保存鉄道車両巡りの旅2

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貨車改造駅これくしょん【目次】

2016-12-05 21:50:00 | 貨車改造駅

鉄道の駅舎のうち、貨車改造駅舎というものがあります。かつては本線上を走っていた貨車を改造して駅舎(待合室)として使用している駅のことです。
このような駅は国鉄末期の昭和60年頃からJR化直後の頃に各地で誕生しました。
誕生した経緯としては、交換設備撤去や無人化などの合理化で旧来の大きな駅舎が不要になったこと、老朽化した木造駅舎の代替、昭和59年に行われた貨物列車大整理で多数の貨車が余剰になっていたことなど様々な要因が重なり生まれたものです。

そのあまりの簡素さや旅情の無さ、居住性の悪さなどから鉄道ファンには忌み嫌われる存在でした。しかし現在は「ダルマ駅」等と呼ばれたり、秘境駅ブームなどから趣味の対象として捉える方が増えてきたように思います。
また貨車改造駅の特徴として設置された地域に偏りがあり、かつ辺鄙な場所が多いため、全く馴染みのない地域もあれば当たり前のように複数見かける地域もあります。特に北海道に多数存在します。このためか車のドライバーやライダーからは「珍しい」「かわいい」と評価される場面もあるようです。

このたび、貨車改造駅を網羅してみることにしました。この記事は「目次」として、各節共通の説明を書いていきたいと思います。

・北海道内に限定しており、道内の地域ごとにご紹介します。
・貨車改造駅の中には国鉄時代に設置され、北海道総局または各鉄道管理局が管理していたものがあります。しかし説明を簡略化するため、記事ではJR北海道の本社管轄地域(本社直轄と表記)と各支社で記載・区別します。
・出来る限り貨車改造駅舎それぞれの特徴を記載しようと思います。そのため駅そのものの様子は記載せず、旅行に役立つ情報等も無いかと思います。
・このような駅は「ダルマ駅」「貨車駅」「車掌車改造駅舎」等の呼び方もありますが、当ブログでは「貨車改造駅」「貨車改造駅舎」に統一しています。

典型的な貨車改造駅の例。留萌本線大和田駅。


【目次】
◆本社直轄編

貨車改造駅これくしょん(本社直轄編) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆旭川支社編

貨車改造駅これくしょん(旭川支社編) - 保存鉄道車両巡りの旅2

 

◆函館支社および道南いさりび鉄道編

貨車改造駅これくしょん(函館支社および道南いさりび鉄道編) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆釧路支社編

貨車改造駅これくしょん(釧路支社編) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆廃止や撤去された貨車改造駅(その1)

今はなき貨車改造駅(その1) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆廃止や撤去された貨車改造駅(その2)

今はなき貨車改造駅(その2) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆廃止や撤去された貨車改造駅(その3)

今はなき貨車改造駅(その3) - 保存鉄道車両巡りの旅2

 

◆廃止や撤去された貨車改造駅(その4)

今はなき貨車改造駅(その4) - 保存鉄道車両巡りの旅2

 

北海道内で現存する貨車改造駅の数
●本社直轄・・・1駅
●旭川支社管内・・・5駅
●函館支社管内・・・2駅
●釧路支社管内・・・4駅
●道南いさりび鉄道・・・2駅


 ※※以下の文章は、各記事の貨車改造駅舎をご覧になってからお読みいただいた方が良いかと思います。

まとめ的なことを書いていきたいと思います。
地域によって改造方法や処理の仕方が大きく異なっており、非常に奥が深いものだと感じさせられました。駅の無人化、貨物列車改変、旧来の駅舎老朽化など様々な要因が重なり誕生した貨車改造駅舎ですが、老朽化や駅そのものの廃止から逃れることは出来ません。今後は数を減らしていくと思われますので、このユーモラスな姿はいずれ過去のものになるのかも知れません。

※ここからは管理人の憶測です※
様々な理由から誕生した貨車改造駅舎ですが、真の理由は「国鉄末期の余剰人員対策」だったのではないかと思います。
前述した国鉄末期の合理化により、工場や検修で多数の人員が余剰になっていたことは想像に難くないことです。当然ながら余剰人員を簡単に解雇出来る訳ではありませんし、何もせずに遊ばせておくと様々な方面から指摘を受けることでしょう。
そこで「仕事を作るため」に考案されたのが貨車改造駅舎だったのではないでしょうか。
いくら改造ベースの貨車が無料であったとしても、人件費を考えるとプレハブ等で簡易駅舎を作った方がよほど安く上がる気がしてなりません。中には函館地区のように「あえて手間がかかるような」種車選定も見受けられます。
これらは管理人の憶測であり、全く根拠はありません。しかし登場から30年近く経った貨車改造駅が今でも頑丈に存在し続けている様を見ると、「貨車を改造したからこそ」なのかな・・・と思います(先見の明があったからなのか結果論なのかは分かりませんが)。


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