保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

今はなき貨車改造駅(その4)

2024-03-21 08:04:40 | 貨車改造駅

廃止された貨車改造駅や、貨車改造駅舎が撤去された駅を紹介しています。

●駅そのものが廃止された貨車改造駅

 

2023年4月1日に留萌本線の石狩沼田~留萌間が廃止されたため、留萌本線から貨車改造駅舎が消滅しました。旭川支社管内の貨車改造駅は、宗谷本線名寄以北(かつての宗谷北線運輸営業所エリア)に残るのみとなりました。
◆留萌本線恵比島駅(2023年4月1日廃止)

恵比島駅では1998年にNHKドラマ「すずらん」のロケが行われました。ロケセットとして昭和初期をイメージした駅舎や鉄道官舎が建てられましたが、定期列車を運行しながらのロケですので利用者が使う待合室を撤去する訳にはいきません。そこで木造風にカモフラージュされました。


2022年時点でもロケセットが残され観光名所になっているため、貨車改造駅舎は怪しげな木造小屋風になっています。木材の一部が剥がれ落ちて貨車改造駅の地肌が見えますね。


◆留萌本線幌糠駅(2023年4月1日廃止)

2012年頃に再塗装されました。登場当初から塗装デザインは変更されていないようです。


ヨ3500から改造されたものと思われます。これが旭川支社標準のスタイルで、管内全ての貨車改造駅が同じデザインです(後年の改造を除く)。
車掌車の片側のデッキのみ活用し、閉塞した側にはトイレと物置を設置しました。出入り口となるデッキ妻面は一旦埋め、新たに正方形の窓を1枚付けています。標識灯や台枠の銘板・標記は例外無く撤去されています。屋根にはストーブ設置用の煙突を設けました。
トイレは汲み取り式で汚物タンクのガス抜き管(臭突)が設置されていましたが、幌糠駅では撤去されています。


◆留萌本線大和田駅(2023年4月1日廃止)

貨車改造駅舎は、かつての木造駅舎の基礎部分に置かれています。そのためホームからは離れています。


この駅も2012年頃に再塗装されました。幌糠駅と同様にトイレの臭突は撤去され、トイレは鎖錠されているため使用出来ません。
大和田駅に限らず、現在ほとんどの貨車改造駅でストーブは設置されなくなりました。

 

 

毎年の恒例行事となりつつある駅の廃止ですが、2024年にも貨車改造駅を含め廃止駅がありました。これにより「駅は現存するものの貨車改造駅舎が撤去された駅」は北海道内から該当駅が無くなりました。

◆函館本線中ノ沢駅(2024年3月16日廃止)

吉堀駅や蕨岱駅(いずれも廃止済み)と同じ形態で、これが函館支社の標準スタイルであると思われます。


デッキ妻面部分の窓は、車掌車時代の開口部をそのまま流用してガラスかアクリル板をはめています。デッキから室内に入る部分のドアは、一般住宅用を流用しているため間口を拡幅しています。

 

 

◆宗谷本線恩根内駅(2024年3月16日廃止)
国鉄時代末期に木造駅舎が撤去されて貨車改造駅になりました。しかし1993年頃に小さな駅舎が建てられたため貨車改造駅舎は撤去されたため廃止時は貨車改造駅ではありませんでした。
撤去された貨車改造駅舎は、2018年5月時点では旧恩根内中学校に放置されていましたが、2023年6月頃までにそれも撤去されています。
形態は旭川支社の標準的なものです。塗装も白色に薄紫のラインが入った同じものでしたが、中学校跡へ置かれてから塗装されたのか劣化したのか全体が白くなっています(画像は中学校跡へ移設後の姿)。



【目次】
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今はなき貨車改造駅(その3)

2022-03-12 22:54:00 | 貨車改造駅

廃止された貨車改造駅や、貨車改造駅舎が撤去された駅を紹介しています。

●駅そのものが廃止された貨車改造駅

◆宗谷本線上幌延駅(2021年3月13日廃止)

設置されてから塗り直されたことがあるのかは分かりませんが、塗装はヒビだらけです。この駅も下沼駅と同様に出入り口妻面の窓ガラスが無くなっています。


設置当初の形態をよく残していますが、トイレには板が打ち付けられています。


◆日高本線節婦駅・東静内駅・春立駅・日高三石駅(いずれも2021年4月1日廃止)
2021年4月1日付で日高本線鵡川~様似間が廃止されたことにより、多数の貨車改造駅が廃止されました。
鵡川~様似間は2015年1月の高潮被害により列車の運行が出来なくなり、一時期静内~様似間で運行が再開されたものの同年2月にさらなる路盤流失が発生したため列車の運行が止められ、以来6年以上列車が来ないままでの廃止となりました。

これら4駅は国鉄民営化前後に旧来の駅舎が取り壊され貨車改造駅になりました。
1993~2008年頃に再度改修され一般的な待合室が新築されたため、廃止時は貨車改造駅ではありませんでした。設置後短期間で撤去(再改修)された貨車改造駅舎が日高本線には多いです。


◆日高本線荻伏駅(2021年4月1日廃止)

ワフ29500を改造した貨車改造駅です。かつてのデッキを出入口に活用し、貨物室の扉部分にも引き戸を取り付けて出入口としています。
「海抜9m」の看板が貼られた窓は新設されたものです。


反対側の側面も同様になっています。塗装は地元高校生によるもので、何度か変更されているそうです。
屋根はトタンを張り直され、側面全体に及ぶ雨樋が取り付けられています。


この駅で特筆すべき点は、かつては簡易委託駅であり乗車券を販売していたことです。2011年に簡易委託は廃止され無人駅となりましたが、室内の一部を区切った事務室はそのまま残っていました。


◆日高本線鵜苫駅(2021年4月1日廃止)

ワフ29500を改造した駅舎で荻伏駅とほぼ同様です。事務室は無いため、その部分は待合室と配電盤室になっています。


塗装は地元中学生によって行われたものです。しかし海に近い環境のため腐食が進んでいます。
画像では分かりにくいかと思いますが、妻面にあった尾灯が撤去された部分は、平滑に埋め込まず鉄板を溶接またはリベット留めするだけで処理されています。本社直轄地域の貨車改造駅舎は、他地域と比べ簡素な改造で済ませている箇所が目立ちます。


◆日高本線西様似駅(2021年4月1日廃止)

ヨ3500を改造したもので、浜厚真駅と同じ形態です。
函館支社の蕨岱駅や中ノ沢駅とも同じように見えますが、配電盤室の設置場所が違います(函館支社はデッキの一部を潰して設置、本社直轄は元の室内に設置)。


塗装は地元中学生により行われたもので、協力者の氏名も掲示されています。
海から少し離れた場所ですが痛みが見られます。北海道の中では比較的温暖で雪の少ない地域ですが、満足に保守されていないのでしょうか。


車体には現役当時の銘板が残ります。「東京 日本車輌 昭和29年」で、日本車両製造東京支店で昭和28年度に製造されたヨ3500形はヨ4430~ヨ4444が該当します。昭和28「年度」ですので、この車両は昭和29年1~3月に製造されたのですね。


そして特筆すべき点として、台枠に「日本国有鉄道 苗穂工場 昭和55年改造」という銘板も残っています。
これは何の改造を示すものなのでしょうか。石炭ストーブから石油ストーブへの換装を示すものかもしれません。まさか貨車改造駅舎に改造する工事ではないと思いますが(わざわざ銘板を付けるとも思えません)、真相は不明です。


◆宗谷本線歌内駅(2022年3月12日廃止)

比較的きれいに見えますが、出入り口妻面の窓ガラスや側面の通気口が無くなるなど痛みが見られます。


トイレ部分の側面は、かつての車掌車デッキ部分の埋め込みが浮かび上がるように錆びています。トイレに臭突が残っていますが、この駅は果たして汲み取り作業が必要なほど利用者がいるのでしょうか・・・?


(この画像のみ2022年2月3日撮影)
2021年4月より自治体管理駅に移行しましたが、それから1年足らずで廃止されました。特段補修は行われなかったようでボロボロのまま最期を迎えました。


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今はなき貨車改造駅(その2)

2021-03-13 17:54:00 | 貨車改造駅

廃止された貨車改造駅を紹介しています。

●駅そのものが廃止された貨車改造駅

◆札沼線石狩金沢駅(2020年5月7日廃止)

札沼線の北海道医療大学以北は典型的な赤字ローカル線であり、2016年3月26日以降は浦臼~新十津川間は1日1往復しか列車が走らない路線になりました。
元は交換可能駅でしたが、廃止時には交換設備が撤去され棒線化されています。貨車改造駅舎手前のコンクリートは、かつての木造駅舎の土台です。


日高本線でも見られる本社直轄エリア標準の形態です。種車からあまり手を加えられずに活用されています。


本社直轄エリアのものにはトイレがありません。右手のドアは配電盤室(または物置)です。椅子は4人掛けのプラベンチが置かれています。


車体には「東京 日本車輌 昭和29年」の銘板が残ります。なお種車はヨ4436だそうです。


◆札沼線本中小屋駅(2020年5月7日廃止)

妻面にストーブ用煙突取り付け口がありますが、末期はストーブが設置されませんでした。


本中小屋駅は、貨車改造駅舎に接続されるようにシャッター付きの小屋が設置されています。壁には電気メーターが取り付けられていますが、貨車改造駅舎の室内にも配電盤室が設けられています。このシャッター付きの部分は何に使用しているのでしょうか。


◆札沼線中小屋駅(2020年5月7日廃止)

札沼線の貨車改造駅は同じ塗装で統一されています。


こちらも本中小屋駅と同様の小屋が追加されています。しかし雪の積もり具合から、冬季は全く使用していないようです。
種車はヨ4659だそうです。

なお札沼線のこれら3駅は廃止前日の2020年5月6日が最終営業日でしたが、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を受けて列車は同年4月17日が最終運行日となり、翌日から廃止日までは北海道医療大学~新十津川間の全列車を運休する措置が取られました。
最後の停車列車は新十津川10:00発石狩当別行きで、同日のそれ以降の列車も運休とされました。
書類上は5月6日まで営業していた駅ですが、感染拡大を防ぐため突然のラストランを迎えた悲しい最期でした。


◆函館本線伊納駅(2021年3月13日廃止)
2021(令和3)年3月13日のダイヤ改正で、JR北海道の多数の駅が廃止されました。その中には貨車改造駅も多く含まれていました。


出入り口に立派な階段と手すりが作り付けられています。同じ旭川支社管内でも留萌本線では鉄製のステップかブロックを置いただけの踏み台でした。


塗装は時期不明ですが後年塗られたものです。伊納駅ではトイレの臭突が残っており、トイレが使用出来ます。しかし冬場ならまだしも夏場は絶対に入りたくないほど簡素なトイレです。


伊納駅舎内の様子。ストーブはオリジナルではなくFF式のものが別に取り付けられています。その他は設置当初から変化ないようで、片面の壁に椅子が作り付けられているのも旭川支社独特です。
奥の扉は向かって右側がトイレ、左側が清掃用具や除雪用具を収納する物置です。


伊納駅はかつて、全国で唯一と思われる貨車改造駅舎が2つ置かれた「ダブル貨車改造駅」でした。
付近には旭川北都商業高校があり、その通学生の利用が多いための配慮かと思われます(下校時間帯は、小さな駅舎2つに入り切らないほど多数の学生が乗車していましたが)。
北都商業高は2011年で閉校になり伊納駅の利用者はほぼゼロになった影響か、2014年頃に2つあった貨車改造駅舎の内1つ(画像奥側)が撤去されました。そのため廃止時はダブル貨車改造駅ではありませんでした。
2014年に撤去された方の駅舎は、かなり前からストーブが設置されていませんでした。


◆宗谷本線紋穂内駅(2021年3月13日廃止)

ものすごい量の雪が屋根に積もっていますが、この程度の重さでは貨車改造駅はびくともしません。さすがは国鉄貨車です。
塗装はヒビだらけで疲れた感じです。


この駅はトイレの臭突が撤去されていますが、トイレそのものは使用可能です(鎖錠されていないという表現が正しいでしょうか)。汲み取り作業はどうなっているのか、気温の高い時期はどんな状況になるのか恐ろしいです。


◆宗谷本線安牛駅(2021年3月13日廃止)

ボロボロで何駅なのかすら判読出来ません。雪で分かりにくいですが、出入り口の前にスロープが設置されています。


ホーム側は少しマシな姿ですがそれにしても酷い状態です。この状態で廃止を迎えました。トイレ部分の窓には板が打ち付けられています。


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貨車改造駅これくしょん【目次】

2016-12-05 21:50:00 | 貨車改造駅

鉄道の駅舎のうち、貨車改造駅舎というものがあります。かつては本線上を走っていた貨車を改造して駅舎(待合室)として使用している駅のことです。
このような駅は国鉄末期の昭和60年頃からJR化直後の頃に各地で誕生しました。
誕生した経緯としては、交換設備撤去や無人化などの合理化で旧来の大きな駅舎が不要になったこと、老朽化した木造駅舎の代替、昭和59年に行われた貨物列車大整理で多数の貨車が余剰になっていたことなど様々な要因が重なり生まれたものです。

そのあまりの簡素さや旅情の無さ、居住性の悪さなどから鉄道ファンには忌み嫌われる存在でした。しかし現在は「ダルマ駅」等と呼ばれたり、秘境駅ブームなどから趣味の対象として捉える方が増えてきたように思います。
また貨車改造駅の特徴として設置された地域に偏りがあり、かつ辺鄙な場所が多いため、全く馴染みのない地域もあれば当たり前のように複数見かける地域もあります。特に北海道に多数存在します。このためか車のドライバーやライダーからは「珍しい」「かわいい」と評価される場面もあるようです。

このたび、貨車改造駅を網羅してみることにしました。この記事は「目次」として、各節共通の説明を書いていきたいと思います。

・北海道内に限定しており、道内の地域ごとにご紹介します。
・貨車改造駅の中には国鉄時代に設置され、北海道総局または各鉄道管理局が管理していたものがあります。しかし説明を簡略化するため、記事ではJR北海道の本社管轄地域(本社直轄と表記)と各支社で記載・区別します。
・出来る限り貨車改造駅舎それぞれの特徴を記載しようと思います。そのため駅そのものの様子は記載せず、旅行に役立つ情報等も無いかと思います。
・このような駅は「ダルマ駅」「貨車駅」「車掌車改造駅舎」等の呼び方もありますが、当ブログでは「貨車改造駅」「貨車改造駅舎」に統一しています。

典型的な貨車改造駅の例。留萌本線大和田駅。


【目次】
◆本社直轄編

貨車改造駅これくしょん(本社直轄編) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆旭川支社編

貨車改造駅これくしょん(旭川支社編) - 保存鉄道車両巡りの旅2

 

◆函館支社および道南いさりび鉄道編

貨車改造駅これくしょん(函館支社および道南いさりび鉄道編) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆釧路支社編

貨車改造駅これくしょん(釧路支社編) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆廃止や撤去された貨車改造駅(その1)

今はなき貨車改造駅(その1) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆廃止や撤去された貨車改造駅(その2)

今はなき貨車改造駅(その2) - 保存鉄道車両巡りの旅2


◆廃止や撤去された貨車改造駅(その3)

今はなき貨車改造駅(その3) - 保存鉄道車両巡りの旅2

 

◆廃止や撤去された貨車改造駅(その4)

今はなき貨車改造駅(その4) - 保存鉄道車両巡りの旅2

 

北海道内で現存する貨車改造駅の数
●本社直轄・・・1駅
●旭川支社管内・・・5駅
●函館支社管内・・・2駅
●釧路支社管内・・・4駅
●道南いさりび鉄道・・・2駅


 ※※以下の文章は、各記事の貨車改造駅舎をご覧になってからお読みいただいた方が良いかと思います。

まとめ的なことを書いていきたいと思います。
地域によって改造方法や処理の仕方が大きく異なっており、非常に奥が深いものだと感じさせられました。駅の無人化、貨物列車改変、旧来の駅舎老朽化など様々な要因が重なり誕生した貨車改造駅舎ですが、老朽化や駅そのものの廃止から逃れることは出来ません。今後は数を減らしていくと思われますので、このユーモラスな姿はいずれ過去のものになるのかも知れません。

※ここからは管理人の憶測です※
様々な理由から誕生した貨車改造駅舎ですが、真の理由は「国鉄末期の余剰人員対策」だったのではないかと思います。
前述した国鉄末期の合理化により、工場や検修で多数の人員が余剰になっていたことは想像に難くないことです。当然ながら余剰人員を簡単に解雇出来る訳ではありませんし、何もせずに遊ばせておくと様々な方面から指摘を受けることでしょう。
そこで「仕事を作るため」に考案されたのが貨車改造駅舎だったのではないでしょうか。
いくら改造ベースの貨車が無料であったとしても、人件費を考えるとプレハブ等で簡易駅舎を作った方がよほど安く上がる気がしてなりません。中には函館地区のように「あえて手間がかかるような」種車選定も見受けられます。
これらは管理人の憶測であり、全く根拠はありません。しかし登場から30年近く経った貨車改造駅が今でも頑丈に存在し続けている様を見ると、「貨車を改造したからこそ」なのかな・・・と思います(先見の明があったからなのか結果論なのかは分かりませんが)。


貨車改造駅これくしょん(釧路支社編)

2016-03-25 22:51:00 | 貨車改造駅

かつての国鉄釧路管理局、現在のJR釧路支社管内の貨車改造駅舎です。
広いエリアを持ちますが貨車改造駅は東部に集中しており、十勝地方には存在しません。

◆根室本線(花咲線)尾幌駅

1986(昭和61)年頃に貨車改造駅になりました。駅舎には絵が描かれていますが、定期的に塗り直し(絵柄の変更)が行われているようです。


釧路支社の貨車改造駅舎にはトイレが付きますが旭川支社のものとは違い、駅舎の外側から出入りするようになっています。しかし現在はほとんどの駅で鎖錠され使用出来なくなっています。尾幌駅は臭突も撤去されています。

◆根室本線(花咲線)別当賀駅

かつては尾幌駅のように絵が描かれていましたが、現在はシンプルな塗装です。かつてのデッキを活用した出入口は中央部のみ原形の開口部を生かし、左右を埋めています。
両脇に手すりが付いた鉄製の階段も釧路支社標準のようです。


妻面の小窓部分がトイレですが、別当賀駅ではトイレドアが完全に埋められています。
妻面も改修したような形跡があり、釧路支社で多く見られる妻面の尾灯が全て撤去されています。

◆根室本線(花咲線)西和田駅

釧路支社の標準的な形態ですが、西和田駅はデッキ妻面の開口部を3カ所とも埋めずに生かしています。しかし尾灯と連結器部分は埋められているなど施工の基準がよく分かりません。
花咲駅が2016年3月26日に廃止されてからは、西和田駅が日本で一番東にある貨車改造駅になりました。


トイレ側には尾灯が残ります。
なお釧路支社の貨車改造駅舎は、台枠にあった銘板が例外無く撤去されています。


(この画像のみ花咲駅で撮影)
釧路支社の標準的な室内です。椅子は片側に作り付けられています。壁にあるドアは用具入れになっており、室内からトイレへ至るドアはありません。

◆釧網本線美留和駅

近年塗装されたのか、きれいな姿になっています。


側面に見えるオレンジ色のホースは、雨樋の縦管です。原形のものが破損したためと思われます。雨樋は貨車時代のものが流用されていることが伺えます。

釧路支社管内の貨車改造駅は、全て統一された形態になっています。こまめに補修や塗装が行われているようで大切に使用されている様子に好感が持てると同時に、国鉄貨車の頑丈さを思い知らされます。


【目次】
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