AKB48の旅

AKB48の旅

チームBキャプテン 梅田彩佳

2012年09月15日 | AKB
舌の根も乾かぬうちにだけど、なぜ梅田さんなのかを、考えてみる。けっこう理詰めで答えが求められるように思う。

今回の組閣の重要な目的の一つは、分かり易い「組織図」を提示することだったということを先日書いた。そうなるとチームBのキャプテンがなぜ梅田さんなのか、そこを読み解く必要に迫られる。この「組織図」のターゲットはローコンテクストサイド、これまでAKB=前田敦子と捉えてきた人達なわけであり、そういう人達に届くもっとも重要な指標は、文字通り「知名度」だろう。上位メンバーを見渡してこの指標にかなうのは、大島優子、篠田麻里子、板野友美の3名であることに異論はないと思う。

ならば、なぜチームBのキャプテンは板野さんではないのか。答えとしては、条件設定が「知名度」だけではない、当然のようにリーダーシップが入ってると考えれば説明できるように思う。つまりは大島さん篠田さんにはリーダーシップがあるけど、板野さんにはない、そう判断されたということなんじゃないか。

というわけで、チームキャプテンの条件は「知名度」とリーダーシップの二つということに。このふたつを併せ持つメンバーは誰か。さっしーが残っていれば、これほどの適任はいないと思われ、実はチームBのキャプテンはさっしーだったかも知れないけど、無い物ねだりはできない。柏木さんがここで選ばれていないことから、逆に「噂」通り、リーダーシップに疑問符がつけられていたことの証左になるかも知れないし、その「知名度」がヲタさん側に偏り過ぎと判断されたのかも知れない。

上位メンバーを見渡してみて、次の候補は一気に秋元才加さんにまで下ることになるのかな。選抜じゃないけど「知名度」もリーダーシップも申し分ない。16位と20位では大差ないだろうし、ならばなぜ選ばれなかったのか。選抜ということにこだわったということなんだろうか。いや、選抜かどうかはローコンテクストサイドにしてみれば些末なことなんじゃないか。とすれば、また別の条件が関与したと考えるしかない。

ここで想起すべきは、新々Kのチームカラーじゃないだろうか。倉持明日香、小林香奈、近野莉菜、増田有華、松原夏海と、旧Kメンバーが再結集してるように見える。この新々Kの存在様式は、Jによって規定されるだろうというのは既に書いた。当然のようにSとの連続性、類似性を考慮するだろうし、旧KとSには必然的な類似性があったと推測できる(これも既述)。旧Kというチームカラーをより重視したとするなら、秋元さんをBに移すわけにはいかない。とりわけ宮澤さんがいないのだからなおさら。こうして秋元さんの芽もなくなったと推定。

消去法で候補を絞り込んでいくと、最初の条件に合致する候補がいなくなってしまうので、条件を緩和するしかない。「知名度」には目を瞑ってリーダーシップを期待できることに特化すれば、次の候補は横山由依さんになるのだろう。けれども横山さんは、既にして総監督補佐的なポジションであると推測され、新々Aから移すわけにはいかないし、もちろんNMB兼任でもある。

というわけでようやくここまで来て、梅田さんが浮上することになるんじゃないか。未知数とは言えリーダーシップには期待できるし、梅田さんの背負った物語は、コンテクストとしては敷居が高くない。分かりやすさ故、その気になれば食いつかれ易いかも知れない。もっとも、以上のようなしちめんどくさい理屈をこねなくっても、Tgskさんが梅田さんを推してる説に乗っかるのが、いちばん説得力があるか。

週刊新潮9月20日号「秋元康研究第一回」

2012年09月14日 | AKB
いちおう署名記事なんだけど、青沼陽一郎氏、全く存じ上げないんでそこはスルーと言うことで。ググったらブログもあったけど、ごめん、読む時間がない。

記事そのものについては、そんなに根詰めて読んだ訳ではないので断定するのは避けとくけど、目新しい情報はなかったように思う。すべてこれまでどこかで報道なりされてきた内容じゃないだろうか。少なくとも初めて知ったという感触はどこにもなかった。

それ以前に「秋元康」研究と言いつつ、秋元康関連はちょっとだけ。記事のほとんどが窪田康志氏と芝幸太郎氏、とりわけ芝氏ばかりで、いささか看板に偽りありかも。第2回で秋元康の「生い立ち」を追うと前振りしてるんで、第2回から本気出すのかな。

内容そのものよりもよっぽど気になるというか、悪意がこもってるなあと思えるのが、サブタイトルで使われてる「人形遣い」とか「時代の寵児」という表現。それと、本編の最後当たりで噴出してくるルサンチマンかな。

以下ちょっとだけ引用

「人形遣い」のように巧みにアイドルとメディアを操り、巨万の富を手にした秋元。何故、錬金術師は、闇の人脈と手を組むことになったのか。その謎は、彼の生い立ちを追う過程で明らかになるだろう。

そして、秋元の産み出した”国民的アイドル”の名前に刻まれた「48」の文字。それは、闇金詐欺を働き、裏カジノを経営し、背中に龍と鯉の刺青を背負った男の名前に由来する。

日本中が”国民的アイドルグループ”の名前を呼ぶ度に、闇から上がってきた男の名前を連呼し、賞賛していることになる。

以上引用

視点が悪意に設定されてると、このあたりがさもニュートラルに思えるのかもしれないけど、無前提で「人形遣い」といわれてもなあ。確かにそういう視点は可能だろうけど、けっこう特殊な立場になると思うんだけどな。それ以前に、単なる「人形」が大人気になるなんて、秋元康どんだけ優秀なんだという。まあ確かに優秀だと思うけど。

「巨万の富」ねえ。秋元康の仕事の量と質を少しでも参照してみれば、そんなもの論点にすら上がらないと思うんだけどな。不当、不正でないんであれば、ある種当然のことかと。まあその前に、言うほど儲かってなかったりしてね。

「闇から上がってきた男の名前を連呼し、賞賛」って、普通に無理筋でしょ。「48」は秋元康の言うとおり記号だし、「シバ」と読む人はまずいないし、もし仮にご本人が満足されてるとして、だから?じゃないかな。別にそれで良いんじゃないの。

そもそもマネロン的な議論に持って行きたいんなら、もっと資本関係を追いかけるべきだし、そうなるとたぶんKYORAKUになっちゃて終了だし。それ以前の違法性が問題なら、これまた普通に官憲が放っとかないでしょ。それとも何かの陰謀論?

いかん、ここまで書いてみて後悔しきり。なんともマジレス、カッコ悪い・・・じゃない、ファンはマジだぜ。マジで良いんだ。

組織の「見える化」

2012年09月12日 | AKB
AKBの組織論は見えにくいというのは以前書いた。AKBという「物語の海」の飲み込まれていく中、まさかこんなんになってるとはと、驚きの連続だった。そんな驚愕の旅の内容はあらかた書いてしまったけど、気がついてみたら、ずいぶんとぼっちな立ち位置に来てしまってるようにも思う。まあ気にせずに、自身の感性に正直に行こうかと。

高橋みなみさんが総監督に任命されたけど、肩書きは単なる後付けに過ぎない、それどころか西武ドーム時点ではもちろんのこと、さらに遡って「1ミリ先の未来」で描かれているように、横浜アリーナ時点で、既にその萌芽は見えてると思うんだけど、そういう論調は残念ながら、私が気付ける限りでは見当たらない。そんな特別なことを言ってるつもりはないんだけどね。チームAキャプテンも後付けだったし、これは秋元康も明言してたと思う。あれと基本、変わらない。

けれども今回、大きなそして決定的な違いが一つある。それは秋元康総合プロデューサー命による、上下関係の明瞭化。誰が見ても分かり易い組織図が明示されたこと。チームAの新キャプテンが篠田さん、チームKが大島優子さん。知名度が高く総選挙順位も高く年長メンバーであり、前田さんが卒業した後は間違いなくAKBを代表する2人がキャプテンを命じられ、しかも高橋さんの下に置かれたと言うこと。←ココ重要。

ローコンテクストサイドの人がAKBを見る目は、当然のようにこの組織図をなぞることになる。なぜいつも高橋さんが代表して話してるのか、ブサイク(失礼、真意ではありません)なのに「優遇」されてるのか、総選挙順位が高いのか、ヲタさん(つまりはハイコンテクストサイド)からの敬意を集めているのかについての、分かり易い説明が与えられたことになる。

そうした上で、人気も年齢も上の2人がなぜ従ってるのかとか、そんな偉い人のはずなのに、他のメンバーにいじられ、一見馬鹿にされてるようなトークとか、これってどういうこと?な関心を引かれることがあれば、そこからAKBという「物語の海」までは、もうほんの1ミリ先ということになるかもしれない。

何事につけ「見える化」の重要性についてはよく指摘されてるけど、AKBはこれまではその内部構造についての「見える化」を、少なくとも積極的にはしてこなかったように思う。少しの関心を持って調べるなら、その仕組みと仕掛け、つまりは階層構造とチーム制や、ほぼ年中行事化してきた選抜総選挙とかじゃんけん選抜とかは、比較的容易に理解できるように思うけど、なぜそれで回るのか、結束が固いのかは謎になるし、関心を引かれやすいであろう内部の人間関係とかは、人数が多いこともあり容易にはアクセスできない。

とりあえずそんなのは必要ない、絶対的エースの前田敦子をセンターに立て、選抜メンバーが脇を固める、それがAKB48なんだというスタンスでこれまではやって来たけど、その前田敦子という大看板が抜けた、ローコンテクストサイド的には手がかりを失った、まさにそんなタイミングだからこそ、分かり易いAKBの内部構造、トップが高橋みなみなんだよ、その配下に篠田麻里子、大島優子がいるんだよ、2人(実際は3人だけど)がチームのキャプテンで、以下のメンバーが従うんだよという、事実なのかどうかに関わらず、実に単純で分かり易い「組織図」が提示されたことになる。

こうして内部構造に目が行くようになれば、これまで以上に個別のメンバーに関心が向かう可能性があるし、誰と誰が仲が良くて、誰と誰が仲が悪いとか、ありがちな下世話な興味が沸きやすくなるだろう。それは決して避けるべきことではなく、むしろ積極的に利用していくことになるだろう。秋元康はそこまで読んでると思うし、戦略としてきわめて真っ当だと思う。

このように考えてみると、チームBキャプテンの梅田さんの異質性に、いやでも気づかされることになる。知名度は圧倒的に低い。梅田彩佳、誰?になるはず。もしそれが狙いだとすれば、梅田さんにとってはおいしいワケだし、そうではない事情があるのだとしても、そこを敢えて掘り返すこともないでしょ。

音楽熱帯夜ー前田敦子 AKB48卒業公演ー

2012年09月11日 | AKB
何が違ったわけじゃないけど、AKBのハイコンテクストにしっかり乗って、決して踏み外すことのない安心感とでも言えば良いのかな。制作統括石原真、編集高橋栄樹という、これ以上はないという人達が作ってるんで、それだけでも何か違うような気がする。何が違ったというほどの差はないんだけどね。

これ見て改めて思うのが、「普通の子」が自らの意思で前へと踏み出して、皆に担ぎ上げられて、その責務を全うするという奇跡かな。無に等しい私的存在に過ぎない少女が、祭り上げられて「神」たらんことを求められ、ひたすらその要請に誠実に、その全力を超えて奉仕する、「私」から「公」へと無限の距離を超えて行く、そんな奇跡のような現実を見せられたら、もう感動するしかないみたいな。

決して定型的な美人顔ではないのに、パーツは中心に寄ってるし、微妙にしゃくれてるし、なのにまぶしいまでに輝いてる、美しく見える、それこそ神々しさ。ああ、人ってこうまで成れるんだという感動。

決して個人では辿り着けない高みを、命を賭してまでも自らのものとした、「私」を廃して「公」たらんとした、やり遂げた前田敦子さんには、もう尊敬しかありません。