お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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 10月27日に小瀬スポーツ公園陸上競技場で行われるアウエーの甲府戦は、Jリーグの日程が発表になったときから楽しみにしていた。

 昨年は、行きは電車で輪行、帰りはBD-1で富士五湖を回って自走で帰還した。今年はどうしよう? 完全自走したいな。ルートはどうしよう? あれこれ事前に計画を練るのもツーリングの楽しみのひとつだ。

 で、考えに考え抜いたルートは以下の通り。

 行きは、午前4時ごろ出発し、道志みち~山中湖~御坂みちと走り、その後はブルベ長野600のコースを少し走って思い出に浸りながら(笑)甲府へと向かう。たぶんお昼過ぎに到着するので、甲府を観光した後、遅いお昼をどこかで食べてホテルにチェックイン。シャワーを浴びてさっぱりしてスタジアムへ行き、午後6時半キックオフの甲府戦を観戦する。

 帰りは、舗装道では最高標高の峠である大弛峠(おおだるみとうげ=2360メートル)を上り、R20を笹子峠を越えて帰還する。

 計画は完ぺきだった。雨さえ降らなければ・・・。そして台風が突然発生しなければ・・・。

 前日の金曜から雨は降り出した。この時点で完全自走は諦めた。「帰りだけでも自走を」と、行きは電車での輪行にしようと思っていたが、土曜の朝起きてみると雨はしっかり降り続いている。これじゃ、最寄り駅までも自転車で行く気にならない。

 天気予報によると、台風20号が夜には関東に接近し、この日は1日中荒れ狂う天候となることが確定しているのだが、翌日の日曜は台風一過で晴れとなるらしい。かなりモチベーションは下がってきたのだが、とりあえず明日の晴れを期待して、車に自転車を積み込み、雨の中央道を甲府へと向かう。


ホテルの窓からは荒川とサイクリングロードが見える


雨に煙る小瀬スポーツ公園陸上競技場

 宿泊したのは昨年に続き、センチュリーホテル甲府。このホテルは小瀬スポーツ公園に一番近いホテルで、裏には荒川サイクリングロードが走っているという、自転車海苔にとっては嬉しい環境にある。その上、ママチャリだがレンタサイクル(3台)もあるのだ。今回はそれを借りてスタジアムへ行こうと思っていた(ロードでは心配なもので)。

 甲府では台風の影響はあまりないかもしれないという甘い希望的観測は無惨にも打ち砕かれ、雨は止むどころか強くなってきている。ホテルで観戦スタイルに着替えている間も、雨粒が窓を叩く音がひっきりなしに聞こえてくる。風の音も凄い。観戦に行くのさえイヤになる天候だった。このままビアの人でいようかと思ったほどだ。

 意を決してホテルを一歩でると、ポンチョは一瞬でびしょ濡れ。傘も飛ばされそう。おまけにスタジアムへの道を間違えて田んぼのあぜ道を歩く羽目になり、靴はぐしゃぐしゃ。観戦中も寒さに凍え、試合の結果も追いつかれてのドローと、もう散々だった。

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 
 そして、翌28日。まさに台風一過の秋晴れが予報通りに窓の外に広がった。ようやく走れるよ。さぁ、大弛峠だ!


午前8時18分 道の駅「花かげの郷まきおか」から富士山を臨む。電線が邪魔だなぁ

 富士山もくっきり見える。最高の日になりそうだぞ。


午前8時51分 ここがこの日のスタート地点

 ホテルからは約20キロ先の「道の駅 花かげの郷まきおか」に向かい、ここに車をデポする。

 ガラガラの駐車場に、数十人の登山姿をした老若男女、いや老老男女のみなさんがいた。添乗員らしき人がいたのでツアーなのだろうか。自転車の準備をしていたら、その集団は3~4人に分散して次々とタクシーに乗って走り去っていった。これからどこかの山を登るんだろうね。昨日の天気にめげず、計画を実行して良かったですね、お互い。

 サドルバックにはウインドブレーカー、指付き手袋、工具などのほか、食料も少しだけ入れた。これから大弛峠までの約30キロのルート上にコンビニはない。自販機さえあるかどうか不明なのだ。といっても、食料は薄皮チョコパンとカロリーメイトぐらい。水分は「お~いお茶」を入れたボトルと、ミネラルウォーターのペットボトルをボトルケージに突っ込む。

 道の駅からは少し下ってから上り返すことになる。しかし、最初の曲がるべきところを見つけられず、いったん戻って来たり行き過ぎたりと迷走し、2キロ弱ぐらいのムダ走りの末にようやく目指す牧丘第一小学校前へ出る。
 

午前9時3分 牧丘第一小学校前から登坂開始

 本来ならば塩山駅からのスタートとなるのだが、車をデポできるところが道の駅しか思い付かなかった。このため、距離にして約5.7キロ、標高にして約120メートルをはしょったことになった。


午前9時19分 直線の上りが延々続く

 この坂がきつい。めちゃくちゃきつい。

 まっすぐに伸びる直線の上り。蓑毛の坂が延々と続いている感じだ。

 周囲には民家やブドウ畑があり、消防団の人たちが何か作業していたりする普通の生活の風景。そこを汗びっしょりでヨロヨロと上っていく。


午前9時22分 金桜神社前

 金桜神社の鳥居が見えるあたりで民家は途切れてきた。


午前9時31分 いよいよ山の中へ

 やがて山の中へと入っていく雰囲気になってきた。傾斜は相変わらずきついままだ。

 実は上の写真を撮る手前の道沿いにレストランがポツンと1軒あった。このあたりのご多分に漏れず「ほうとう」がメニューにあったようだが、こんなところで商売になるのかなぁ。登山客相手なんだろうか。


午前9時36分 杣口(そまぐち)林道入口

 道が大きく右にカーブするあたりでK210は終わり、ここから杣口(そまぐち)林道となる。小学校からここまで距離は4597メートル、標高差は396メートル。ということは、この区間の平均勾配はなんと8.6%! よく上ってこれたもんだよ。
(※大弛峠への登坂はこの区間が一番きつかった)


午前9時36分  おぉ、滝だ

 林道を入るとすぐに滝が見えた。


午前9時37分 道は一気に細くなる

 「11人乗り以上の大型車は通行禁止」と入口に警告があったように、林道に入ると道幅は細くなる。

 だが、嬉しいことに勾配がこれまでと比べて一気に緩くなった。頑張れば、20km/h前後が出せる気持ちのいい上りだ。ただ、路肩には落ち葉も多いし、日陰部分は湿っていたりするのでいい気になって飛ばさないよう、慎重に上っていく。


午前9時46分 富士山ビューポイント

 この林道では景観が開ける所は少ししかない。その最初のビューポイントで撮ったのが上の写真。富士山をかいま見ることができた。ここで上り始めて初めての足付き。で、これ以降は写真撮影のために足を付きまくってます。


午前9時55分 紅葉トンネル

 林道入口付近が標高921メートルだったので、もう1000メートルは越えているだろう。ついに周辺の木々が色づき始めた!


午前10時2分

 おぉ!


午前10時10分

 気持ちいいなぁ~。

 この林道には入り口からの距離表示があった。その「5キロ」地点を過ぎると、一気に周りが開けてきた! そして道幅も楽に2車線が取れるほど広がってきた。


午前10時15分

 凄ぇよ、この風景!!


午前10時15分 富士山と紅葉とFELT。くそ~、逆光なんでうまく撮れないぞ。鉄塔も邪魔だし・・・

 振り返れば富士山が! おおおお~~~。しばし感動・・・・・・・・・。

 このビューポイントで、軽自動車に乗ったご老人の4人連れと出会った。

 「凄いねぇ。自転車で来たの?」
 「どこから?」
 「生まれはどこ?」
 「どこまで行くの?」
 (サイコンを見つけて)「お、これで距離が分かるんだ。いいねぇ」

 矢継ぎ早に質問を浴びせかけられる。「牧丘から上り、大弛峠まで行く」と答えると
 おじさんA「この道で峠へ行けたっけ?」
 おじさんB「行けるよ。牧場から上って行けばいいんだよ。お兄さん、峠へ行ったら夢の庭園まで行けばいい。歩けばすぐだよ」などとアドバイスをしてくれた。ところで、おじさんたちはどこへ?
 「私たちはこの先の琴川ダムへ行くんだよ」

 「琴川ダム? はて?」。私は知らなかったが、どうやら観光スポットのようだ。


午前10時21分

 ビューポイントの先も勾配の緩い道幅の広い道が伸びている。大型バスは絶対通らないし、車もたまにしか通らない。気持ちのいいライドが続く。


午前10時33分


午前10時40分

 そして林道に入って8.5キロ地点。湖が見えてきた。


午前10時41分。琴川ダム

 路肩に車が何台か止まっていた。ここが琴川ダムのようだ。HPによると平成19年完成予定とあるので、もしかしたら完成したばかりなのかもしれない。


午前10時44分

 実は、ヘルメットのインナーキャップを忘れてきた。そのため、登坂の途中では汗が頭からしたたり落ちてきて、メガネは水滴だらけ。暑くてたまらないこともあって、途中からヘルメットを脱いでしまった。時速10km/h以下で走っているので、いいッスよね(笑)。

 ここで先ほどのおじさんたち4人組にまたお会いした。そして衝撃の事実を告げられることになる。

 ※<その2>へ続く

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<その1>より続く

 「峠は雪だってさ。今、下りてきたドライバーに聞いたよ。車も行けなくてUターンしてるらしいよ。お兄さん、ルート変更しなよ。近くに温泉があるからそこに行ったら?」とおじさんは教えてくれた。

 「ええええええーーーーーーー!!! ゆきぃ!!! そんなぁ~~。せっかくここまで来たのに・・・」。

 こんないい天気なのに信じられない。まだ11月前だし、雪なんて全然頭の中になかった。標高2360メートルの世界恐るべし。

 でも、行けるところまでは行ってみよう。ここから下ったんじゃ、さすがに欲求不満になる。


午前10時46分 柳平・金峰牧場付近

 琴川ダムからはいったん下る。下りきったところに分岐があり、左折した道の先にはトンネルが見えた。そこを行けば焼山峠や乙女高原、金峰温泉方面となるようだ。


午前10時47分 きつい直線の上り

 大弛峠は直進。あぁ、また直線のきつい上りだ。右手には牧場があるはずなのだが、風景を見るなんて余裕は一切ない。ひらすら上るだけだ。それにしても、ここも道の両側に普通に民家がある。こんな急坂の途中なのに・・・。


午前10時51分 川上牧丘林道柳平ゲート

 きつい直上りを乗り越えると、川上牧丘林道柳平ゲートに出た。この林道は大弛峠を経由し、ここ山梨県牧丘町から長野県川上村へと通じている。

 川上村って、3年前、マリノスのホームゲームのときにレタスを配ってくれたところだ。ここにあったんだ。

 林道入口には「大弛峠まで14キロ」という標識(距離表示は1キロごとにあった)。やっと先が見えてきた。だが、行く手には車のすれ違いも厳しいような細い道が続いていく。


午前10時51分

 傾斜はまた少し緩くなる。

 そして息を呑む風景が続く。


午前10時52分 川はたぶん琴川


午前11時3分


午前11時7分。右手に分岐している道のゲートは通年閉鎖

 再びゲートが現れる。このあたりは舗装されているが路面状態は悪い。この先にじゃり道があったが、そっちの方が固められていて走りやすかったぐらいだ。


工事中でかついだ部分

 そして今度は完全に工事中の急坂のダート!(夜間は通行禁止とい標識があったような・・・)。水も流れていて乗れる状態じゃない。ほんの数十メートルだったのでかついで上る。


午前11時18分

 ダートを切り抜けると勾配が少しきつくなった。でも、周りの風景が心を癒してくれる。走ることを飽きさせないでくれる。


午前11時19分

 大弛峠まであと10キロだ。


午前11時25分

 何だか高いところまで来ちゃったぞ。


午前11時34分

 あの山は金峰山? 朝日岳?

 このあたりで標高は1700メートル台だろうか。


午前11時39分

 そして、ついに雪が姿を現し始めた。

 ここへ来るまでに2人のドライバーに声を掛けられた。ひとりは乗用車で「この先、雪があるから気をつけて」と注意してくれた。もうひとりはタクシードライバー。タクシーは空車で数台、上から下りてくるのを見ていた。たぶん登山客を乗せて峠へ行った帰りなのだろう。そのドライバーは「すごい雪だよ。30センチぐらい積もってるよ」と、心を折れさせるような事実を教えてくれた。

 ※そのタクシー会社のHPを帰宅後、確認。

 「30センチぃ?? そんなに・・・」。タクシードライバーにお礼を言うのも忘れて絶句した。


午前11時41分

 あと6キロまで近づいた。果たしてどこまで上れるのだろうか。


午前11時45分

 日陰はやや凍結気味となってきた。落ち葉も路肩にあふれてきた。


午前11時49分

 そして峠まで5キロ地点に到着。標高は1980メートルぐらい。日陰となる反対車線は完全に凍結している。


雪だ

 少し進むと・・・


雪だよ

 道はまさに雪道。もう車の轍の跡しか走ることができない。車が来れば自転車から下りてやり過ごすという辛い登坂になってきた。


午前11時51分

 その先のカーブのところに駐車スペースがあったので、ここでいったん腰を落ち着けて、このまま進むかどうか考える。日当たりのいい所は乾いているが、すぐ目の前のカーブの日陰は悲惨な状態となっていた。

 チェーンの音を鳴り響かせて車が峠方向から下りてくる。うわっ、上はそんな状態なんだ。逆に峠へ向かう車の半分はここでUターンしている。進むのは4WDぐらいだ。

 困った、どうしようとぼんやりと上を見つめていたら、1台のモーターバイクがゆっくりと下りてきた。
 お互い目があったので、挨拶した後「どうッスか、上?」と聞いてみた。
 「う~ん、自転車じゃ厳しいですねぇ。自転車で上ってる人がひとりいましたが、押してましたよ」。
 乗って上るのは無理なんだ。それにそんな状態だと下りも押さなくてはいけない。

 ここで登坂を断念した。「1に安全2に完走」だ。押していて滑ることも考えられる。諦めよう、悔しいけど・・・。

   ◆サイコンによる記録(峠まで残り5キロ弱の地点まで)
       距離   27.80km(2キロほどスタートから迷走)
       平均時速 10.6km/h
       走行時間 2時間36分27秒
       最高速度 50.0km/h(道の駅からの下り)

 7月の国道最高標高の渋峠(2172メートル)への登坂は雨でUターン。そして舗装道の峠では最高標高の大弛峠(2360メートル)への今回の登坂は雪のため、峠まで残り5キロ弱を残し標高2000メートル直前で無念のDNFとなった。

 この2つのリベンジはきついなぁ。それに大弛峠は林道に入ってからは自販機すら見かけなかった。リベンジは涼しい時期じゃないと無理かもしれない。

 午前9時前後に道の駅をスタートし、登坂を諦めた時点の時間が午前11時50分過ぎ。残り5キロは30分ぐらいで走れるだろうから、もし峠まで上っていたとすれば、道の駅から約3時間半ぐらいかかることになる。塩山駅からだと4時間コースかな、なんて考えながら、薄皮チョコパンをほおばる。

 3つ食べると腹も一杯になった。さてと。下りるかな。

 
午後12時33分

 こんな風景に囲まれてのんびりと下山。

 ここを走るモーターバイク乗りも旅情派が多いのだろうか。道が狭いこともあるだろうが、ゆっくり走ったり、止まって写真を撮っている人がほとんどだった。おまけに挨拶してくれるよ。モーターバイク乗りに挨拶されたなんで初めてだ。


午後12時42分

 林道を下りている途中で、この日初めて自転車海苔に出会った。
 「上は雪ッスよ。私は5キロ地点で引き返したんですが、上まで行くには押さなくちゃいけないみたいです」と言うと、
 「え~っ、ここまで来たのに・・・」と残念そう。
 そりゃ、私も同じ思いッスよ。
 「諏訪から来たんですよ」と彼は言う。
 富士見峠を越えて、R20から上って来たんだねぇ。
 「とりあえず行けるところまで行ってみま~す」。
 「頑張ってね」と声を掛けて別れたが、彼はどこまで上ったんだろうか。


午後1時10分

 やっと下界に下りてきた。遙かに見えるのは牧丘の町だろうか。


午後1時29分

 往路のきつい上りは、復路では天国の区間。小学校のところで曲がるのをすっかり忘れ、そのまま下まで一気・・・に行っちゃうよねぇ(笑)。

 地獄の傾斜を上り返し、下りで冷えた体をまた汗びっしょりにして道の駅に帰還した。

  ◆サイコンによる記録
       距離   54.50km
       平均時速 14.5km/h
       走行時間 3時間45分13秒
       最高速度 54.7km/h
       ※07年の通算 10406.85km
              ロード 5274.26km
              BD-1  4676.04km
              MTB  0387.60km
           ママチャリ  0035.00km

コース図
アルプスラボ(道の駅花かげの郷まきおか~大弛峠)
アルプスラボ(塩山駅~大弛峠)

 台風一過の好天とはいえ、道の日陰は濡れていたし、落ち葉もたっぷり。早速、前後のホイールを外し、自転車をひっくり返して洗車洗車と・・・。自転車のメンテナンス用品はすべて車に積んであるから、こういうときに便利だな。

 やっぱりここへは自走で来いと言うことかな。車で楽して来て、塩山駅からもはしょっちゃダメ! って大弛峠様が言ってるんだよね、きっと。

 林道に入ってからは勾配も驚くほどではなく気持ちのいい道が続いた。来年の甲府戦のときには自走で来よう(だから、絶対残留してよね! お天道様もよろしく頼みますよ)。相模湖インターからの大渋滞に巻き込まれて、「ここからなら自転車の方がはえーよ」とイライラしながら、そう思った。

 今回のツーリングは予定通りに事が運ばず、ヒルクライムもDNFに終わった。でもそれはそれで楽しい1日だったかな。

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