「山」旅の途中

40代後半になって始めた山歩き。自分はどこから来てどこに行くのか。光、空気、花々の記憶を留めたい。

雨の手稲山

2009-08-02 20:10:54 | 札幌・小樽周辺の山々
(写真: エゾアジサイ)

曇りの予報だったが、手稲山(1023.1m)は終日の雨だった。驟雨が小雨になり、やがて細かい霧雨に。

札幌市内で1000メートルを超えていて、片道5キロ。近いが、それなりに登りがいもある。久しぶりの「高山」だ。

予想外の雨だったが、エゾアジサイが清涼な空気にみずみずしく映えていた。

2時間ほどで、広いガレ場に。大雪山なら、ナキウサギがピッィーと鳴きそうな本格的なガレ場だ。

雨に煙っていて周囲の景観は望めないが、次々と点在するエゾノキリンソウの群落が疲れを癒してくれた。


(写真: ガレ場のエゾノキリンソウ)

雨に濡れた岩は滑りやすく、足元に注意して急登する。息を切らしながら、30分ほどでガレ場を抜けた。実に長く感じた。

その僕を、白くて可憐なイチヤクソウが小さな群落を作って迎えてくれた。疲れた心身へのご褒美かな。


(写真: イチヤクソウ)


(写真: イチヤクソウの花を下から覗く)

ガレ場を抜けると、空も近くなり、少し光も差してきた。樹々の高みにたくさんのチョウが舞うが、霧状のベールに包まれて、シルエットだけが目に焼きつく。

ふと足元をみると、青いシジミチョウがふわふわと飛んでいる。

写真を撮っていると、ひとまわり小さなシジミチョウも。こちらの翅表は暗い朱色だ。おそらく雌雄だろう。

帰宅して調べたらヒメシジミ。


(写真: ヒメシジミの翅裏)


(写真: ヒメシジミ♂)


(写真: ヒメシジミ♀)

山頂は、乳白色の霧に包まれて展望はなく。ここからの眺めは何度か見ているので、いくつかのシーンを思い出しながら昼食をとる。

終日の雨でも小さな出会いがいくつか重なり、十分に楽しかった。

午後4時半ごろ下山したら、警察のパトカーが「近くの霊園で親子グマが出ました。登山者は下山してください」とスピーカーを大きく響かせていた。

■登山記録
10時35分: 平和の滝から入山
11時35分: 布敷の滝
12時25分: ガレ場
13時00分: ガレ場を抜ける
13時30分: ケルン山頂
13時40分: 山頂

14時05分: 下山開始
16時30分: 登山口に戻る

※登山歴:
04年11月14日
05年06月18日
07年03月04日手稲山に登る
08年01月27日厳冬の手稲山
08年10月12日錦秋駆け降りる手稲山





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