は御本殿側と太鼓橋側とで建築様式が異なるのが特徴的です。重層の入母屋造り、檜皮葺の二重門で、重厚感のある雰囲気です。慶長年間(1596~1615年)に戦国武将でも有名な石田三成が再興しましたが明治時代に焼失、1914年に再建されました。

楼門の中には左右に像があります。これは寺院でいうところの仁王にあたり、楼門の場合は隋身と言います。仁王と同じく随身像も「阿吽(あうん)」の口相をしています。

(本殿)

本殿は、919年(延喜19年)、左大臣藤原仲平が勅によって社殿造営を行いました。数度の炎上を経た1591年(天正19年)に小早川隆景が再建します。五間社流造り、檜皮葺で、正面には唐破風状の向拝が付く、桃山時代の豪壮華麗な様式です。現在国の重要文化財として指定されています。歴史の重みを感じる荘厳な建物です。
檜皮葺きの本殿の正面には唐破風状の向拝がついた、桃山時代の豪壮な様式で、本殿の奥に道真公の御霊が祀られています。多くの方が、参拝されていました。

(飛梅)

本殿の傍には梅の木があり、「飛梅」と呼んでいます。梅殿の梅に「主がいなくても風が吹けば春を忘れずに梅の香を漂わせなさい」と詠いかけます。すると主人である道真公を慕った梅は道真公が太宰府に着くと一夜のうちに主人の元へ飛んてきたと言われています。「飛梅」は、大宰府へ左遷された際に「菅原道真公」を慕って一夜のうちに京から空を駆けてきたという伝承をもつご神木で、千年以上の時を経た今も毎年その清香の華を咲かせます。

「菅原道真公」を祀る境内は豊かな緑と花に包まれ、四季ごとに美しく彩られます。全国各地から毎年700万人以上もの参拝客が訪れることでも有名です。京都の北野天満宮とともに全国天満宮の総本社となっています。

「太宰府天満宮」、いつ行っても心が穏やかになります。特に、参拝者が殆どおられない夕方が好きです!

次回は、「太宰府天満宮」の周辺の建物や史跡等を紹介したいと思います。

                                    

 



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