保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【フィンランド】トゥルク市 トゥルク駅裏のSL

2017-07-30 21:13:00 | 北欧4ヶ国

場所:フィンランド トゥルク市 Köydenpunojankatu 14
保存車両:Tk3形1108
(2017年7月7日訪問)

フィンランド南部のトゥルクに保存されている車両です。トゥルク駅裏にありますが、機関区やヤードを挟んでいるため、トゥルク駅からだと徒歩10分程かかります。
屋根が設置され良好な保存状態ですが、周囲は再開発のため工事中です。車両の横にはフェンスが立てられ、建設資材や重機が置かれています。


Tk3形は2-8-0(1D)の軸配置を持つテンダー式蒸気機関車で、1927~1953年の長期間に渡って161両が製造されました。軸重11t程度と軽量に設計されていることから燃費が良く、機関車自体のバランスが良いため運転しやすく乗務員に人気があったそうです。
この1108号機は1943年に製造され、1973年までの長期間活躍しました。


玉ねぎ型の煙突が特徴です。
テンダーは日本では見慣れない形態ですが、この機関車は薪を燃やして走っていたようなので薪の積載に特化した形態なのではないかと思います。


最高速度は60km/hです。機関車の生い立ちを説明する紙も貼られています。

【フィンランド】ヨエンスー市 ヨエンスー駅前のSL

2017-07-22 19:21:00 | 北欧4ヶ国

場所:フィンランド ヨエンスー市 Itäranta12 ヨエンスー駅前
保存車両:Vr2形950
(2017年7月5日訪問)

フィンランド東部のヨエンスー駅前に保存されている車両です。
好ましい形態のタンク式蒸気機関車で、緑色の塗装が印象的です。フィンランドの鉄道はロシア(本土)と同じ軌間1520mmです。


キャブ側面が出窓のようになっているのが珍しいです。視界確保のためでしょうか。
軸配置は、0-6-2(C1)です。この配置は日本では珍しく、世界的に見ても採用した機関車は多くありません。


「Duck(ダック)」の愛称があるそうです。1930年より16両が製造され、この950号機はトップナンバーです。
同形の最後の車両は1975年まで現役だったそうです。


製造銘板にも1930年製と書かれています。

【エストニア】タパ タパ駅の保存SL

2017-07-21 09:52:00 | バルト三国


場所:エストニア タパ Ambla maantee3 タパ駅
保存車両:L-1361
(2017年7月9日訪問)

エストニア国鉄のタパ駅構内で保存されている車両です。現役の島式ホームの上で展示されています。


1950年にソ連(ロシア)のブリャンスクで設計され、ボイラーはサンクトペテルブルク近郊のコルピノで製造されたそうです。
エストニアでは、タパ~タルトゥ~ヴァルガ間で貨物列車の牽引を行っていたようです。


タリン駅で保存されているL-2317とほぼ同形態かと思われます。同じく2-10-0(1E・デカポッド)の軸配置を持つ貨物用機関車です。


テンダーの1カ所にのみ銘板が残されています。No.1031とありますが、製造番号なのでしょうか。

2018年7月18日 現存を確認


【エストニア】タリン市 タリン駅のSL

2017-07-21 00:01:00 | バルト三国


場所:エストニア タリン市Toompuiestee37 タリン駅
保存車両:L-2317
(2017年7月9日訪問)

エストニアの首都タリン、タリン駅の駅前で保存されている車両です。
1953(昭和28)年に製作されたとされる蒸気機関車です。おそらくソ連で作られたと思われます。


軸配置2-10-0(1E・デカポッド)で、動輪を5個備える貨物用機関車です。
ロシアもエストニアも軌間1520mmの広軌ですので、5動輪でありながら動輪直径は1.5m程もあります。加えてボイラー位置がとても高く、車両そのものも日本の車両とは比べ物にならない程巨大です。
奥に見えるオレンジ色の車両は、現役の鉄道車両です。


動輪やランボードを赤く塗るのはドイツのSLと同じですが、共産国らしい武骨なスタイルです。
晩年は列車牽引ではなく据え置きボイラー代用で家屋の暖房用に使われたらしいです(家屋というのが、鉄道関係の官舎なのか一般住宅なのかは不明)。


屋根は無いですが比較的きれいな姿を保っています。窓ガラスの破壊や落書き等も無く、良い状態で保存されています。

2018年7月18日 現存を確認


【千葉】流山市 流山総合運動公園の車両たち

2017-07-12 20:08:00 | 千葉


場所:千葉県流山市野々下1丁目 流山総合運動公園
保存車両:D51-14、流山鉄道キハ31
(2017年7月3日訪問)

つくばエクスプレスの流山セントラルパーク駅から1km弱離れた場所にある保存車です。
国鉄D51-14です、ナメクジと呼ばれる初期型です。屋根がありますが、若干塗装が痛んでいます。


1936(昭和11)年の新製直後は大阪に配置されましたが、間もなく北海道へ渡り、岩見沢、旭川、名寄に配置されました。名寄での在籍期間が最も長く、1973(昭和48)年に名寄で廃車されています。
どんな経緯でここへ流れてきたのでしょうか。


現在保存されているD51でこの機関車と最も番号が近いのが、北海道札幌市に保存されている11号機です。
この14号機も、前照灯横のシールドビーム副灯や密閉キャブなど北海道型の特徴を残しています。11号機とは岩見沢で同時に在籍していた時期があるようです。


こちらは流山鉄道(現在の流鉄)キハ31です。
1933(昭和8)年に汽車会社で製造された二軸ガソリンカーで、戦時中には天然ガスや薪の代燃装置を付けていた時期もあるようです。
1949(昭和24)年に電化されて以降は電車にけん引されるようになり、エンジンと運転台が撤去されサハ31となりました。1963(昭和38)年に廃車されましたが、現地の説明板によると1953(昭和28)年頃から使われていなかったようです。


貴重な戦前製ガソリンカーの保存車です。床下機器はサハ化の際に撤去されたままで、復元はされていません。

ここの保存車は、周囲に柵があり車両を間近で見学することは出来ません(柵の無い画像は隙間からデジカメを突っ込んで撮影しています)。またD51の画像に写っていますが、中央にホームがあるため撮影アングルも限定されてしまいます。