保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

北見市 銀河線CR70

2014-05-30 21:41:00 | 網走〔オホーツク〕(北海道)


場所:北見市新生町60-16
保存車両:ちほく高原鉄道CR70-6
(2014年5月29日訪問)

2006(平成18)年に廃止されたちほく高原鉄道ふるさと銀河線で活躍していた気動車です。
下回りは全て撤去され、車体のみがコンクリートの台座に置かれています。2013年より保存されています。


このCR70-6は、銀河線廃止後にとある鉄道愛好家グループによって動態保存される予定でした。しかし予定地であった枝幸町風烈布までの輸送費用・運営方法などで問題が発生したため計画が頓挫し解体の危機に瀕しました。その後北見市内の方が買い取り、食堂の施設として利用・公開されていました。


車内はおおむね現役当時のままですが、ボックスシートの間にはテーブルが設けられています。


全体はこんな感じ。駐車場の奥に車両が鎮座しています。末永く車両が活用される事を祈ります。

2024年5月2日 現存を確認


日本最北端の保存車とは?

2014-05-17 00:00:00 | 廃車体あれこれ

日本で一番北にある保存鉄道車両は何か?という問いがあったならば、答えは1つとは限りません。それは「保存車」の定義が曖昧だからです。
当ブログでは保存されていたり放置されている鉄道車両を紹介していますが、例外として「ダルマ貨車は紹介しない」という事にしています。ダルマ貨車とは主に国鉄末期に大量に余剰になった貨車が民間へ売却された物を指し、今でも全国に多数残っています。
平たく言えば「鉄道趣味の対象になるかどうか?」ということであり、私自身も厳密な線引きは出来ていません。下周りが無い有蓋車でも大切に保存していれば趣味の対象になることもありますし、下周りが残っていても捨てるように放置されているのであれば対象外になることもあります。何となくで線引きを感じて頂ければ幸いです。

(典型的なダルマ貨車。みなさんの近所にもあるのではないでしょうか。これをブログで紹介すると件数が多すぎて収拾がつかなくなるからという事情もあります。)

保存車趣味で対象になるもので言えば、日本最北端の車両は「豊富町JR豊富駅前のオエ61(北緯45度06分)」です(参考→ http://train.ap.teacup.com/osyakatravel/63.html)。

そこで前述した普段であれば趣味の対象外になる廃車体も含めれば最北の車両は何だろうか?と思い、探索してみました。
ちなみに過去に存在した保存車ではこれより北のものがありましたので参考までにご紹介します。
(1)稚内市開運 北防波堤ドーム C55-49(北緯45度25分)(1996年解体)
(2)浜頓別町頓別 キハ22-142(北緯45度07分)(2009年頃解体)

ダルマ貨車等の保存や放置の情報は無いものかと調べましたが有力な情報は得られず、手がかりの無いまま現地へ行きローラー作戦を行う事にしました。
捜索は自動車で行いました。運転しながらですので見落としがある可能性がありますが、稚内市内の野寒布岬~JR稚内駅の間、富士見地区、声問漁港周辺はかなり細い道まで捜索しましたが発見出来ませんでした。さらに国道238号線を稚内市街から宗谷岬を経由して浜頓別まで走りましたがこの沿線でも発見出来ませんでした。

よって、現在確認出来た分での最北端の保存・放置車はこれになります。

場所:稚内市抜海村上勇知 JR勇知駅(北緯45度15分)
車両:ヨ3500またはヨ5000(車号不明)

かつての車掌車が再利用された駅舎です。北海道では老朽化した木造駅舎の更新や無人化で発生した余剰スペースの解消のために、余剰となっていた車掌車を改造した駅舎が多数見られます。
この勇知駅もそんな駅の1つですが、2013~14年の間に外装にサイディングが張られもはや鉄道車両の面影はありません。
保存車の趣獅ゥらは外れる物件ですが、近年は「ダルマ駅」などと紹介され興味を持つ方も多いようです。

「最北端の車両を紹介する」と大見栄を切っておきながら情けない結果になりました。今後、勇知駅より北に置かれている車両があればそれが最北端の物件という事になります。しかし範囲が広すぎるため私だけで捜索することは不可能だと思います。もし情報をお持ちの方がいらっしゃればお知らせ頂ければありがたいです。

※冒頭から一切触れていませんが、択捉島および南樺太(サハリン)の保存車は対象外としています(私の政治的思想とは無関係です)。択捉島に保存車があるのかは分かりませんが、南樺太には存在します。下の画像はユジノサハリンスクのキハ58。


遠別町 郷土資料館の貨車移動機

2014-05-16 21:50:00 | 留萌・宗谷(北海道)


場所:遠別町丸松163 遠別町郷土資料館
保存車両:10t貨車移動機(無番号)
(2014年5月16日訪問)

遠別町郷土資料館に保存されている車両です。
あまり紹介例の無い車両で、私は今年になってからネット上で情報を見つけ訪問しました。あまり知られていない車両ですが1984(昭和59)年に郷土資料館が開館した当初より保存されているようです。


協三工業で1976(昭和51)年に製造された10t貨車移動機で、遠別駅構内で貨車の入換に使用されていました。しかし遠別駅の貨物取扱いは昭和59年に廃止されたため、8年程しか活躍出来なかったと思われます。さらに羽幌線が1987(昭和62)年に廃止されたため遠別駅も無くなってしまいました。
機械番号は「06-28-01-274」です。この車両は国鉄の機械扱いであるため形式や車号がありません。そのため備品として機械番号で個体の識別を行い、配置や検査が管理されていました。


車体に錆が見受けられますが保存状態は良いです。
この車両は除雪用のウイングが装着され、それを広げた状態で展示されているのが珍しいです。駅構内や引込線の除雪を行っていたのでしょうか。
ほぼ同型の貨車移動機が美深町仁宇布、湧別町、津別町にも保存されています。


この遠別町郷土資料館は閉校した丸松小学校の校舎を利用したもので、館内には昔の生活道具や資料が展示されています。しかし5~10月の間のみ開館かつ訪問3日前までに予約しないと見学出来ないため、見学の難易度は高めです。車両は屋外にあるため予約無しで見学可能です(冬期はシートで覆われます)。

公共交通機関利用の場合は、沿岸バス(国鉄羽幌線代替路線)丸松停留所から1km弱離れた場所に郷土資料館があります。

2024年7月11日 現存を確認