「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

遥かなトムラウシ山(7月16日)

2006-07-21 00:05:47 | 表大雪

〇7月16日(日)トムラウシ山の記録〇
【写真:帰路に斜光で輝くトムラウシ山】

佐幌は小雨なのに、50キロ北上したトムラウシ登山口は晴れている。

林道にエゾシカ、エゾライチョウと野生の気配が強い。エゾライチョウはヒナを連れていた。

9時05分入山と、大きく出遅れる。入山届によると他の人は遅くとも5時過ぎまでに入っているので、明らかに最後尾。

12時で折り返す覚悟で、急な泥道を黙々と登る。

10時にカムイ天上。ガスがかかってきたが、前トムラウシ山が見えて一安心。笹刈りの単調な道を巻きながら歩く。

この道が長い。ぼちぼち下山者とすれ違う。


【前トムラウシ山】

10時45分にエゾコザクラが咲く斜面に出ると、ここから長くて急な坂をジグザクにくだり、しばらく沢筋を行く。

11時05分、コマドリ沢の雪渓を登る。この雪渓も長い。次々と下山者とすれ違う。

野球帽の男性:「上で泊まりですか?」と聞かれる。

私:「いえ、12時で折り返すつもりです」

野球帽の男性:「ほとんどいけないね」

 【コマドリ沢の雪渓】

11時45分、前トム平の稜線に出る。タカネオミナエシ、コマクサなどが咲く。


男性下山者にまた聞かれる。「上で泊まるの?」


私:「1時になったら折り返します」と1時間、ハードルを延長した。

男性:「(近くを指差して)そこまでだね。花畑があるよ」


  
【トムラウシ手前の山々の稜線】 【タカネオミナエシ】


12時、トムラウシ公園を見下ろす中継点に立つ。大勢の下山者が昼食中。


ここは絶景。来たかいがあった。一気に岩を伝って、トムラウシ公園にくだる。


かつて職場に出入りしていた気象会社の元社員に3年ぶりに再会。奇遇だ。


エゾコザクラ、ミヤマキンバイなどが咲き競って、まさに天上の楽園。

    
【絶好の展望台】     【エゾコザクラ】   【ミヤマキンバイ】

12時45分、南沼キャンプ指定地。頂上に手がとどきそう。ここまでの岩道が少々わかりづらく、ガスりそうな帰路がちょっと不安になる。

20分ほど急なガレ場を登ったら、強い雨と大粒の雹。おそらく、あと5分で山頂だ。ここで何と!折り返してしまった!理由は4つ。

1時と決めた折り返し時間が来たこと。雹混じりの強い雨が「帰りなさい」というメッセージに思えたこと。

最後尾の登山者として霧まじりの帰路が不安だったこと。どうせ山頂からの展望が期待できないこと。

少々、思考能力が混乱したらしい。惜しい事をしてしまった。

【頂上まで、あと少し・・・】

ということで、道を間違いないよう慎重に下る。


公園からは時折、晴れて、余裕も出てくる。東大雪や十勝連峰が一瞬見え隠れする。


3組抜いて、17時25分下山。最後の下りは泥んこ状態できつかった。

ピークを踏むことはできなかったが、山容を体感できて満足感も。


遥かなトムラウシ・・・ネクストチャンスも、また楽しいそうだ。

立派なログハウス風の一軒宿「東大雪荘」で入浴。気持ちの良い広い風呂で500円。


食堂がランチのみで、夕方は満員の宿泊者専用というのには、がっくり。腹がすいた。
 【国民宿舎 トムラウシ温泉 東大雪荘】















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