週プレの高橋みなみインタビューが興味深い内容だった。「出会えてよかった」という言葉は仄聞することもあるけど、「あつみな」が交わすことの重み、厚みに、なんか身震いしてしまった。そして、ネットでも引用されてた以下の部分。
以下週プレ高橋みなみインタビューから引用
ほかのチームのメンバーは、一度組閣を経験していて、しかも新しいチームで頑張れたって自負があるから今回も受け止められたと思うんですよ。でもチーム4は、彼女たちにとって初めてのチームだから受け入れられないところもあったと思うんです。
・・・・・・でも言ったんです。「私はみんなが、ほかのチームのアンダーとして出演していた研究生の頃のほうが輝いていたと思ってた。ほかの先輩にもまれたほうがみんなはすごく輝くんだよね」って。AKBにいる限り、限界を超えなきゃいけないんですよ。
「だから、みんなは離れなきゃいけない。先輩にもまれて、胸を借りるつもりで全部出してきなさいって。立ち止まったら、もうそこで置いてかれちゃうから、ついてきなさい、AKBに」って。・・・・・・みんな泣いてましたけどね。
以上引用(改行位置変更)
「見逃した君たちへ」の研究生公演見ても、素材が良いのは明らかだったと感じた。チーム4の「噂」は聞き知ってたけど、なるだけフラットに見たつもりでの印象は決して悪くなかった。ビジュアルレベルが高いだけでなく、才能に恵まれた子が多い印象だった。ヲタ目線での最新のチーム4評価は、小林よしのり先生のものが一番参考になると思うけど、これを信用するならやはりモノは悪くない、それどころか伸び代のある一級品という評価で良いんじゃないか。
では何がいけなかったのか。チーム4が解体されたということは、やはり間違いの修正が行われたということだろう。この間違いとは、私の勝手な推測(既述)だと、8期生問題、セレクション審査、第一回組閣とも関わるAKBの構造的な問題であり、そういう意味では、チーム4のメンバー個々人の問題とは言い切れず、そこは可哀想とも思える。けれどもAKBは立ち止まったら死ぬ。間違いは間違いとして修正しつつ、現実を受け入れた上で、その1ミリ先の未来、一手先のリスクを取りに行かなければならない。
上記引用のたかみなの言葉で、決定的なのは「限界を超えなきゃいけない」だろうと思う。その意味するところは、本人が思う以上に重層的だろうと推測するし、たぶんこの言葉の背後には秋元康の姿が透けて見えるように思う。
がむしゃらに努力して自らの殻を破る、それもまた「限界を超える」だろう。圧倒的な存在に見えるに違いない麻里子様を超える、それもまた「限界を超える」だろう。けれどもAKBの特質はそれだけではないこと。AKB共同体意識を共有することで、個の枠を超える。チーム4の失敗の本質は、多分そこにあった。
秋元康が羊飼いの比喩で表現してたと思うけど、プロデューサーとして正しいと信じる方向へと48Gを導くと言えば聞こえは良いけど、実際には追い込んで行く行為には様々なレベルがあるんだろう。単純にメンバーの綱紀粛正から、楽曲制作とパフォーマンス、お得意の仕掛け・・・。けれども最も重要なのは、「淘汰圧」を掛けて創発を促すことだろう。
AKBにおける最もきつい淘汰圧は、セレクション審査だったと推測できる。これは比喩としてだけど生死を分かつものであり、当人にとってはある種限界状態に追い込まれることになる。もちろんこれだけでなく、精神的、肉体的にぎりぎりまで追い込むようなレッスンなんてのも地味に効いてくる。意図的かどうかは分からないけど、この方法論は宗教の修業や通過儀礼、自己啓発セミナーに似ていると言えば似ている。AKBの場合は、意識されてるかどうかは分からないけど、個の限界を超えて創発を、相転移を促すことになる。
これが意図的に仕組まれてるとすれば、それはちょっと犯罪に近いものがあるかも知れないけど、恐らくは無意識に、無自覚に行われてるんじゃないか。そう言う意味では、秋元康の自己申告通り、正に高校野球の世界により近似することになる。けれども本質はあんまり変わらないわけで、このあたりも日本人の精神文化が背景にあることになる。
まあ、めんどくさい話はさておき、チーム4のメンバーはAKB共同体意識をうまく持てなかった、ちょっと奇形になってしまったんじゃないか。篠田さんの言葉を借りるなら、ここまで来て欲しい、自力で上がってきて欲しいという場まで辿り着いてくれない、それは実力とかそういう表面的なものだけではなく、気持ち的な問題、正に共同体意識の問題なんじゃないか。
例えば西武ドームのフラゲアンコールで、選抜メンバー達は前田さんがそこに立ってくれることを微塵も疑ってない。Jもアンダーの準備をしつつ、自分が立つことはないと確信してる、あの意識。極限の信頼感があるから創発が、相転移が引き起こされて、AKBという奇跡のような存在が立ち現れる。けれどもその中に、チーム4のメンバーは入って行けない。
だからリセットをかけた。本来ゲームのように安易にできることではないんだけど、AKBでは既に一度経験したことであり、この程度の負荷は負荷ですらないんだろう。このタフさもまた共同体ゆえ。一からのやり直しは、脱学習問題という新たな困難さをもたらすんだけど、これもまた先輩メンバーは既に克服してしまってる。上記引用の一行目は、まさにそれを語ってる。
もう一つ引用。ほんと、こんな凄い人、見たことない。
以下サルオバぐぐたす引用
今日9/3(月)のAKB48劇場は、「目撃者」公演でした。
東京ドームでのコンサートが終わって、10日ほど。
あっちゃん卒業公演が終わって、1週間ほど。
今日のサルオバは、「感銘を受けた」。
公演本編最後の曲前、一言コメントが入るタイミングで
発せられた、高橋みなみ総監督のコメントをご紹介します。
↓
敦子が卒業してから、最初の、一発目の目撃者公演です。
東京ドーム1日目には、
2年ぶりとなる組閣の発表がありました。
私たちメンバーにとっても、
応援してくださっているみなさんにとっても、
衝撃の出来事だったと思います。
ただ、2年前と違ったのは…、
私自身の感覚の話をしますが。
私は一番最初に名前が呼ばれました。
2年前も一番最初に呼ばれ、その時はキャプテンで、
今年は総監督になりました。
最初は、「えー、総監督って」って、言ってたんですけど、
見ていただくと、いつか映像で見てもらえればわかるんですけど、
笑ってました。
すごくおもしろいと思って。すごく楽しみだなと思いました。
2年前の組閣は、正直すごく悲しかったです。
長年連れ添った仲間との別れ、
どうなるかわからない組閣に、不安しかありませんでした。
ですが、2年後の今回の組閣は、
わくわくとどきどきが正直止まりません。
全然違う話をすると、ルービックキューブあるじゃないですか。
色が揃うと、壊したくなりませんか。
色をぐちゃぐちゃにして、やり直したくなる。
そんな気持ちです。
きっと今、2年かかってやっと、
チームとしてまとまりが出てきたんだと思います。
でも、そこを壊します。
新しい、第二章を生み出すために。
まだ正直、組閣の新チームとしての活動が、
いつからになるかわかりません。
いつか今の自分たちのチームに誇りを持っているからこそ、
新たな一歩を踏み出したいなと思います。
すごく楽しみです。
なので、みなさんも是非楽しみに待っていてくだされば
うれしいなと思います。
これからも、私たちは歩みを止めずに前を向いて、
ガムシャラに頑張っていきたいと思います。
これからも、応援よろしくお願いいたします。
以上引用
動的平衡の前のめりこそAKBムーブメントを表現する最適な言葉だと思ってるけど、そのためには求められる以上のことを行い、結果として変わっていくことを受け入れる、いやそれどころか、進んで変わって行く、司馬遼太郎の「龍馬が行く」の有名な台詞のように、前のめりで死ねれば本望みたいな覚悟を持つ必要がある。そして総監督はそんな決意をしっかり語ってる。
岩田さんが直接コメントしてたけど、メンバーじゃなくっても「たかみなについていきます」と言いたくなるわ。こんな希有な人が、よくぞオリメンにいたもんだと思う。
以下週プレ高橋みなみインタビューから引用
ほかのチームのメンバーは、一度組閣を経験していて、しかも新しいチームで頑張れたって自負があるから今回も受け止められたと思うんですよ。でもチーム4は、彼女たちにとって初めてのチームだから受け入れられないところもあったと思うんです。
・・・・・・でも言ったんです。「私はみんなが、ほかのチームのアンダーとして出演していた研究生の頃のほうが輝いていたと思ってた。ほかの先輩にもまれたほうがみんなはすごく輝くんだよね」って。AKBにいる限り、限界を超えなきゃいけないんですよ。
「だから、みんなは離れなきゃいけない。先輩にもまれて、胸を借りるつもりで全部出してきなさいって。立ち止まったら、もうそこで置いてかれちゃうから、ついてきなさい、AKBに」って。・・・・・・みんな泣いてましたけどね。
以上引用(改行位置変更)
「見逃した君たちへ」の研究生公演見ても、素材が良いのは明らかだったと感じた。チーム4の「噂」は聞き知ってたけど、なるだけフラットに見たつもりでの印象は決して悪くなかった。ビジュアルレベルが高いだけでなく、才能に恵まれた子が多い印象だった。ヲタ目線での最新のチーム4評価は、小林よしのり先生のものが一番参考になると思うけど、これを信用するならやはりモノは悪くない、それどころか伸び代のある一級品という評価で良いんじゃないか。
では何がいけなかったのか。チーム4が解体されたということは、やはり間違いの修正が行われたということだろう。この間違いとは、私の勝手な推測(既述)だと、8期生問題、セレクション審査、第一回組閣とも関わるAKBの構造的な問題であり、そういう意味では、チーム4のメンバー個々人の問題とは言い切れず、そこは可哀想とも思える。けれどもAKBは立ち止まったら死ぬ。間違いは間違いとして修正しつつ、現実を受け入れた上で、その1ミリ先の未来、一手先のリスクを取りに行かなければならない。
上記引用のたかみなの言葉で、決定的なのは「限界を超えなきゃいけない」だろうと思う。その意味するところは、本人が思う以上に重層的だろうと推測するし、たぶんこの言葉の背後には秋元康の姿が透けて見えるように思う。
がむしゃらに努力して自らの殻を破る、それもまた「限界を超える」だろう。圧倒的な存在に見えるに違いない麻里子様を超える、それもまた「限界を超える」だろう。けれどもAKBの特質はそれだけではないこと。AKB共同体意識を共有することで、個の枠を超える。チーム4の失敗の本質は、多分そこにあった。
秋元康が羊飼いの比喩で表現してたと思うけど、プロデューサーとして正しいと信じる方向へと48Gを導くと言えば聞こえは良いけど、実際には追い込んで行く行為には様々なレベルがあるんだろう。単純にメンバーの綱紀粛正から、楽曲制作とパフォーマンス、お得意の仕掛け・・・。けれども最も重要なのは、「淘汰圧」を掛けて創発を促すことだろう。
AKBにおける最もきつい淘汰圧は、セレクション審査だったと推測できる。これは比喩としてだけど生死を分かつものであり、当人にとってはある種限界状態に追い込まれることになる。もちろんこれだけでなく、精神的、肉体的にぎりぎりまで追い込むようなレッスンなんてのも地味に効いてくる。意図的かどうかは分からないけど、この方法論は宗教の修業や通過儀礼、自己啓発セミナーに似ていると言えば似ている。AKBの場合は、意識されてるかどうかは分からないけど、個の限界を超えて創発を、相転移を促すことになる。
これが意図的に仕組まれてるとすれば、それはちょっと犯罪に近いものがあるかも知れないけど、恐らくは無意識に、無自覚に行われてるんじゃないか。そう言う意味では、秋元康の自己申告通り、正に高校野球の世界により近似することになる。けれども本質はあんまり変わらないわけで、このあたりも日本人の精神文化が背景にあることになる。
まあ、めんどくさい話はさておき、チーム4のメンバーはAKB共同体意識をうまく持てなかった、ちょっと奇形になってしまったんじゃないか。篠田さんの言葉を借りるなら、ここまで来て欲しい、自力で上がってきて欲しいという場まで辿り着いてくれない、それは実力とかそういう表面的なものだけではなく、気持ち的な問題、正に共同体意識の問題なんじゃないか。
例えば西武ドームのフラゲアンコールで、選抜メンバー達は前田さんがそこに立ってくれることを微塵も疑ってない。Jもアンダーの準備をしつつ、自分が立つことはないと確信してる、あの意識。極限の信頼感があるから創発が、相転移が引き起こされて、AKBという奇跡のような存在が立ち現れる。けれどもその中に、チーム4のメンバーは入って行けない。
だからリセットをかけた。本来ゲームのように安易にできることではないんだけど、AKBでは既に一度経験したことであり、この程度の負荷は負荷ですらないんだろう。このタフさもまた共同体ゆえ。一からのやり直しは、脱学習問題という新たな困難さをもたらすんだけど、これもまた先輩メンバーは既に克服してしまってる。上記引用の一行目は、まさにそれを語ってる。
もう一つ引用。ほんと、こんな凄い人、見たことない。
以下サルオバぐぐたす引用
今日9/3(月)のAKB48劇場は、「目撃者」公演でした。
東京ドームでのコンサートが終わって、10日ほど。
あっちゃん卒業公演が終わって、1週間ほど。
今日のサルオバは、「感銘を受けた」。
公演本編最後の曲前、一言コメントが入るタイミングで
発せられた、高橋みなみ総監督のコメントをご紹介します。
↓
敦子が卒業してから、最初の、一発目の目撃者公演です。
東京ドーム1日目には、
2年ぶりとなる組閣の発表がありました。
私たちメンバーにとっても、
応援してくださっているみなさんにとっても、
衝撃の出来事だったと思います。
ただ、2年前と違ったのは…、
私自身の感覚の話をしますが。
私は一番最初に名前が呼ばれました。
2年前も一番最初に呼ばれ、その時はキャプテンで、
今年は総監督になりました。
最初は、「えー、総監督って」って、言ってたんですけど、
見ていただくと、いつか映像で見てもらえればわかるんですけど、
笑ってました。
すごくおもしろいと思って。すごく楽しみだなと思いました。
2年前の組閣は、正直すごく悲しかったです。
長年連れ添った仲間との別れ、
どうなるかわからない組閣に、不安しかありませんでした。
ですが、2年後の今回の組閣は、
わくわくとどきどきが正直止まりません。
全然違う話をすると、ルービックキューブあるじゃないですか。
色が揃うと、壊したくなりませんか。
色をぐちゃぐちゃにして、やり直したくなる。
そんな気持ちです。
きっと今、2年かかってやっと、
チームとしてまとまりが出てきたんだと思います。
でも、そこを壊します。
新しい、第二章を生み出すために。
まだ正直、組閣の新チームとしての活動が、
いつからになるかわかりません。
いつか今の自分たちのチームに誇りを持っているからこそ、
新たな一歩を踏み出したいなと思います。
すごく楽しみです。
なので、みなさんも是非楽しみに待っていてくだされば
うれしいなと思います。
これからも、私たちは歩みを止めずに前を向いて、
ガムシャラに頑張っていきたいと思います。
これからも、応援よろしくお願いいたします。
以上引用
動的平衡の前のめりこそAKBムーブメントを表現する最適な言葉だと思ってるけど、そのためには求められる以上のことを行い、結果として変わっていくことを受け入れる、いやそれどころか、進んで変わって行く、司馬遼太郎の「龍馬が行く」の有名な台詞のように、前のめりで死ねれば本望みたいな覚悟を持つ必要がある。そして総監督はそんな決意をしっかり語ってる。
岩田さんが直接コメントしてたけど、メンバーじゃなくっても「たかみなについていきます」と言いたくなるわ。こんな希有な人が、よくぞオリメンにいたもんだと思う。