保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【ドイツ】ベルリン ドイツ技術博物館の車両たち(その2)

2015-10-28 18:13:00 | ドイツ

場所:ドイツ ベルリンTrebbiner Straße 9 ドイツ技術博物館
保存車両:多数
(2015年8月27日訪問)

(その1)記事からの続きです。
かつて操車場で使われていたであろう転車台と扇形庫が残され、ここにも車両が保存されています。


客車が扇形庫から飛び出した状態で置かれています。扇形庫と車両の隙間にはアクリル板が設置されており、通り抜け出来ないようになっています(隙間は狭いため見物客が怪我しないようにとの配慮かと思われます。)。


扇形庫の外に置かれている2軸のタンク貨車。保存されているのでしょうが錆が目立ちます。これから修復されるのでしょうか。


先程の扇形庫から飛び出していた車両の庫内側。こちら側の車体は緑色になっています。この客車は半室食堂車だったようです。


何の変哲もない木造貨車に見えますが、この貨車はナチスドイツがユダヤ人を強制収容所へ移送する際に使われたものです。側面には風がやっと入るような小さな窓しか無く、これに押し込められて輸送されていたかと思うと何とも言えない気持ちになります。
このような負の遺産も保存するドイツの人々の考え方は見習いたいものです。


BR50 001です。5軸の動輪を持つ貨物用蒸気機関車です。


BR52 4966-2です。先程のBR50を戦時設計に変更し各部を簡略化した機関車で、6000両以上が製作されました。日本なら戦時設計のD51やD52に当たる車両です。


BR01 1082です。3軸の動輪を持つ急行型蒸気機関車で、最高速度は140km/hだそうです。


E19 01電気機関車です。1938年に製造されました。正面にナチスドイツの国章であるハーケンクロイツ(鉤十字)と鷲が取り付けられています。
現在のドイツではハーケンクロイツを公共の場で掲出する事が法律で禁じられています。手前に吊るされたパネルに何が書かれているのかは分かりませんが、ハーケンクロイツの掲示を禁止する獅竄アの機関車が許可を得て特別に展示されている獅ヲしているのだと思われます。


反対側の前面はナチスドイツの国章が取り外されています。


E71 28電気機関車です。


E44 131電気機関車です。


BR97 504蒸気機関車です。5軸の動輪を持つタンク式機関車です。日本にも同じような形態の機関車があり、4100と4110がE型のタンク機関車です。


扇形庫の前に置かれていた謎の車両。小さな車輪とバッファーが無い姿ながら標準軌の線路に載っています。どう見ても後から乗せられたであろう上回りも怪しげなものです。

【ドイツ】ベルリン ドイツ技術博物館の車両たち(その1)

2015-10-25 16:50:00 | ドイツ

場所:ドイツ ベルリンTrebbiner Straße 9 ドイツ技術博物館
保存車両:多数
(2015年8月27日訪問)

ドイツの首都・ベルリンの中心部にある博物館です。特に鉄道関連の展示が充実していますが、航空機や船舶、印刷や映画技術など様々な工業関連の展示もある巨大な博物館です。
かつてのベルリン・アンハルター駅の跡地に建てられており、たくさんの車両が保存されています。
画像が多いため、3記事に分けてご紹介します。また、各車両の解説はほぼ省略して画像を紹介する程度に留めます。

1枚目画像は、「BEUTH」というプレートが掲げられた蒸気機関車です。鉄道黎明期のものと思われます。これはレプリカだそうです。


こちらは、最初期の貨車と台車のようなものです。手前側の車輪にはフランジが無く、レールがL字となることで脱線しないようになっています。


2軸貨車です。かつては上回りがあったように見えますが、どうだったのでしょうか。


「680」と書かれた蒸気機関車です。通常は車輪内側に備えられる軸バネと台枠が車輪外側に露出している特異な外観です。


680形の後部です。


古典客車を復元したものと思われます。コンパートメントタイプの客室です。


「2755」と番号が書かれた客車です。


おもちゃのように見えますが鉄道車両です。1879年に製作された電気機関車で、ここに置かれているものはそのレプリカです。


蒸気機関車のキャブ部分のカットモデルです。キャブを見学出来るようになっています。
スペースの都合からこのような展示になったのか、ひょっとすると機関士の養成用設備だったのかもしれません。


形式不明の蒸気機関車です。


復元されたと思われる昔の客車です。手前側の客室の椅子はかなり豪華で、一等席のような客室かと思われます。


ガーラット式の蒸気機関車・南アフリカ鉄道83です。機関車の前後に炭水車を装着したような外観が特徴です。こちらは前側です。


こちらは後ろ側です。


ナローゲージ用と思われる小さな客車です。

(その2)へ続く

【兵庫】神戸市 神戸駅前のD51

2015-10-06 16:55:00 | 大阪・兵庫

場所:兵庫県神戸市中央区相生町1丁目3
保存車両:D51-1072
(2015年10月6日訪問)

JR神戸駅の東側に保存されている車両です。JR東海道本線より海側のJR線高架横に置かれています。
道路に面した場所に置かれていますが、周囲には柵があることと機関車横に地下駐車場の出口があるため、車両に触れる事は難しいかと思います。


大量に製造されたD51の中で、1944(昭和19)年から製造された「戦時型」と呼ばれるタイプです。使用材料や工数の見直しが行われたため、カマボコ形の砂ドームや舟底式テンダーなどが標準型とは大きく違う点です。
加えて北海道向け装備であり、切り詰められたデフレクターや密閉キャブも特徴です。テンダーに後進用のヘッドライトが無いことも北海道型の特徴です。
この1072号機は製造直後に北海道へ配置され、廃車まで北海道を離れる事はありませんでした。


横から見るとカマボコ形のドームがよく分かるかと思います。
この車両は一時期荒廃していましたが、ボランティアの方がほぼ1人で修繕して下さったため現在では綺麗な姿をしています。
都市の中心部ですのでイタズラや破壊行為が心配ですが、いつまでも大切に保存されてほしいものです。