ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2024.3.27 フェスゴ2回目5日後のこと 旅は2日目 約40年ぶりのミラノ再訪 市内観光を終え午後の自由時間は

2024-03-28 05:25:57 | 

 昨夜はスーツケースから最低限の荷物出しをして先に入浴させてもらう。もうよれよれのへろへろ。それでもお腹が空き過ぎると眠れない、と空港で買い求めたパンショコラを紅茶とともにお腹に入れる。何かしようと思っても頭が全然働かない。夫より先にベッドに入ったらそのまま寝落ちしてしまった。多分10時半になったかならないか。日本時間では翌朝6時半のことだ。

 3時半過ぎ、お手洗いで目が覚める。その後腹痛になりもう一度お手洗いへ。かろうじて下痢ではないけれど相変わらずの軟便。この2往復で夫を起こしてしまった。それでも5時間は連続して眠れたようだ。あと3時間くらい眠れるから・・・と言いつつ、夫から話しかけられて少し話をしてしまったら眠れなくなった。話しかけてきた夫は先に寝てしまう。ううう。

 悶々としている間にまたお手洗いに起きて、いつものスマホアラームが鳴る。夫も目覚めたようで、予定より少し早く起きて支度開始。足湯する?と夫に問われ、お断りする。そうでなくてもジンジンしている足裏を温めてはより痛みが酷くなってしまう。

 階下のレストランへ降りる。既にガイドさんや他の参加者の方たちの姿が見える。皆さん、早いこと。
生ハムや目玉焼き、モッツアレラチーズやトマトのサラダ、ジュースやヨーグルト、フルーツにたっぷりクリームが入ったクロワッサンを美味しく頂く。
 添乗員のTさんは私より年長でおられる。添乗員歴何十年だろう、大ベテラン。華奢で小柄だが、百戦錬磨の風格だ。ホテル界隈の地図を頂き、ちょっとした説明を受ける。滞在しているホテルはロケーションが最高で、徒歩5分くらいで主たる観光スポットのどこにでも行ける。今回のツアーは飛行機も遅れず、荷物も全て出てきてスムーズ過ぎるほどのスタート、というのがTさんの弁。

 部屋に戻り、母にMeet通話。LINEで無事到着した旨は連絡していたが、念のため連絡したら無事繋がった。凄い世の中だ。ミラノと母の住むサ高住がごく普通に繋がってしまった。何とか元気にしているという私の顔を見て安心した模様。とりあえず良かった。時差があるので様子を見ながらまた連絡するとして通話を切った。

 態勢を立て直してロビーに降りる。今朝から合流したご夫婦が加わり12名様ご一行になったが、一組のご夫婦は別行動(ダ・ヴィンチの最後の晩餐を観るオプショナルツアーにいらしてランチから合流)ということで、50人乗りの大型バスに10人だけという半日観光がスタート。

 今日のガイドさんは、在イタリア30年、在ミラノ20年というこれまたベテラン、私より2つ年下のAさんだ。あいにく外は冷たい雨。普通なら絶対外出などしないで家でまったり過ごしたいお天気だ。しっかりババシャツにセーターと冬物のコートを重ね、タイツの上にウオームタイプのジーンズを穿いて寒さ対策ばっちりのつもりだったが、まだ寒い。雨だけでなく風も強い。

 大型バスは中心街を迂回しながら、先ずはスフォルツェスコ城へ向かう。ハイブランドが軒を連ねる通りを横目に見ながらバスは進む。街には最新型の市電(トラム)が行き交い、市民公園の若葉が美しい。だが、いかんせん本降りの冷たい雨だ。外気温は10℃というが体感温度はもっと低い。晴れ女の私を打ち負かす強力な雨女か雨男の存在が気になる。雨に濡れて風で冷やされ、体感温度はどんどん下がる。

 震えながら下車して傘を差してお城の見学。ミラノのルネッサンス期最大の建物にして、ミラノのシンボル。かつての領主ヴィスコンティ家の城跡に、スフォルツァ侯爵が城兼要塞として建てたという。赤いレンガが美しい堂々とした城門から入ると、中庭が広がり、お堀と跳ね橋を渡ると宮殿だ。中には入れなかったが、ロンダニーニのピエタ美術館等もあるという説明を受ける。

 その後からは傘を差しながら歩いてヴィットリオ・エマヌエーレ二世のガレリアへ。高く美しいアーチ型ガラス天井のアーケードには、イタリアを代表するハイブランドの本店等が軒を連ねる。天井付近の絵画、舗道のモザイク模様などが見事だ。中央十字路の頭上4枚のフレスコ画はアメリカ、アジア、アフリカ、ヨーロッパ大陸を象徴的に描いたものだという。ついつい口を開けて見入ってしまう。

 そして、ここのパワースポットは雄牛のモザイク画。反時計回りに3回ずつ回ると良いとのことらしく、せっかくなので丑年の私もクルリ。皆が足を置く丸い部分はモザイクがすり減ってなくなっていた。
 通りを抜けたスカラ広場には「LEONALD」と名前が記された銅像がある。言わずと知れたレオナルド・ダ・ヴィンチの像だ。正面の建物はオペラの殿堂スカラ座。近くには博物館もあり、公演が見られない人にもおすすめのスポットらしい。もう見どころ満載なのである。

 ガレリアには素敵なレストランやカフェも沢山。Aさんは「高くて美味しいのは当たり前だけれど、安いところはない!」ときっぱり。1000円程度(7€)で食べられるのはマックだけ。レストランではパスタが20€はする、とのこと。ランチとディナーの差はなく、すべての時間帯同一料金だそうだ。
 ここで少し自由行動があり、今日は夕食がついていないので、レストランやカフェ等を物色して下見する。
 
 再集合して世界最大級の荘厳なるゴシック建築の傑作、ドゥオモ見学。ドゥオモはイタリア語で街を代表する教会堂のこと、神の家を意味している。荷物検査と服装検査があって中へ入る。街のシンボルであり、ミラノの街のおへそにもあたる場所にあり、135本もの尖塔が天を突きさすように伸びる。
 青空だったらどんなにか美しいだろうと思うが、このお天気が恨めしい。40年前近く、大学の卒業旅行で訪れたのだけれど、当時は中の見学はしないで買い物にうつつを抜かしていたのでは・・・、とぼんやり思い出す。

 14世紀後半に着工され、正面の完成を見たのは19世紀初めナポレオンによってだったという。内部に入場したところで、石造りだから暖かいわけもなく、相変わらずふるふると震える。天井を仰ぎ見る美しいステンドグラスにため息連発。床の大理石も黒、ピンク、白、朱色ととても美しい。
 ランチまで時間調整で40分ほど自由時間と言われるが、一旦外に出ると再入場は出来ないし、他に行くところもなく、礼拝椅子でステンドグラス等をぼーっと見ながら時間つぶし。

 再集合して、ランチのレストランへ移動。ようやく暖かい場所に入れたが、寒くてコートがなかなか脱げない。ドアが開く度に冷気が入ってくる。ミネラルウオーターも冷たくて手が伸びない。夫は白ワインを飲んでご機嫌。ミラノ風リゾットとミラノ風カツレツとティラミスのスリーコースだったが、完食出来たのはティラミスだけで、あとはボリューミー過ぎて半分も食べられずじまい。

 この後は自由行動ということで、ここで解散だったが、寒くてもう1枚シャツかセーターを重ねて出直そうということでホテルに一旦戻ってきた。道中お一人で参加されている男性が、夫と同郷であることがわかり、2人は握手をしていきなり方言になり意気投合。こんなご縁もあるものだ。

 暖かく綺麗に掃除が終わった部屋で紅茶を入れて一服し、私はこうして記事を書いているが、お酒が入った夫は気持ちよくお昼寝。
 私もなんだか疲れてしまい、少しだけ、とベッドで横になったら寝落ちしてしまった。

 夫は何やらお腹の調子がいまいちで、ニンニクの効いた料理を食べる元気はないという。時差ぼけと疲れだろう。私も午前中冷やされたせいでとても疲れてしまった。ここで風邪などひいたら大変だ。夕食はどこかレストランで、は止めて老舗の百貨店のフードフロアで調達して部屋で頂くことにした。いつの間にか雨は止み、外は青空。冷え込んでいるけれど、写真を撮るにも邪魔だった傘を持たなくて済み、有難い。

 ということで、百貨店に行ったものの、デパ地下のようなお持ち帰り専門のお店は見当たらず、ぐるりとフードフロアを回って諦めた。イースターが近いので卵型のチョコレートが沢山。
 界隈にコンビニらしきものはなかったけれど、タバッキで美味しそうなサンドイッチを購入。注文はサンドイッチカウンターで、支払いはレジに陣取るタバッキの女主人。現金は使えずカードオンリーで、支払いを終えたら品物を受け取るシステム。いやはや色々面倒である。

 夫がジュースを飲みたいというが、自販機はないし、持ち帰りのジュースを売っているお店もなく、ホテル近くのお助けマックに寄った。これまた注文方法がちょっと日本とは違い、注文は画面で終えたものの支払いはカードのみのようで立ち尽くす。ようやくキャッシュオンリーの会計場所を見つけ、支払いを終えてレシートをもらったものの、待てど暮らせどジュースが出てこない。
 確認すると受け取りは上階のカフェであるとのこと。生のオレンジを絞ったブラッドオレンジジュースだったのでびっくりしたけれど、これを受け取るまでに時間がかかったことといったら。忘れていた、海外で時間がかかってもイライラしてはいけない、という感じを少しずつ思い出した。はぁ、これが嫌なら日本にいればいいのである。

 そんなこんなで夕食の買い物をするだけで1時間がつぶれ、部屋に戻ってお茶を淹れて夫と食事。楽な部屋着で気兼ねなく頂けたので今日はこれで良しとしたい。

 明日はベニスに移動するため、今日より出発が1時間前倒し。荷物のパッキングもほぼ終え、これから入浴して早めの就寝の予定だ。
 添乗員のTさん曰く、一に健康に留意、二に貴重品に留意、三に時間に留意、無事に11日間の旅を終えて帰国するには正に真なり、のお言葉である。
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