マジカル・ミスってるツアー

MMT社
猫と水どうとするめイカ面達との非常識の中の常識的日常

ラクダ

2008-06-11 16:42:44 | 小林賢太郎・(有)大吟醸
待ち合わせの場所として、よくホテルのラウンジを利用する。

本日は、飯倉にあるホテル。

約束の時間まで余裕があったので、化粧室に入った。

大きなフロアーには、椅子付きの化粧台が規則正しく並んでおり、各鏡の左右には淡い熱を発する白熱灯が取り付けてあった。

一番奥の椅子に、知った顔のラクダがいた。

「あらっ?」

「どうも・・・」

彼女は、大きな瞳の上下のたわしの様に固いまつげに、マスカラを付けている最中であった。

「昨日、Kビルのエレベーターの中でお会いしたかしら・・」

「はい」

「本公演に行かれなくて残念でしたわね」

「はあ~」

「あそこはね、住んでる私達ですら、なかなかたどり着けない場所なのよ」

「そうなんですか?」

「ええ。今はダメ。砂嵐の季節ですもの。そして、それが止んだら、入り口の石像を探さないと」

「石像ですか?」

「そうそう。二宮金次郎によく似た石像よ」

「もし、それを探し出しら、行かれるのでしょうか?」

「う~~ん。見つけても、私達には動かす事が出来ないから」

「えっ?」

「ある人物だけ、その石像を動かせる」

「ある人物って、もしかして・・・」

「そう、がけっぷちのギリジン」


やっぱり、彼がキーワードか!

間違えて、洗顔料で歯を磨いてしまった様な気分になった。


「まあ、そう、暗いお顔をなさらずに。完璧な思考のシステムの中で、答えはもう既に出来上がっているはず。後は、世界で一番タフな信者になる事です」


世界で一番タフになる・・?。カフカじゃあるまいし。

とり合えず、口の中をうがいしてから、考えよう・・・。タフになる為の条件と可能性と確率と蓄積について。