保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

富良野市 市中心部のD51

2013-02-14 18:20:00 | 上川(北海道)


場所:富良野市弥生町1-2 文化会館横
保存車両:D51-954
(2010年8月1日訪問)

街の中にデンと居座るD51。文化会館の横にあり、市役所に程近い場所です。


屋根や高いフェンスが無いにも関わらず状態は良好です。


この機関車で特筆すべき点は、胆振縦貫鉄道が自社発注した車両ということです。
1943(昭和18)年に、後に国鉄胆振線となる胆振縦貫鉄道が用意した機関車です。当初はD5105という形式でした。1944(昭和19)年に胆振縦貫鉄道は国鉄に買収され、在籍していたD51は国鉄籍へ編入されました。
特異な生い立ちを持つ機関車ですが、形態的には同時期に製造された国鉄のD51と大差ありませんでした。

2024年2月15日 現存を確認


【台湾】苗栗市 苗栗鉄路車輌文物博物館(その3)

2013-02-07 15:48:00 | 台湾

場所:台湾 苗栗市北苗栗鉄路一村1号 苗栗鉄路車輌文物展示館
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2013年1月22日訪問)

苗栗鉄路車輌文物博物館の最終記事です。
台糖公司254号です。「公務・巡道車」と紹介されており、従業員輸送や線路巡回に使用されたようです。1962(昭和37)年製のガソリンカーです。


反対側から見た様子。両端に運転台が付いているようです。


台鉄LDH101です。1970(昭和45)年に台湾で製造され、当時ナローゲージだった台東線で使用されました。1067㎜への改軌工事が終了した1982(昭和57)年に廃車されました。


ボンネットの形が特徴的で、前から見ても横から見ても凸形に見える面白い車両です。幅広ボンネットのおかげで鉄道模型で作るなら動力が簡単に収まる・・・?と現物を前に考えてしまいました。


同じくナロー時代の台東線で活躍したLTPB1810です。気動車や機関車に牽引された客車です。


保存されているのかたまたま置かれているのか分かりませんが、保線用マルチプルタイタンパーです。
左の青い客車は30SPK2502です。日本のオハ31をシングルルーフにしたような外観です。


こちらはオープンデッキの25TPK2053です。先の30SPK2502ともども、工事用車両になっていたものを原形に復元して保存されています。貴重な木造客車としての価値が認められたため復元工事が行われたようです。


展示されている圧縮機、発電機、パンタグラフ、組立前の車輪など。

この苗栗鉄路車輌文物博物館、ガイドブックなどには24時間見学可能・無休・無料と書かれているものもあります。実際は管理人も守衛もおらず自由に見学してよいというような状態です。夜間は照明が無いかもしれませんし治安がどうなるのか不明なため、夜間早朝の見学は困難かもしれません。

【台湾】苗栗市 苗栗鉄路車輌文物博物館(その2)

2013-02-07 15:05:00 | 台湾

場所:台湾 苗栗市北苗栗鉄路一村1号 苗栗鉄路車輌文物展示館
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2013年1月22日訪問)

(その1)の続きです。
阿里山森林鉄路SPC2です。1971(昭和47)年に日本車輌で製造されました。定員28名の高級客車で内装が豪華だと説明板にあります。前照灯がありますが簡易運転台が付いていたのか、スイッチバックなどの退行のためなのか分かりません。


阿里山森林鉄路のDL、11403-5です。1955(昭和30)年に製造されました。346馬力しかなくシェイ式SLより非力だったため、勾配の少ない平坦区間で使用されたそうです。


同じく11403-5です。ロッド式の台車や大きな砂箱が特徴的です。


阿里山森林鉄路11403-1です。先の11403-5とは同じ形式ですが外観は全く異なります。3軸ロッド式の足回りで190馬力です。


台糖鉄路331です。サトウキビや製糖製品輸送に活躍したナローゲージの機関車です。1935(昭和10)年に日本車輌で製造されました。
後方に見えるのは台鉄R6です。


台鉄R6ディーゼル機関車です。1959(昭和34)年、日立製作所製です。
このR6の同型機の1両が日本国鉄に「DF91」として一時期貸し出されており、常磐線で試験走行を行ったことがあります。試験終了後は、このR6なども含めまとめて台湾へ輸出されました。


R6を後方から見た様子。ボンネットの背が高く大陸的な印象です。
台湾では、今でもR20形やR50形などこのようなスタイルの機関車が活躍しています。


台鉄S405です。1969(昭和44)年にアメリカ・GM社で製造され、操車場での入換や支線での列車牽引に活躍しました。
北海道釧路市の太平洋石炭販売輸送DE601に似ています(DE601は日車製ですがアメリカ・GE社の技術提携で製作されました)。なおDE601よりもこのS405の方が大型です。


阿里山森林鉄路の貨車・15F6006です。1913(大正2)年に製造され木材輸送に使われました。

【台湾】苗栗市 苗栗鉄路車輌文物展示館(その1)

2013-02-04 18:45:00 | 台湾

場所:台湾 苗栗市北苗栗鉄路一村1号 苗栗鉄路車輌文物展示館
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2013年1月22日訪問)

台湾西海岸中部、苗栗に保存されている車両たちです。線路沿いにありますが苗栗駅の裏側にあります。
画像が多いため3回に分けてご紹介します。
正面入り口から見た様子です。大きな屋根の下に多数の車両が保存されています。


台湾のハチロクことCT152です。日本統治時代の1919(大正8)年に日本で製造され台湾へ渡りました。当初はE500形と名乗っており、日本(内地の)国鉄で使用された事はありません。戦後にCT150形へ形式変更されました。


CT152のテンダー側です。なおCT152の右に写っている人形のようなものは、台鉄のマスコットのようです。ディーゼルエンジンのピストンやクランク軸などを組み合わせて製作され、台湾各地に展示されています。


阿里山森林鉄路28です。1913(大正2)年にアメリカ・ライマ社で製造されたシェイ式蒸気機関車です。


シェイ式ギアードロコの特徴であるシリンダー部です。3つのシリンダーが奏でる音はどんな感じだったのでしょうか。


動力部を司るシリンダーは片側にしかありません。そのためかボイラーが中心からずれており独特な外観です。


DT561です。1919(大正8)年に製造されました。まれに国鉄9600の台湾版と紹介されますが、9600に近い仕様ながらアメリカ・アルコ社で製造された車両です。
ボイラーが腰高なことや各部のデザインから、一見すると日本のキューロクと同じとは思えません。


DT561のテンダーは片ボギー式です。日本でも長く活躍した8100や9040などのアメリカロコに見られた特徴です。


保存されている台車。日本のTR11にそっくりです。


台車その2。これは何の台車だったんでしょうか。

(その2)へ続く

【台湾】台北市 台北二二八和平公園のSLたち

2013-02-01 20:51:00 | 台湾

場所:台湾 台北市中正区襄陽路 国立台湾博物館
保存車両:1(騰雲号)、9
(2013年1月23日訪問)

台北市中心部の二二八和平公園の一角で保存されている機関車です。
ショーケースのようなガラス張りの建物に収められライトアップされています。理想的な保存状態ですが、建物の中には入れないことと写真を撮るとガラスに自分が映り込んでしまう事が難点ではあります。


向かって左側が1号機関車「騰雲号」、右側が9号機関車です。
騰雲号は1887(明治20)年にドイツで製造され、台湾で最初に出来た鉄道で第1号機として活躍しました。
9号機関車は1号機関車より古い1872(明治5)年にイギリスで製造され、日本の鉄道省で活躍していました。1900(明治33)年に日本の統治下にあった台湾へ譲渡され、1926(大正15)年まで使用されました。
このように双方とも歴史的価値が非常に高いため、保存車としては破格の扱いで展示されています。


「光緒十三年造」とありますが、光緒とは当時台湾を統治していた清の元号で1887年に当たります。