保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【韓国】義王市 鉄道博物館の車両たち(その3)

2015-01-18 20:29:00 | 韓国


場所:大韓民国 京畿道義王市月岩洞374-1 鉄道博物館
保存車両:多数
(2014年10月22日訪問)

(その2)記事からの続きです。

파시(パシ)5-23です。4-6-2(2C1)の軸配置を持つパシフィック機です。1939(昭和14)年に製造され、日本統治時代は朝鮮と満州を結ぶ特急列車を牽引しました。
韓国の蒸気機関車の形式名は軸配置により決まっており、これはパシフィック形なので「パシ」、2-8-2(1D1)の軸配置はミカド形なので「ミカ(미가)」と名付けられています。


手前の2両の貨車はナローゲージ用です。奥の黄色い車両は標準軌の保線用車両(マルチプルタイタンパー)です。


操重車です。蒸気動力ではないかと思います。


햐기(ヒョウキ)11-13です。762㎜軌間用のSLです。1937(昭和12)年に日本の汽車会社で製造されたと言われていますが、当初から水仁線(水原~仁川)で活躍していたという説もあれば、元は現在の北朝鮮で働いており朝鮮戦争の最中に韓国へ渡ってきたという説もあるなど不明な点が多い機関車です。


機関車の後ろには気動車が連結されています。1965(昭和40)年に韓国で製造され、水仁線で活躍しました。客車や貨車の牽引も行っていたそうです。


最後尾はナローゲージ用の客車です。(その2)でご紹介した18011号と同じものと思われます。


ムグンファ号用の客車と思われます。博物館入口付近に置かれており、休憩所に活用されているようです。


1つ上のムグンファ号客車の横に置かれている謎の車両。訪問当日は周囲を黄色いテントで覆われており見学は出来ませんでした。ここへ運び込まれて間もないのか、解体する予定なのかは分かりません。
優等列車用の電車かと思いますが形式名などは分かりません。


これは動態保存車両です。1966(昭和36)年に日本の川崎重工で製造された9601形ディーゼルカーです。日本のキハ20系に似たスタイルで、屋根には日本の485系やキハ80で見られるキノコ形クーラーが載っています。
日本製の気動車は全て引退しており、稼動可能なのはこの車両だけだそうです。博物館敷地内の短距離を往復しますが、訪問当日は休みでした。

以前はKTX山川の実物大モックアップも保存されていたそうですが、解体されたのか姿はありませんでした。


【韓国】義王市 鉄道博物館の車両たち(その2)

2015-01-17 22:24:00 | 韓国


場所:大韓民国 京畿道義王市月岩洞374-1 鉄道博物館
保存車両:多数
(2014年10月22日訪問)

(その1)記事からの続きです。
開放式展望車のテンイネ3です。日本統治時代の1927(昭和2)年に製造され、朝鮮総督府鉄道の急行「ひかり」「のぞみ」に使用されました。第二次世界大戦後は大統領専用車として使用されました。


豪華なソファが並ぶ重厚な車内。車内への立ち入りは通常は出来ないようです。


こちらは1936(昭和11)年に製造されたラテンイ1です。朝鮮総督府鉄道の特急「あかつき」に使用されましたが、戦後は貴賓車17号に改造されました。密閉式の展望車です。


905号暖房車です。日本の暖房車といえば石炭焚きばかりでしたが、この暖房車は石油焚きのようです。トンイル号で使用されたと思われます。


トンイル号用の客車・13101号です。日本のナロ10(10系客車)や台湾の35SPK32700と似た外観です(ただしこちらは標準軌用の車両のため一回り大きくなっています)。


ピドゥルギ号用の12061号です。谷城郡のソムジンガル汽車マウルでも同形車両が保存されています。


この客車はナローゲージ(軌間762㎜)の客車・18011号です。水原と仁川を結ぶ水仁線で活躍していました。
日本のナローゲージではあまり見られない近代的な外観が特徴です。


こちらは保線用車両です。左側にある黒い物体は、車両なのか工事機械なのかよく分かりませんでした。

(その3)へ続く


【韓国】義王市 鉄道博物館の車両たち(その1)

2015-01-17 17:53:00 | 韓国

場所:大韓民国 京畿道義王市月岩洞374-1 鉄道博物館
保存車両:多数
(2014年10月22日訪問)

ソウル市より列車で1時間程の義王市にある鉄道博物館です。KORAIL(韓国鉄道公社)直営の施設で、韓国一とも言える数の保存車両があります。


正門より入ると、屋根の下に置かれた車両が出迎えます。
SLは미가(ミカ)3-161です。1940(昭和15)年に日本車輌で製作された2-8-2(1D1)の軸配置を持つ機関車です。


1963(昭和38)年に新潟鉄工所で製作され輸出された672形気動車です。
普通列車で運用されました。日本の国鉄キハ20に似ていますが、この車両はカミンズ製エンジンを2台搭載し、扉が両開き(2枚折戸かもしれません)になっているなど印象が異なります。日本のキハ52が違う進化の仕方をすればこうなったのかなという感じです。


1960(昭和35)年にアメリカ・ALCO社で製造されたディーゼル機関車です。


首都圏電鉄(現在のソウル地下鉄1号線)開業に合わせて製造された1000系電車1001号です。
日本で製作された車両で、日本の国鉄301系電車とそっくりです。


こちらも1000系電車ですが、この1115号は韓国で製造された車両です。日本で製造された1001号等を踏襲するスタイルです。
なお1000系電車は今でもソウル地下鉄1号線で活躍していますが、現役のものは外観が大きく異なります。保存車は「初期車」と呼ばれるグループです。


同じく韓国製の中間車1301号。車内はロングシートで日本の103系や301系とほぼ同じ雰囲気です。


1980(昭和55)年に韓国で製造された9900系電車です。韓国の鉄道職員が日本を訪問した際、485系のような特急電車を走らせたいと言ったことがきっかけで誕生しました。日本の日立製作所が全面協力し、485系を彷彿とさせる外観となりました。
ムグンファ号で活躍しましたが、2001(平成13)年に廃車されました。

画像が多いため3回に分けてご紹介します。(その2)へ続く

【韓国】谷城郡 ソムジンガル汽車マウルの車両たち(その2)

2014-11-08 17:29:00 | 韓国


場所:大韓民国 全羅南道谷城郡谷城邑 ソムジンガン汽車マウル
保存車両:多数
(2014年10月22日訪問)

その1記事からの続きです。
多数の車両が保存されていますが、当方はこれらの車両の形式や経歴を知りません。そのため画像を紹介する程度に留めます。

1枚目の画像は、メイン広場に置かれている車両たちです。
真ん中の車両は保線用車両なのか、貨車などをこの地で改造した遊覧用の車両なのか不明です。


미카(ミカ)2-129。標準軌の蒸気機関車です。


2122という番号が付けられたディーゼル機関車です。アメリカのロードスイッチャーそのままの形態です。
韓国の鉄道は第二次世界大戦後にアメリカ主導で復旧・整備されました。その際にアメリカから大量のディーゼル機関車が持ち込まれ、この機関車はそのうちの1両かと思います。


これは、先ほど紹介した미카(ミカ)2-129を模したレプリカです。園内を一周する遊覧列車ですが、蒸気動力ではなくディーゼルエンジンで走行します。


これは旧・谷城駅舎です。全羅線はかつてこの公園の場所を通っていましたが、路線改良のため現在は谷城駅ともども築堤上に移設されています。この公園の裏手にあたります。
かつての谷城駅舎が保存され、管理棟として活用されています。


トンイル号(日本では急行または普通列車に相当。現在は廃止)用の客車と思われます。


こちらも1両丸ごとトイレに改造された客車。


公園の奥側(現在の谷城駅とは反対方向)は整備途中ですが、その中にも客車が置かれています。こちらも休憩所やトイレ列車に改造されるのでしょうか。


【韓国】谷城郡 ソムジンガル汽車マウルの車両たち(その1)

2014-11-08 16:59:00 | 韓国

場所:大韓民国 全羅南道谷城郡谷城邑 ソムジンガン汽車マウル
保存車両:多数
(2014年10月22日訪問)

韓国南部の谷城にある鉄道公園です。元は韓国鉄道公社全羅線だった場所ですが、路線改良で廃線になった旧線部分を活用して公園が整備されています。
多数の車両が保存されていますが、当方はこれらの車両の形式や経歴を知りません。そのため画像を紹介する程度に留めます。

1枚目の画像は、プッシュプル電車タイプのセマウル号です。


このセマウル号は12両編成で置かれており、住宅のように改造され「レールペンション」として使われています。宿泊施設なのか、シーズン毎のレンタルなのかは分かりません。


園内のインフォメーションセンターです。建物然としていますが、屋根上に鉄道用クーラーがあることから鉄道車両を改造したものだと分かります。


ムグンファ号の客車を改造したと思われる「1004列車食堂」です。訪問した際は営業開始前でした。


KTXです。花の絵が描かれているのが日本では見られない斬新な保存スタイルです。
先頭車でありながら客室があるため、モックアップではないかとの情報を頂きました(KTXは両先頭車が機関車の様な動力車になっています)。


こちらは非冷房の客車と思われますが、1両丸ごとトイレに改造されています。手前が女性用入口で、点対称の反対側に男性用入口があります。


静態保存されている客車たち。左側の茶色い客車はかなりクラシカルですが、復元整備されたものなのかレプリカなのかは分かりません。

画像が多いため、2記事に分けて紹介します。(その2)へ続く