保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【台湾】嘉義市 阿里山森林鐵路車庫園區の車両たち(その2)

2017-06-06 23:43:00 | 台湾

場所:台湾 嘉義市林森西路與忠孝路口 阿里山森林鐵路車庫園區
保存車両;多数
(2017年3月28日訪問)

(その1)記事に引き続き、阿里山森林鐵路車庫園區で保存されている車両をご紹介します。
23号蒸気機関車です。シェイ式のギヤードロコですが、(その1)でご紹介した13号(自重18t)よりも一回り大きい自重28tです。1914年にアメリカで製造され、1970年まで活躍しました。


赤い客車2両は、番号不明ながら1925年に製造された木造客車です。貴賓車として使用されたそうです。
その隣には黒色の木造客車が2両保存されていますが、こちらは一般用と思われます。


DL2ディーゼル機関車です。1953年に新三菱重工で製造された25t機で出力は255馬力です。阿里山森林鉄道で最初に導入されたディーゼル機関車だそうです。


C型ロッド式の下回りです。日本国内でも同じような産業用機関車が多数導入されました。


機関区の一角に置かれた客車たち。使用されなくなって久しいのかレストア待ちなのか不明ですが、ボロボロです。


こちらも使用されていない客車ですが、プッシュプル運転に備えて客車ながら前照灯や運転台が設置されています。


こちらも車庫の一角にある車両ですが、(その1)でご紹介したDPC7および8とは違う「DPC1」です。動態保存なのか静態保存なのか不明ですが、きれいに塗装されています。


この写真のみは、阿里山森林鐵路車庫園區ではなく北門駅構内で撮影したものです。「平車6023」「平車6106」(平16023と平16106かもしれません)と書かれた長物車です。
平車6023は、台湾の建物屋根上に多く見られる貯水タンクを搭載しています。たまたま載せているだけなのか、散水車なのか油等の輸送用に改造されたものなのでしょうか。
平車6106は、ゼブラ模様の箱が2つ搭載されています。工具等を入れる箱なのかもしれませんがデッドウエイトのようにも見えます。

【台湾】嘉義市 阿里山森林鐵路車庫園區の車両たち(その1)

2017-06-06 23:13:00 | 台湾

場所:台湾 嘉義市林森西路與忠孝路口 阿里山森林鐵路車庫園區
保存車両;多数
(2017年3月28日訪問)

ナローゲージである阿里山森林鉄道嘉義駅~北門駅の間にある保存施設です。現役の機関区の一角を開放するような形で、阿里山森林鉄道の車両が多数保存されています。中には動態保存されている車両もあるようです。
なお阿里山森林鉄道は、2017年5月時点では奮起湖~神木間が災害の影響により長期運休になっています。

1枚目画像は、DL-37です。ドイツ・クルップ社で1976年に製造された28tディーゼル機関車で、1989年まで使用されました。下回りのカバーが独特です。


13号蒸気機関車です。1910年にアメリカで製造されたシェイ式の蒸気機関車で、1977年まで活躍しました。
シェイ式とはギヤードロコの方式の一つで、通常のロッドを使用する蒸気機関車と比べて急曲線に強かったり軌道状態が劣悪でも脱線しにくいといった特長があります。台湾では阿里山森林鉄道で多数使用されました。


シリンダーが無い側から見ると、蒸気機関車のシルエットを持ちながら気動車のような足回りに見える不思議な車両です。


SP6211客車です。この車両は車内がトイレに改造されています。


黒い機関車は無番号ですが、1926年に日本の加藤製作所で製造されたB型機関車です。ガソリン機関車かと思われます。本線で使用されたのか入換専用だったのかは不明ですが、1977年まで使用されました。
後ろの客車は「平39」という番号が書かれており、1960年に平車(長物車)を自社工場で改造して仕立てた車両です。製造年の割には芋臭い(失礼ながら)外観が特徴です。


SP6302客車です。こちらも園内のトイレに改造されています。1974年に台湾で製造され、1996年まで活躍しました。


DPC7およびDPC8ディーゼルカーです。1970年に日本車輌で製造され、1両当たり18tで262馬力のエンジンを1基搭載します。
このDPC型ディーゼルカーは762mmナローゲージ用としては大型の気動車で、台湾台東線で光華号として活躍したDR2050型と並ぶ高性能気動車です。
それまでの機関車牽引の列車と比べ大幅なスピードアップ実現し、さらに付随車1両を中間に挟んで活躍したこともあったそうです。


駆動軸側の台車は、ロッド式になっています。
優秀な車両でしたが冷房を搭載出来ないことから客車に置き換えられ、現在の阿里山森林鉄道は全て客車列車で運行されています。
このDPC7と8は2006年に動態保存車として復活しました。しかし現在は活躍の場が無く、再度廃車にされたという情報もあります。また本線を走る日が来るといいのですが・・・。

(その2)へ続く

【台湾】嘉義縣 南靖糖廠の車両たち(その2)

2017-04-15 20:27:00 | 台湾

場所:台湾 嘉義縣水上鄉靖和村2號 南靖糖廠
保存車両:多数
(2017年3月27日訪問)

(その1)記事からの続きです。
工場正面から奥へ入った場所に広い駐車場があり、その横でも車両が保存されています。
この車両が置かれている場所は、かつての本線跡(工場内の路線なのかサトウキビ畑へ続いていたのかは不明)だったようです。


953という番号が付けられたディーゼル機関車です。アメリカで製造されました。台湾の製糖工場で同形機が多数活躍しました。


機関車の後ろには、有蓋車と人車(または車掌車)も保存されています。


(その1)で紹介したCi24蒸気機関車のすぐ近くには、かつての倉庫と倉庫へ荷物を運びこむためのレールが残されています。そのレール上で有蓋車が保存されています。


有蓋車は3両が少し離れて置かれています。倉庫裏の草生した線路がいい雰囲気です。


そしてその3台の有蓋車の内、真ん中の貨車は何とカラオケカー?に改造されています。
カラオケカーと言ってもカラオケボックスではありません。貨車にモニターとカラオケ装置が入っており、歌うのは外です。1曲単位でお金を入れて歌うようで、おじさんが高らかに歌っています。
公園ですので周りには散歩する人が何人もいますが、全く気にする素振りも無く歌う様子はなかなかシュールです。


先ほどの倉庫横の貨車から少し離れたところにあるカラオケカーその2。こちらはレールの上には載っていません。

【台湾】嘉義縣 南靖糖廠の車両たち(その1)

2017-04-15 20:06:00 | 台湾

場所:台湾 嘉義縣水上鄉靖和村2號 南靖糖廠
保存車両:多数
(2017年3月27日訪問)

台湾鉄路管理局南靖駅前にある南靖糖廠で、製糖工場で使われていた車両が多数保存されています(全てナローゲージ)。かつては五分車(ナローゲージ)の線路が張り巡らされていました。
現在は鉄道での原料・製品輸送は行われていませんが、工場そのものは稼働しています。


工場の正門横に、番号不明の3軸ディーゼル機関車が保存されています。屋根はありませんがコンクリート製の土台の上に置かれており、保存状態は良好です。


工場の一角は観光客向けに開放されており、売店もあるため製糖製品を購入することが出来ます。
その開放エリアにある謎の車両。どうやら貨車の下回りを利用して「鉄道っぽい」上回りを作って載せたようです。売店だったのかもしれませんが、現在は物置のようになっています。


工場から少し離れたところにある機関車です。かつては貨物ヤードだった場所かと思われますが、現在は公園に整備されています。
Ci24という蒸気機関車です。C型で先輪と従輪はありません。模型にも好適なスタイルです。


この機関車は1938(昭和13)年に日本の本江機械製作所で製造されました。本江機械製作所というのは、現在の立山重工業です。
立山重工業は日本国内向けへも多数の蒸気機関車を製造しており、各地の軽便鉄道や産業鉄道の他、国鉄にはB20を納品しています。


1967(昭和42)年まで活躍したそうですがこの南靖糖廠で使われていたのか、他の製糖工場で使われていたのかは分かりません。

(その2)へ続く

【台湾】南投縣 車テイ駅前の保存車たち(その2)

2017-04-05 23:36:00 | 台湾

場所:台湾 南投県水里郷車テイ村民權巷2号 車テイ駅
保存車両:多数
(2017年3月26日訪問)

(その1)記事に引き続き、車テイ駅で保存されている車両たちです。
構内には復元されたと思われる車庫があります。車庫の中には2両の貨車が保存されるとともに、保線用具等が展示されています。


篷車・10C1216です。日本の有蓋車に当たる車両です。
1920(大正9)年に日本で製造された木造貨車です。番号の上の「+」表記は、列車全体にブレーキをかける貫通ブレーキが装備されていないことを示します。なお、貨車を留置したり突放の際に使用する足踏み式ブレーキは付いています。


冷蔵車・10R104です。1929(昭和4)年に日本で製造された木造冷蔵車です。
こちらの車両にも「+」表記があるため貫通ブレーキが備わっていません。
10C1216と共に腐食しやすい木造車ですが、車庫の中に収められているため保存状態は良好です。


かつての構内は線路以外の部分は枕木やブロックが敷かれて観光客が歩けるようになっています。
かつて信号詰所として使われていた建物も保存されています。


こちらは保存されている給水塔と給炭台です。蒸気機関車のいる機関区には欠かせない設備です。


以下の2両は、駅から少し離れた土産店付近にあります。
これは篷車(有蓋車)・25C10056です。1940(昭和15)年に日本で製造されました。日本のワキ1に似た外観です。
第二次世界大戦中は軍事輸送に使われ、戦後は代用客車として使用された後に貨車として使われました。晩年は代用行李車(代用荷物車)に使用されていたようで、車体にも表記が残ります。
スペースの関係からこんな中途半端な写真しか撮れません。


そして25C10056に連結されるようにもう1両貨車がありますが、手前には土産店がありまともな写真を撮れません。
代用平車35GF6081です。「代用」平車というのは元は平車ではなかったものを後年平車に改造したものです。この車両は敞車(無蓋車)を改造したものです。
荷台上には柵がありますが、これは観光客が上がれるようにここで改造されたものと思われます。しかし現在は土産店で隠されるように置かれており、何にも使用されていません。