散歩日記X

札幌を中心に活動しています。食べ歩き・飲み歩き・ギャラリー巡り・読書の記録など

第105回 北海高等学校美術部 どんぐり会展

2015年03月12日 17時36分16秒 | ART
この週末は東京に行くため、札幌のギャラリー巡りができない。何とか隙間を見て、毎年気になっている「どんぐり会展」だけは見ることができた。写真撮影の許可も例年のとおり頂いた。

池上瑠莉「毒死」。ケバケバしくならずに、踏みとどまっている。



村井茜「想い出」。読書家の夢だね。



大久保岬「芥捨て場にて」。廃墟と宇宙船団であるかのような雲。



山田莉奈「生命力」。森の魂たちが集う。



工藤廉「想像せよ」。これ、いいねえ。画に命をかける、だね。



平川歩「極東にて」。斜め上からの不思議な風景。魅力ある。



鈴木綾栞「未完の人生」。何だろう、狼とうねる曲線は蛇か? 自由でいい。



工藤美音「嘘と少女」。花は偽りの象徴か?



今年はちょっと破天荒さには欠けていたかもしれない。

20150307ギャラリー巡り

2015年03月07日 16時21分49秒 | ART
3月6日に時間調整のため道新。
本日は時計台→たぴお→大同→大丸→紀伊国屋→さいとう→スカイホール→三越→富士フイルム→大通→kitakara→アリアンスの12か所。

体調が今一つのせいか、感想があまりなかった模様。そういえば、大同ギャラリーに予約が入り続けているようなので、変だなと思っていたら、閉廊するのは来年の3月末なのか。1年間違えていた。

こちらも閉鎖がまじかに控えているテイセンボウル。ボウリングも問題だが、プロレス界にとっても問題かもしれない。


静岡のアート(2)

2015年03月07日 11時03分52秒 | ART
静岡駅の南口だったか。ルノワール「勝利のヴィーナス」。



同じくルノワール「洗濯する女」。



草薙駅前にて。駅前のロータリー内のため、近寄れず。



同じく草薙駅前の「考える犬」。誰かの画ににてるね。



静岡県立美術館ロビー、石上和弘「175%の収穫」。



石上和弘「裾野に歩く、山腹に寝転がる」。富士山のある県ならではか。



福元修一「帰郷」。良く見るとくぼみに所に歩いている人がいる。



増田幸雄「風に吹かれて」。



トニー・スミス「アマリリス」。



柳原義達「道標・鳩」。この辺から静岡県立美術館前の彫刻プロムナード。



佐藤忠良「みどり」。英語の題が「GREEN」なのだが、名前ではないのか?



鈴木久雄「風化儀式V-相関体」(Vは正しくはローマ数字の5)。



逆側まで作品タイトルを見に行くのが面倒になり挫折。申し訳ない。



掛井五郎「蝶」。タイトルが謎。



清水九兵衛「地簪」。



山口牧生「四角柱と丸い石」。



舟越保武「杏」。これも英語の題が「Apricot」。人名ではないのか?



ジェイムズ・ロザディ「アークII」(IIはローマ数字の2)。



道の逆側にあったため、作品タイトルを見に行けず。申し訳ない。



静岡鉄道・県立美術館前駅でロダンの「考える人」(複製)。目の前の紙円錐を見つめて考えこむ男。



アート辺は以上で終了。後は清水駅界隈の街並みかな。

静岡のアート(1)

2015年03月01日 21時49分33秒 | ART
静岡旅行で撮影した彫刻など。

まずは静岡駅前の竹千代君像。今回は服を着ていた。



道端にある謎の像。

 

MOA美術館でマイヨール「春」。



同じくブールデル「アポロンと瞑想」「走りよる詩神たち」。



ヘンリー・ムア「王と王妃」。



清水に移動し、西野康造「この空のもとで」。



西野康造「空のむこう」。ハンドルで回転させることができるらしいのだが、故障中であった。すると子供たちが突然、押してくれたので90度回転してしまった。

 



松永勉「蒼空へ」。



作家、作品名の表示なし。



続く。

20150228ギャラリー巡り

2015年02月28日 15時38分32秒 | ART
2月26日に新さっぽろ。2月27日に新さっぽろARTWALL。

本日は道新→時計台→たぴお→大同→大丸→教育大サテライト→アートスペース201→ivory→スカイホール→さいとう→三越→富士フイルム→資料館の13か所。

■ギャラリーたぴお「伊藤貴美子Exhibition」。生命力を表す光と、それに対応する形で闇を描いている(と私が思いこんでいる)作家である。今回はこれまでの作品に加え、色彩表現を重視した新傾向の小品が出品されている。これが今後、どういう形で結実するかが楽しみだ。

■大同ギャラリー「札幌大谷大学芸術学部美術学科 日本画コース 第2回 朋翼會展」。日本画の基本から学んでいることがうかがい知れる展覧会だった。このギャラリーの営業は3月29日まで。

伊藤あかり「広原にて」:道産子(馬)にグッとクローズアップして描いた作品。力感が伝わる。
阿部梓「みのも」:水の流れは琳派をほうふつとさせる。ペンギンの体やひれが水中でもやもやと見える表現がいい。
橘つづり「豊満な貴婦人」:貴婦人を演じる太ったペンギンが濃厚な作品。壁にかかったセイウチの肖像画もユーモラス。
吉川聡子「灯す」:遠目に見て上手いなと思ったら、この方だった。

■北海道教育大学サテライト「2014年度 北海道教育大学岩見沢校 修了・卒業制作展2期」。
遊佐千裕「響き」:岩のような骨のようなものを描いた大作。かなりいい。
高橋和加奈「眠りにオちる」:女性が眠りに落ちるような、風に乗って飛ぶような彫刻作品。

■アートスペース201「札幌大学卒業記念写真展」。深町ただしの作品は何を被写体にすべきか、かなり真剣に求めていると思う。単なる思いつきスナップには見えない。

静岡再訪(14) 石田徹也展

2015年02月22日 11時53分13秒 | ART
断続的に夜中目が覚め(乾燥しているせいか?)、結局6時に起床。朝飯は静岡ならではの富士宮焼きそば(カップ麺)だ。少々胃がもたれているが、結構良くできたカップ焼きそばで、するすると食べてしまった。

 

本日は9時頃出発。今日の天気予報では雨になる予定。ホテルを出た時はまだ大丈夫だ。



まずは静岡県立美術館へ行こう。静岡駅から電車に乗り草薙駅に到着。ここからバスに乗って美術館へ。近いせいもあって100円の料金であっという間についた。



まずはなんと言っても気になっていた「石田徹也展」を見ていこう。会場前に人が並んでいるので少々驚いたが、実は別のイベントのための行列らしく、結果的にチケット売り場には1番に到達することになった。そのまま入場。

「弱い者いじめは、やめよう!」:11歳の時の有名なデビュー作品。これがあったか。
「カフェブルーマウンテン」:青いカフェ、男、コーヒー豆を描いた、ロックウェル的な作品。
「居酒屋発」:ささやかな幸せか、それとも酒で紛らわすサラリーマンへの皮肉か。

「みのむしの睡眠」:彼の作品にはいろいろなものに包まれているものが多い。単純に母体回帰ではないかもしれないが。
「無題」:テレビのブラウン管を乳母車に見立て、その中にすっぽり包まれるサラリーマン。彼はテレビにおぼれることへの不安感を持っていたようだ。しかし、もう少しするとその厚みのある立体がテレビだと分からなくなるのかもしれない。
「無題」:エコー像に浮かぶ、胎児状にまるまった成人男性。やはり母体回帰か。

「鯉の夢」:鯉の模様という大胆なパジャマを着て、船の形をした寝台の中で眠る男。石田本人のアイディアメモで「鯉は女性器の象徴」と書いてあるのだが、見た感じは特殊な職業の方のド派手な服の模様にも見える。
「不安な夢」:自分がクモになってしまったのか、それともクモに後ろから襲われているのか。
「使われなくなったビルの部長のイス」:同じような「社員のイス」作品もあるのだが、部長の椅子のほうが少し豪華なのである。しかし今時、昇進したら椅子が変わるという分かりやすい会社はあるのか?(あるんだろうな)

「兵士」:サラリーマンの服装でビル陰に隠れる男。傘をライフルのように持ち、足は銃で撃たれたのか包帯を巻いている。
「飛べなくなった人」:しがらみで動けないという彼の代表作。
「社長の傘の下」:巨大社長がリングを回し、そこに飛べない飛行機のようにつながれたサラリーマン。

「コンビニエンスストアの母子像」:男がカゴにすっぽり入り、聖母のような表情をした店員にPOSレジの読み取り装置を当てられている。
「燃料補給のような食事」:ファストフードチェーンらしき所で、口に給油されている男たち。
「無題」:左手にはミシン、右手はマークシートが記された布を押さえている。試験の悪夢か。

「囚人」:学校の校舎に全身を埋め込まれた男。確かに学校にはそういう要素がある。
「市場」:老女にすがる2人の男。老女の胸にある暖簾から、また一人の男が顔を出している。シュールな雰囲気の大作。
「無題」:リフトのかごから手を差し伸べる消防団員。かごにはすでに2人の男の子がいるのだが、一人は体がかごからはみ出している。死の世界への誘いなのかもしれない。

おそらく石田徹也の代表作を含め、その画業をほぼ一望することのできた展覧会なのだろう。満足感と共に、何ともいえないやるせない気持ちが湧き上がってくる。彼にはいろいろなものが耐えられないように見えたのかもしれないが、サラリーマンを20年以上やってきた者としては、そうとばかりも言えんぞと思う所もある。

ロダン館は一度見たので今回はスキップし、屋外の彫刻プロムナードを見ながら駅に戻る。JR駅まで行くのはやめて、静岡鉄道の県立美術館前駅に到着。目の前で電車が行ってしまったのだが、何とか12分後に発車する電車に乗り、新静岡に戻る。

 

静岡再訪(2) 小林清親展

2015年02月20日 16時28分55秒 | ART
まずは昼食を抜かして、駅前にある静岡市美術館で「小林清親展」を見ていこう。

 

「両国雪中」:雪の中の静かな雰囲気が良く出ている。
「今戸有明楼之景」:同じ作品が2点並んでいるのだが、片や色彩が派手。もう片方は地味なのである。
「江戸橋夕暮富士」:手前に人のシルエット、橋げた、松の木を大きく配置し、クラシックな浮世絵のデザインに見える。

「川崎月海」:海に浮かぶ帆船。月の姿はあえて雲に隠し、光だけが見える。
「日本橋夜」:広重の日本橋とはかなり違い、平らな橋に描かれている。車道と人道が分かれており、車道(といっても大八車などが走っているのだが)は左側通行なのが分かる。
「浅草寺年乃市」:境内の中には人がびっしり。夜店も沢山出ているようだ。

「大川冨士見渡」:向こうに小さく富士があるのやら無いのやら。けれんみが少ない。
「虎乃門夕景」:西洋の影響があったのだろうが、妙な遠近法(何点透視なんだ?)が気になる。
「橋場の夕暮」:個別に見ると不思議な形と色を重ねて、自然に見えるのがすごい。

「明治十四年一月廿六日出火 浜町より写両国大火」:珍しく赤・オレンジに茶色や青まで混ぜて炎を表現している。本人は一晩中スケッチをしながら駆け回り、翌朝家に帰ってみると、自分の家が焼けていたのだそうだ。
「両国焼跡」:人がシルエットで描かれ、行き場所を失ってさ迷っているかのようだ。
「猫と提灯」:34度摺り(+落款)なのだそうで、もう版画に見えないような密度である。

「鶏にトンボ」:フルカラー図鑑のような感じ。
「亀戸梅屋敷」:清親の風景、建物はいいのだが、人物はどうも不自然な感じがする。西洋風の妙な写実が気になるのだろうか。
「箱根三枚橋雨」:雨を斜めの白抜きで表現している。

「神田八雲神社暁」:この暁のグラデーションは素晴らしい。
「従箱根山中冨嶽眺望」:電信柱と電線が描かれているのが明治だ。
「武蔵百景之内隅田川より待乳山遠景」:画面手前に巨大な女性を描き、これはけれんみのある構図だ。

「三都三美人」:3人の顔を重ね、目が合計で4つしかない。何故こんなに不気味な美人画にしたのか。
「清親ぽんち 両国ゑこういん」:巨漢の相撲取りの股下を、やせっぽちで小さな力士がかすりもせずに通り過ぎる図。いわゆるマンガである。
「亜細亜の貝産物 団団珍聞513号」:貝の顔をした男女。風俗画か。

「菊ハ菊ともよく改る 当世キク華壇 団団珍聞519号」:「牛屋の跋扈は鰻屋にきく」など、最近の流行を並べたものらしい。
「かいろ遊千艸の働 団団珍聞585号付録」:かえるが西洋風の振る舞いをしている戯画。
「我夜戦砲兵九連城幕営攻撃」:戦争画であるのだが、雨にたたずむ軍人を描き、光の加減に工夫の見られる光線画でもある。

「朝鮮豊島海戦之図」:燃える船。その炎が海岸の岸壁を赤く染めている。
「象図」:薄墨とぼかしを使い、グレーの象を上手く表現している。
「福禄寿と大黒」:マンガチックな二人。がきデカを思い浮かべる。

「鉄道馬車」:日本橋-上野-浅草-日本橋という環状路線があったようだ。
「川中島合戦図屏風」:謙信が一人馬を飛ばし信玄に迫る様子。謙信は華やかな美男、信玄は影武者らしき同じ服の人たちの中であわてず動ぜずという感じか。
「写生帖」:いくつも出品されていたが、そのまま出版すれば売れそうなレベルである。

ロビーでは「ヒトノカタチ、彫刻」という展示をやっており、写真撮影が可能だったので掲示していこう。

津田亜紀子「生成の無垢」。ちょっと怖い。



青木千絵「BODY08-2」。足は床に着いておらず、宙づりになっている作品。



藤原彩人「首像/意識の壺」。3点とも人間の形に始まり、何かに変容していくような作品だ。



見終わったところで、ホテルガーデンスクエア静岡にチェックイン。2泊したが、立地も良く、なかなか快適なホテルであった。

 

残念なのは窓からの眺めだけかな?(全く興味がないが)。



行きたい店が16時半開店なので、少々の休憩の後、すぐに出発だ。

20150214ギャラリー巡り

2015年02月14日 14時14分12秒 | ART
11日、13日とある程度見ているのと、今日もあまり時間がないのでART-MAN→クラーク→アリアンス→CAI02の4か所のみ。

■クラークギャラリー「小林俊哉個展「To regain the irreparable」」。
モクレンの花を描いた作品群。作者は最古の花木と言われているモクレンに興味を持っているらしい。花の一部が黒で描かれているのは、東日本大震災、原子力発電所の事故で植物が汚染され、この先どうなるか分からない状況を表現しているらしい。

南4東4に「新渡戸稲造記念公園」が整備されているようであった。遠見に見えるのは山内壮夫の「新渡戸稲造萬里子両先生顕彰碑」らしい。春になったら像の前まで行って見ることにしよう。

 

20150213ギャラリー巡り

2015年02月13日 13時57分25秒 | ART
本日はらいらっく→富士フイルム→北海道文化財団アートスペース→大通→グランビスタ→道新→時計台→クロスホテルの8か所。人間ドックと銀行と脳ドックの合間なので、こんな数となる。

■らいらっくぎゃらりい「第24回道銀文化奨励賞受賞記念 国松希根太展」。
「HORIZON」:木目が砂嵐が流れるかのように見えるシンプルな風景画。
「GLACIER」:わずかな彩色で山の雪や氷に日光が散乱するさまを表現しているようだ。

■富士フイルムフォトサロン「榎本 淳「Train Hokkaido」鉄道風景写真展」。ほぼ風景写真のように見えながら、展覧会タイトルの通りどこかに列車を写し込んでいるという写真展。北斎の富嶽三十六景の趣か。

■北海道文化財団アートスペース「久野志乃展 ”あたらしき島”」。土日祝休、平日も9時~17時しか開いていないというサラリーマン泣かせの展示にやっと行ってきた。

「反転テント」:逆さまになったテントとそれを器にしているかのような湖。形の対比に加えて、色彩の対比も印象的。



■時計台ギャラリー「札幌大谷大学芸術学部美術学科 卒業制作展 造形表現領域(絵画/立体コース)」。
苛原治「風景2014」:中央の顔が印象的すぎて風景画にはあまり見えない作品。そんな中でどう表現するかというのにチャレンジしているのかもしれないが、少々分かりにくい。精神的な風景か?
大坂崚「孤憤I~III」:夜の団地を描いた3連作。遠くから3点同時に眺めるのがいい感じだ。
小林由紀実「健忘症」:賑やかな色彩の中に立ちつくす。この方も含めて大作を3点並べて展示している人が多く、作品を見比べながら変化を愉しむことができた。卒展ならぜひ1点だけではなく、複数点を出品してほしいものだ。

寺内瑞穂「視線I」:この作品にはキャプションが見つからなかったのだが、もう一点の作品名「視線II」からして、こういうタイトルなのだろう。ギャラリーの廊下はオープンスペースとみなし、掲載させていただくことにした。



■クロスホテル「クリエイティブ北海道展in札幌」。
久野志野「Under-Ice」:暗く青い氷の下、ブランコに座る女性。カフェスペースの展示を、何とか昼食時をはずして見ることができた。良かった。

エレベーター前には川上りえ作品もあったのだが、写真がボケボケ。全体的に明りを落としたホテルである。

20150211ギャラリー巡り

2015年02月11日 16時37分03秒 | ART
本日は教育大サテライト→大丸→創→ラフィラ→ivory→さいとう→スカイホール→三越→資料館→教育文化会館→三岸好太郎美術館→近美の12か所。

■ギャラリー創「土岐美紗貴”COCOtU”」。なかなか繊細な版画展。円形の中に草花が配置されている作品が、寺社の天井絵を思わせる感じで良かった。なんとなく制約があった方が、対象が引き立つような気がする。

■さいとうギャラリー「永野曜一個展・2015」。じっくり見ることのできる抽象画。なかなか面白かったのだが、当番の方? が画に見入り過ぎていて、私の進行方向をことごとく遮る。あれは何とかならぬものか。

■スカイホール「札幌大谷大学芸術学部美術学科卒業制作2015」。
小野穂奈美「小野座映画株式会社」:自分が社長兼監督をやっている架空の映画配給会社を設定し、そこで製作した映画ポスターを展示したもの。B級レトロ調ポスターを12点ならべたのだから、なかなか素晴らしい。
石川由希奈「Sound box」:ケースの中にライティングが施され、擬音等を表現する切り張りした文字を配置したもの。直感的に分かる雰囲気が良い。
菊谷幸平「伏古ポスター計画」:伏古商店街の(おそらく)実在する商店ポスター10点を作ったもの。床屋の椅子に座る、頭のツルッとしたオジサンの画に「床屋は切るだけが仕事じゃない」というキャッチコピー。なかなか。

■三越ギャラリー「イバラードの世界 井上直久絵画展」。スタジオジブリのアニメ映画で背景を描いていた人らしい。少々メルヘンに流れている気もするが、SF的世界観も感じられる。

札幌市資料館前。上にはさほど雪が積もらないが、足元がかなり埋まっている。当然、作品名表示板はまったく見えない。



■三岸好太郎美術館「音楽のある美術館6」。今年も5回の展覧会を全て見て、スタンプラリーの商品を頂いた。展示作品は大体見たことがあるのだが、久しぶりに「オーケストラ」の裏面「悪魔」も展示されているので、見たことがない人はぜひ。

■北海道立近代美術館「もうひとつの眺め 北海道発:8人の写真と映像」。



露口啓二「福島_Boundary」「福島_Exterior」:今回の展覧会は撮影が自由なので、少し雰囲気が分かるように撮影してみた。震災後の福島の雰囲気と、北海道の炭鉱地帯(別に展示あり)の風景が結構似ているというのが印象的。



ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ「スペリング・ディストピア/さよなら端島」:これは一度見たことのある作品だ。端島(いわゆる軍艦島)の風景に、かつてそこに住んでいた人のインタビュー音声と、映画「バトル・ロワイヤル」を見た感想のインタビュー音声がかぶさってくるもの。これ、映像が面白いんだよね。



ニナ・フィッシャー&マロアン・エル・サニ「3.11後の生き物の記録」:暗さのあまり少々うとうとしてしまったので、前後関係が分からないのだが、非常に興味深いシーンがあった。そこまで何人かで3.11の震災、放射能問題について話をしていたのだが、ある一人が「命の問題なので、私は高知に移住することにした」というと、その瞬間何だか空気が変わるのである。

「祖父母が住んでいたので数回行ったことがある」「仕事はきちんと引き継ぎを終えてからやめる」「何も決まっていないが、移住先で仕事を探す」と説明する人に対し、まず「ほんと、仕事はどうするの」「家族は賛成しているのか」「東京ってそんなに危険なんだっけ?」と発言者の判断に疑問を呈するような意見が続出する。

そしてその次に「私は年を取った両親がいるから無理だ」「この年じゃ次の仕事が見つからない」「自分には移住するような縁がある場所がない」などと自分が移住しない理由が口々に述べられる。勝手な想像だが、こういうことが福島、またその周辺でかなり起こった事なのだろうなと思えるのだ。

この他、最後に佐竹真紀の映像作品もあり、思ったより時間がかかって見切れなかった。もう一度行く必要があると思う。



本日は時間がないので、記事は後日書くことにする(何日か経つと忘れていそうだ)。

一応、簡単に書いておいた。

20150207ギャラリー巡り

2015年02月07日 17時51分05秒 | ART
本日は北のモンパルナス→時計台→大同→赤れんがテラス→大丸→紀伊国屋→HOKUBU→500m美術館→大通→三越→スカイホール→さいとう→ivory→ARTスペース201→道新の15か所。

■北のモンパルナス「四年目の池袋モンパルナス展 下期」。オーナーさんとしばらく話しこむ。お茶、ごちそうさまです。

 

地下鉄大通駅で谷口顕一郎「凹みスタディ-琴似川北12条西20丁目-」。黄色い色がどうかと思っていたのだが、意外といいな。真横からみると、また不思議な形。

 

雪まつりはなるべく目に入らないようにしてと。でもギャラリーに行くために大通を3回渡ってしまった。



チカホで西郷どん。去年行った鹿児島、良かったなあ。



■HOKUBU記念絵画館「和と洋の距離感」。土曜日限定の開館。



■500m美術館「カラフルアンダーグラウンド」。



大塩博子「おくちの中ディスコ」。地下を明るくする作品。

 



■スカイホール「道都大学美術学部卒業制作・設計展2015」。
ナガイユカリ「nonocular」:スカートの中と髪の毛の下からバラを飛びださせる女の子。いい意味の女性性。
畠中ゆう「おしえて」:頭に花や山菜をかざした画。何だかとぼけた味わい。
高澤皓「摩天楼」:人気のないビル。建物の下にある白い霧のようなものと赤い線。立ち入り禁止のイメージか。

■ARTスペース201「丸島均と五つの展覧会」。まずは5室が埋まって、人が大勢いることが素晴らしい。
野嵜貴子「春の嵐」:折れたカサに不思議な動物が止まっている。面白い小品。

この他、東影美紀子「ムコウの景色」、魅噛MIKA「顔の無い男」シリーズに目が行った。惜しむらくは時間がなく、丸島さんとはあまり話ができなかった。ワイン、ごちそうになりました。

しかし、赤れんがテラス5階は外に出ることもできないし、がっかりするような古いDM、チラシが置いてあるし、どうしたいんだろう。私が行った時に家族連れがいたのだが、呆れかえっていたぞ。

雪の東京 おまけ(2)

2015年02月01日 21時58分37秒 | ART
東京芸術大学の卒業・終了作品展より。

白井翔平「ノーサイド」。



清水太二「NORMAL OPERATION」。華やか。



今井完眞「高脚蟹・椰子蟹・甲蟹」。この人、陶芸専攻なんだけど、これって陶器? FRPかなんかだよね。

 



平良志季「大日孁貴神」。クラシックな所が好きだ。



ロビーの染色作品。



展覧会終了の1時間前位についたので、あまりゆっくり見ることができなかった。一見の価値はある展覧会だ。

雪の東京 おまけ(1)

2015年02月01日 21時50分47秒 | ART
恒例の東京国立博物館作品選をお届けする。

「花籠形釣香炉」。



潜淵コレクションの水滴。これは素晴らしい。



法隆寺宝物館「灌頂幡」。国宝。



「観音菩薩立像」。



国宝「七弦琴」。こんなのが法隆寺宝物館にあったのか。



国宝「海磯鏡」。これも初めて見るかも。



国宝「墨台・水滴・匙」。あまりにも静かで、カメラを操作するのさえはばかられる。



さすがに法隆寺宝物館ではそんなことがないのだが、東博の本館ではシャッター音がやたらにうるさい。あれは何とかならないものか。

雪の東京(9)

2015年01月31日 16時03分06秒 | ART
上野から三越前、さらに大手町へ地下鉄を乗り継ぎ(降りる場所を間違えた)、その後、恐るべき東京の地下街を延々と歩いて、出光美術館の「物語絵」へ。

冷泉為恭「雪月花図」:あえて全体を黒と茶ベースにして、女性の衣装の華やかさを際立たせた作品。
岩佐勝友「源氏物語図屏風」:上手くて豪華。一場面ずつ見ていきながら語り合えば、それだけで酒が飲めるだろう。
俵屋宗雪「伊勢物語富士山図屏風」:これでもかというほど巨大な富士山。その前をパースペクティブを無視して、その前を4人の旅人が歩んでいる。

絵・住吉具慶、詞・伝烏丸光夫、伝花山院定誠、伝七条隆豊「宇治拾遺物語絵巻」:弓矢が好きで家の屋根板を燃やして夜も練習を積んだという変わった人の絵巻。
「福富草子絵巻」:放屁芸をする人のまねをしたところ、どうやら漏らしてしまい周囲の者に爆笑され、最後にはたたかれて血まみれで追われる男の物語。昔もバカ画というのがあったのだな。
「平家物語 一の谷・屋島・壇ノ浦合戦図屏風」:日本人は一の谷のせいで、小兵力による奇襲戦法が好きになってしまったのではあるまいか。

「金銅蓮唐草文透彫経箱」:さりげなく置いてあるが、高度な技巧で素晴らしい作品。重文。



ふー、今回の美術館めぐりはこのくらいにしておこうか。今回は超有名展がなかったので、さほどストレスを感じずに見ることができた。しかし、解説文の前でずっと立ち止まって読み、作品を一瞬しか見ない人たちの動きにはイライラさせられる。

雪の東京(8)

2015年01月31日 15時07分49秒 | ART
次はリニューアルされたらしい、黒田記念館へ。



主要作品が展示されている部屋は開いておらず、小品のみが何点か展示されていた。前回来た時はダメだったような気がするのだが、今は作品の撮影も可能なのである。ということで「マンドリンを持てる女」を掲載しておこう。



さらに東京都美術館「新印象派」展へ。

クロード・モネ「アンティーブ岬」:海辺に松が一本。非常に日本的だ。
ジョルジュ・スーラ「石割り」:まだ点描になる前の作品。細かい筆のタッチは見てとれる。
ジョルジュ・スーラ「≪グランド・ジャット島の日曜日の午後≫の習作」:静謐な感じがする小品。点描で大作を描くよりは、こういう方がしっくりくるのでは。

ポール・シニャック「鉄道の連絡駅。ボワ=コロンブ」:パステル色なのだが、かなり濃密に色彩をちりばめてある感じがする。
アンリ・ドラヴァレー「冬の井戸」:影の部分を点描で描くには、色の要素に関する知識が問われると思う。面白い。
マクシミリアン・リュス「モンマルトルからのパリの眺め」:これは完全にクドく見える。

ジョルジュ・スーラ「ポール=アン=ベッサンの外港、満潮」:シニャックやピサロに比べて、色彩が暗い感じか。ものすごく小さな人まで点描で描いてしまうのはスーラっぽい所だ(点の数が10個くらいなのだ)。
アルベール・デュボワ=ピエ「白いドレスの女性」:どうしても点描で人を描くと「ヘビ女」になってしまうんだよね。
テオ・ファン・レイセルベルヘ「マリア・セート、後のアンリ・ヴァン・ド・ヴェルド夫人」:点描の渦巻きがあり、ゴッホとの類似性を感じる。

アンリ=エドモン・クロス「農園、夕暮れ」:松の枝ぶりと葉がデザイン的。龍の形にも見えるので東洋的でもある。
ポール・シニャック「サン=トロペの松林」:やはり技巧的に上手いのはシニャックか。
マクシミリアン・リュス「カマレの埠頭、フィニステール県」:リュスは軒並みくどいのだが、夕景のせいかバランスの良い色彩になっている。

テオ・ファン・レイセルベルヘ「エミール・ベルハーレン、ムーラン通りの書斎にて」:暖色を多くして、暖炉の炎があたっているかのような色彩に仕上げている。
アンリ=エドモン・クロス「地中海のほとり」:自然界にはない色彩を使っているようだ。
アンリ=エドモン・クロス「マントンの眺め」:点が大きくなった。確かに点描といえば小さい点を果てしなく描くのが偉いという感じもあるが、そんなルールが決まっている訳ではない。

マクシミリアン・リュス「シャルルロワの工場」:近代工業が入ってくると、また一味違う。煉瓦なんて、そもそも点描とも言えるし。
シャルル・アングラン「ノルマンディーの畑」:もうこれは抽象画といってもいい。
アンリ・マティス「ラ・ムラード」:上から海を望む風景画なのだが、点描からここまでたどり着くのは必然とも言える。

なるべく作品の間近でずっと見ていたのだが、「点描だし、遠くからみるとどうかな」と思って、最後にぐるりと一周してみた。しかし、やっぱりクドい作品は遠くから見てもクドいし、素敵な色の作品は遠くから見てもいいのだ。

また順を追ってみることで、印象派(光をとらえる試み)→点描(純粋色彩の抽出)→点の大きさにルールなし→色だって自然のものだけというルールなし→抽象画への到達、という流れが見て取れたように思う。まあ、美術に詳しくないので、ものすごくずれたことを言っているのかもしれないが。



帰る途中で「無料」というのが目に付いていた、上野の森美術館「李強作品展 籍境離景」に立ち寄る。



上野の森美術館ギャラリーでも「公募団体アートイマジン 美術選抜展」という展覧会があったので、見ておいた。