保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【台湾】嘉義縣 南靖糖廠の車両たち(その2)

2017-04-15 20:27:00 | 台湾

場所:台湾 嘉義縣水上鄉靖和村2號 南靖糖廠
保存車両:多数
(2017年3月27日訪問)

(その1)記事からの続きです。
工場正面から奥へ入った場所に広い駐車場があり、その横でも車両が保存されています。
この車両が置かれている場所は、かつての本線跡(工場内の路線なのかサトウキビ畑へ続いていたのかは不明)だったようです。


953という番号が付けられたディーゼル機関車です。アメリカで製造されました。台湾の製糖工場で同形機が多数活躍しました。


機関車の後ろには、有蓋車と人車(または車掌車)も保存されています。


(その1)で紹介したCi24蒸気機関車のすぐ近くには、かつての倉庫と倉庫へ荷物を運びこむためのレールが残されています。そのレール上で有蓋車が保存されています。


有蓋車は3両が少し離れて置かれています。倉庫裏の草生した線路がいい雰囲気です。


そしてその3台の有蓋車の内、真ん中の貨車は何とカラオケカー?に改造されています。
カラオケカーと言ってもカラオケボックスではありません。貨車にモニターとカラオケ装置が入っており、歌うのは外です。1曲単位でお金を入れて歌うようで、おじさんが高らかに歌っています。
公園ですので周りには散歩する人が何人もいますが、全く気にする素振りも無く歌う様子はなかなかシュールです。


先ほどの倉庫横の貨車から少し離れたところにあるカラオケカーその2。こちらはレールの上には載っていません。

【台湾】嘉義縣 南靖糖廠の車両たち(その1)

2017-04-15 20:06:00 | 台湾

場所:台湾 嘉義縣水上鄉靖和村2號 南靖糖廠
保存車両:多数
(2017年3月27日訪問)

台湾鉄路管理局南靖駅前にある南靖糖廠で、製糖工場で使われていた車両が多数保存されています(全てナローゲージ)。かつては五分車(ナローゲージ)の線路が張り巡らされていました。
現在は鉄道での原料・製品輸送は行われていませんが、工場そのものは稼働しています。


工場の正門横に、番号不明の3軸ディーゼル機関車が保存されています。屋根はありませんがコンクリート製の土台の上に置かれており、保存状態は良好です。


工場の一角は観光客向けに開放されており、売店もあるため製糖製品を購入することが出来ます。
その開放エリアにある謎の車両。どうやら貨車の下回りを利用して「鉄道っぽい」上回りを作って載せたようです。売店だったのかもしれませんが、現在は物置のようになっています。


工場から少し離れたところにある機関車です。かつては貨物ヤードだった場所かと思われますが、現在は公園に整備されています。
Ci24という蒸気機関車です。C型で先輪と従輪はありません。模型にも好適なスタイルです。


この機関車は1938(昭和13)年に日本の本江機械製作所で製造されました。本江機械製作所というのは、現在の立山重工業です。
立山重工業は日本国内向けへも多数の蒸気機関車を製造しており、各地の軽便鉄道や産業鉄道の他、国鉄にはB20を納品しています。


1967(昭和42)年まで活躍したそうですがこの南靖糖廠で使われていたのか、他の製糖工場で使われていたのかは分かりません。

(その2)へ続く

【台湾】南投縣 車テイ駅前の保存車たち(その2)

2017-04-05 23:36:00 | 台湾

場所:台湾 南投県水里郷車テイ村民權巷2号 車テイ駅
保存車両:多数
(2017年3月26日訪問)

(その1)記事に引き続き、車テイ駅で保存されている車両たちです。
構内には復元されたと思われる車庫があります。車庫の中には2両の貨車が保存されるとともに、保線用具等が展示されています。


篷車・10C1216です。日本の有蓋車に当たる車両です。
1920(大正9)年に日本で製造された木造貨車です。番号の上の「+」表記は、列車全体にブレーキをかける貫通ブレーキが装備されていないことを示します。なお、貨車を留置したり突放の際に使用する足踏み式ブレーキは付いています。


冷蔵車・10R104です。1929(昭和4)年に日本で製造された木造冷蔵車です。
こちらの車両にも「+」表記があるため貫通ブレーキが備わっていません。
10C1216と共に腐食しやすい木造車ですが、車庫の中に収められているため保存状態は良好です。


かつての構内は線路以外の部分は枕木やブロックが敷かれて観光客が歩けるようになっています。
かつて信号詰所として使われていた建物も保存されています。


こちらは保存されている給水塔と給炭台です。蒸気機関車のいる機関区には欠かせない設備です。


以下の2両は、駅から少し離れた土産店付近にあります。
これは篷車(有蓋車)・25C10056です。1940(昭和15)年に日本で製造されました。日本のワキ1に似た外観です。
第二次世界大戦中は軍事輸送に使われ、戦後は代用客車として使用された後に貨車として使われました。晩年は代用行李車(代用荷物車)に使用されていたようで、車体にも表記が残ります。
スペースの関係からこんな中途半端な写真しか撮れません。


そして25C10056に連結されるようにもう1両貨車がありますが、手前には土産店がありまともな写真を撮れません。
代用平車35GF6081です。「代用」平車というのは元は平車ではなかったものを後年平車に改造したものです。この車両は敞車(無蓋車)を改造したものです。
荷台上には柵がありますが、これは観光客が上がれるようにここで改造されたものと思われます。しかし現在は土産店で隠されるように置かれており、何にも使用されていません。

【台湾】南投縣 車テイ駅前の保存車たち(その1)

2017-04-05 23:16:00 | 台湾


場所:台湾 南投県水里郷車テイ村民權巷2号 車テイ駅
保存車両:多数
(2017年3月26日訪問)

台湾鉄路管理局集集線の終点である車テイ(土偏に呈)駅構内に保存されている車両です。
かつてはダム建設の資材輸送や貨物輸送のために広大な構内にたくさんの線路が敷かれていましたが、今は旅客列車が折り返すのみです。側線跡地は公園に整備され、たくさんの車両が保存されています。


電気式ディーゼル機関車S316です。
1966年にアメリカGM社で製造されました。自重54t、出力890馬力、最高速度70km/hで、支線での小運転や専用線、操車場での入換などに使用されました。
現在は定期運用からはすべて引退しており、このS316が静態保存、彰化機関区でS318が保存(おそらく動態保存)されているのみです。


通風車・15V2016です。古めかしい外観ですが、1970(昭和45)年に日本で製造されました。
日本の通風車と同様に、青果などの輸送に使われました。


家畜車・10K524です。こちらも古めかしい外観ですが製造は1967(昭和42)年で、台湾で製造されました。
日本の家畜車とは違い、側板の隙間が狭くなっています。そのため単なる有蓋車のようにも見えます。


平車・35F20133です。1975(昭和45)年に台湾で製造されました。
見た目通り、日本では長物車に当たる貨車です。この貨車は、荷台に古枕木と思われる朽ちた木材を積んでいます。


守車・3CK1573です。日本では車掌車に当たりますが、この保存車はワフのような外観です。
このようなワフ以外にも、全室車掌室のヨ、無蓋緩急車のトフが存在します。

台湾では現在でも多くの貨物列車の最後部に車掌車が連結されています。
実際に車掌が乗務している列車もあれば、「尾灯を点灯させるためだけ」に連結されていることもありその際は車掌は乗務していません。タンク列車やセメント列車のように途中駅での入換を行わず尾灯かけを持つ貨車であれば、車掌車が連結されていないこともあります。


水櫃車・10EW11です。1931(昭和6)年に日本で製造されました。
日本では水運車に当たる車両です。台湾でも水質が悪い地域へ水を運んだほか、晩年は工事用列車に連結されて作業に使う水を運んでいたようです。

(その2)へ続く