保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

美唄市 美唄鉄道の有蓋車

2014-04-25 17:15:00 | 空知(北海道)


場所:美唄市西3条北7丁目2 いなほ公園
保存車両:美唄鉄道有蓋車(番号不明)
(2014年4月24日訪問)

美唄市のとある公園に置かれている車両です。

当ブログでは「保存を目的としない貨車」は基本的に対象外としています。線引きは曖昧ですがいわゆるダルマ貨車のことです。ご存知の通り国鉄末期には余剰になった大量の貨車が民間へ売却され、現在でも物置などに使用されています。あまりに膨大すぎて記録が困難であること、紹介したとしてもブログ上で収拾がつかなくなることが理由です。
しかし今回ご紹介する車両は、ダルマ貨車でありながら非常に貴重な個体であるためあえて紹介させて頂きます。


これは美唄鉄道の有蓋貨車とされています。現役当時は木造でしたが、現在は側面と屋根にトタンが貼られています。そのおかげか豪雪地帯でありながら目立った破損はありません。
現在は公園の用具入れとして活用されているようです。


特筆すべきは妻面下部に開けられた丸穴です。これはネジ式連結器のバッファーがあった部分と思われます。
国鉄では1925(大正14)年にネジ式連結器から自動連結器への交換が行われ、ほとんどの私鉄でも同時期に交換されています。したがってこの車両が製造されたのは1925年以前という事になります。

2016年7月20日 現存を確認


【台湾】羅東林業文化園區の車両たち(その2)

2014-04-04 17:16:00 | 台湾

場所:台湾 宜蘭縣羅東鎮中正北路118號 羅東林業文化園區
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2014年3月21日訪問)

その1記事に続き、羅東林業文化園區に保存されている車両たちを紹介します。
これらは全て軌間762mmのナローゲージです。国際標準軌間1435mmの約半分であることから台湾では「五分仔車」と呼ばれています。


8号機関車です。1941(昭和16)年に台湾機械公司で製造された12トンCタンク機です。


8号機関車の後ろには運材貨車が3両連結され、木が載せられています。現役当時は山から切り出した木をこのように運んだのでしょう。


こちらは15号機関車で、製造年不明、台湾機械公司製造、12トンCタンク機です。羅東森林鉄道が最後に購入した機関車です。


「その1」でも紹介していますが、客車は3両あり全て復元されたものです。模型的な外観ですが、現役当時のものが忠実に再現されているのだと思います。


園内には使われなくなった線路があちこちに残され、幅の狭い線路を歩くという現代ではなかなかない体験も出来ます。森林鉄道の車両以外にも林業に関する設備や機械も多数保存されており、切り出した材木を保管する貯木池も再現されています。
園内の客車検修庫に内燃機関車も保存されているようですが、見逃してしまいました。

【台湾】羅東林業文化園區の車両たち(その1)

2014-04-03 22:33:00 | 台湾


場所:台湾 宜蘭縣羅東鎮中正北路118號 羅東林業文化園區
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2014年3月21日訪問)

台湾東部の羅東にある施設で保存されている車両たちです。
かつて羅東から伸びる木材運搬のための軽便鉄道があり、終点の土場駅まで約37kmの路線がありました。
現在はかつての苧ム駅付近が林業の様子を伝える広大な公園に整備され、その中に車両も保存されています。画像は復元された竹林駅舎です。


森林鉄道で活躍したナローのSLが保存されています。画像手前から12号、11号、9号です。いずれも12トンCタンク機ですが、細かい造形が違うのが興味深いところです。
12号は1958(昭和33)年に台湾機械公司で製造されました。


11号機関車です。こちらも12号と同じく1958年に台湾機械公司で製造されましたが、12号とは細かい部分でかなり違いがあります。


9号機関車です。これは1941(昭和16)年に製造されたものです。同年に製造された同型の「8号」という機関車もあり、それも保存されています(8号については「その2」記事で紹介)。


客車もありますが、これは当時の客車を後年復元したものだそうです。台車は運材台車の流用かと思います。
塗装も当時の様子が再現されています。客車の内部は椅子が置かれ休憩所になっています。


付近には線路を利用した遊歩道のようなものがあります。これは高さ1.5m程の橋のようになっていますが、林業で使われた設備なのか単なるオブジェなのか分かりません。
(その2)へ続く


(撤去済)北海道旭川市 ニュー温泉のC58

2014-04-02 17:19:00 | 今は亡き保存車

場所:北海道旭川市高砂台8丁目3番3号 旅館ニュー温泉
保存されていた車両:三井芦別鉄道C58-2
(2011年9月28日訪問)(許可を得て撮影)

旭川市高砂台の高砂台温泉街の1軒の旅館で保存されている機関車です。
機関車は建物内にすっぽり収められており、機関車の横は宴会場になっています。


三井芦別鉄道が自社発注した機関車で国鉄C58とほぼ同じです。国鉄に在籍した「C58 2」とは別の車両です。
唯一とも言える違いは、煙突前の給水温め器が無いことです。同じ三井芦別のC58-1や、天塩鉄道(北海道留萌市)のC58も給水温め器を省略した姿でした。


汽車会社で昭和24年に製造され、廃車まで三井芦別で活躍しました。
どうやら汽車会社で国鉄向けとして見込み生産されていたらしく、実際の製作年は昭和21~22年かと思われます。


テンダー後面には扉がありますが、現役時からあったのでしょうか?今はテンダーの中は物置に有効活用されています。

(2014年3月23日追記)
2012年にニュー温泉は廃業し、2014年3月から建物の解体工事が始まりました。
保存されていたC58は引き取り先を探したそうですがどこも折り合いが付かず、解体されるそうです。すでにナンバープレートや窓ガラスは外され、デフレクターは工事の影響か折れ曲がっています。

(画像は公道より撮影)

(2014年4月3日追記)
C58は解体作業が進み、ボイラーが輪切りにされ一部はすでに搬出されている事を確認しました。
ナンバープレート等の部品は鉄道ショップに流れたとの情報もありますが、車体は廃棄されたと見て間違いないと思います。