保存鉄道車両巡りの旅2

鉄道車両の静態保存車を紹介するブログです。

【ドイツ】ニュルンベルク DB博物館の車両たち(その2)

2015-09-30 21:05:00 | ドイツ

場所:ドイツ ニュルンベルク Lessingstrasse 6 90443 DB博物館
保存車両:多数
(2015年8月26日訪問)

(その1)記事からの続きです。
蒸気機関車、Bay.BV型ノルドガウ号です。1853年に製造されたドイツで現存するSLとしては最古のものです。


この機関車は、車体の片側が切開され内部の構造が分かるようになっています。見づらいですが、ボイラー付近の管で赤色と青色のLEDが光っているのが分かるでしょうか。蒸気機関車が動く仕組みを説明するための仕鰍ッです。
近くのボタンを押すとこのようにLEDが光り、石炭を燃やすと水を加熱して煙突から排気されたり、ボイラーで熱せられた水がシリンダーに伝わったりする順路が分かります。


E6902号電気機関車です。1909年にシーメンス社で製造された車両です。何と1982年まで現役だったそうです。


右側の車両は蒸気機関車アドラー号、左側はICE3のモックアップです。
アドラー号は1835年にドイツで初めて開業した鉄道で使用されたSLです。これは復元されたもので、1935年にアドラー号100周年を記念して復元されました。しかし2005年の火災で復元車は消失してしまったため、2007年に2度目の復元車として蘇ったのが現在保存されている車両です。
現在でもイベント列車の牽引を行うため博物館の外へ出る事があるそうです。


青い塗装と各所に金の装飾が施された豪華な客車です。これはバイエルン国王・ルートヴィヒ2世が乗車するサロンカー(貴賓車)です。屋根上に載せられた王冠が王族の権威の象徴でしょうか。


サロンカーと同様の意匠の展望客車です。中央に小さな客室があり、両端がオープンデッキになっています。


5号客車です。1872年に製造され、プロイセン王国首相・ビスマルクが使用した貴賓車です。
ルートヴィヒ2世の貴賓車から一転して地味な外観ですが、一般の客車と区別しにくいようにあえてこのような外観になったそうです。


本館に収蔵されている車両は少なめですが、縮尺1/10の模型が大量に保管されています。とても精密なものや中には製作から100年以上経った模型もあるそうで見応え充分です。


2階にはHOゲージの巨大なジオラマが設置されています。中央で操作する人の大きさからジオラマの広大さが分かるでしょうか。模型はメルクリンのものと思われます。

【ドイツ】ニュルンベルク DB博物館の車両たち(その1)

2015-09-30 20:26:00 | ドイツ


場所:ドイツ ニュルンベルク Lessingstrasse 6 90443 DB博物館
保存車両:多数
(2015年8月26日訪問)

ドイツ中南部の都市ニュルンベルク。その市街中心部にあるDB博物館で保存されている車両たちです。DB(ドイツ鉄道)直営の施設で、貴重な車両や鉄道資料が数多く収蔵されています。
紹介する車両は、本館に展示されているもののみです。少し離れている車両ホール、ゴブレンツ支所、ハレ(ザーレ)支所などにも車両が保存されているようですが、そちらは時間の都合で見学出来ませんでした。
画像が多いため、2記事に分けてご紹介します。


1829年に製造された石炭車です。イギリスで使用されていたもので、イギリスより永久貸与されているそうです。連結器がありませんが、馬に牽かれていたようです。


1835年にドイツで初の鉄道であるバイエルン・ルートヴィヒ鉄道が、ここニュルンベルクに開通しました。その際に用意された客車です。コンパートメント式の車内に車体側面より出入りする、日本で言えば明治期のマッチ箱客車の様な構造です。


2両のSLは、右がS2/6型3201号機、左がBad.IX型フェニックス号です。
S2/6は1906年に王立バイエルン邦有鉄道が高速試験用として製造した機関車で、2B2(4-4-4)の軸配置を持つ機関車です。
フェニックス号は1863年に製造された機関車で、2A(4-2-0)の軸配置を持つシングルドライバー(動輪1軸)式です。最高速度は120km/hだそうです。


S2/6型3201号機の動輪付近。動輪は直径2.2mもある巨大なものです。1907年に行われた高速度試験では154km/hを記録し、当時の世界最速記録となりました。日本はまだ明治時代だった頃にこれほどの速度を出せる機関車があったことに驚きます。


161号客車です。1868年に製造された1等2等合造車です。この客車は室内中央に通路があるため、側面に扉がありません。


Berlin1419号です。屋根が2段になっている郵便車で、1888年に製造されました。下回りは固定3軸です。


G3型3143号蒸気機関車です。1884年に製造され、プロイセン鉄道で使用されました。
動輪3軸(C形)の貨物用機関車で最高速度45km/hだそうです。貨物用らしからぬ美しい緑色に塗装されています。


2軸の無蓋貨車です。1870年に製造されチェコで使用されていました。車輪のスポークにも装飾が施されていることが分かります。

(その2)へ続く


深川市 旅館のワフ29500

2015-09-25 17:00:00 | 空知(北海道)


場所:深川市3条12丁目
保存車両:ワフ30104、ワム60000(車号不明)
(2015年9月20日訪問)

深川市中心部、国道233号線から程近い場所に保存されている車両です。旅館の看板が掲げられ、その駐車場に置かれています。
ワフ30104は下回りを残したまま保存されており、電線が接続されていますが現在では使用していないようです。
ワム60000は番号が読めない程腐食し、下回りの無いダルマ状態です。


ワフ30104もはっきりと標記が残るのは台枠部分のみです。現役を引退してから一度も塗装されていないものと思います。
なおこの旅館のホームページには、車両の解説は無いもののこれらの車両が写った画像が掲載されています。

(2016年7月8日追記)
上記の日付に現地を確認したところ、ワフ30104の手前(デッキ側)に自動車用の車庫が設置されていました。車両自体は現存していますが、道路からスッキリ撮影することは出来なくなりました。

2024年4月9日 現存を確認


【ドイツ】ネルトリンゲン バイエルン鉄道博物館の車両たち(その3)

2015-09-24 16:44:00 | ドイツ

場所:ドイツ ネルトリンゲン Am Hohen Weg 6a 86720 バイエルン鉄道博物館
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2015年8月27日訪問)

(その2)記事からの続きです。画像が多いことから3記事に分けてご紹介します。あまりにも車両が多いため全てを撮影し切れていません。個々の車両の解説も省略し、車号を記述する程度に留めます。

1枚目画像は「82904」と書かれた短い2軸客車と、「45410」と書かれた客車です。45410も長い車体にもかかわらず2軸車で、日本の明治時代の客車のように各ボックスごとにドアが付いています。


WL4üという形式で1029の番号が付けられています。「DSG」とはドイツ寝台食堂会社という意味で、寝台車や食堂車の運営を行っていました。


E10-005電気機関車です。


BR141-083-6電気機関車です。動態保存か静態保存かは分かりませんが、かなり色褪せています。


BR103(番号不明)ディーゼル機関車です。


BR322-157-9ディーゼル機関車、同型の番号不明の機関車、2軸有蓋貨車です。


真っ赤に錆びた蒸気機関車と、対照的にきれいなBR322-796-3です。


701344Müです。ボギー車ですが車体が短く、窓が少ない独特の形態です。


BR332-092-6とBR332-157-7です。先程のBR322よりは大きな車両ですが、標準軌用としては異様に背が低い機関車です。


博物館の展示スペース以外にもたくさんの車両が置かれており、その一部は線路を跨ぐ歩道橋から確認出来ます。これはBR22-064蒸気機関車と緑色の電気機関車です。


レールバスや客車、SLのテンダーなどが放置同然で置かれています。レストア待ちや部品取り用なのかもしれませんが、車体に落書きされガラスは破れ放題ととても復活できるような状態には見えません。
なお、画像中心に写る赤い電車は現役の車両です。これらの保存車両は後輩の活躍を毎日眺めながら過ごしているのですね。

【ドイツ】ネルトリンゲン バイエルン鉄道博物館の車両たち(その2)

2015-09-24 16:13:00 | ドイツ

場所:ドイツ ネルトリンゲン Am Hohen Weg 6a 86720 バイエルン鉄道博物館
保存車両:多数(画像と共に紹介)
(2015年8月27日訪問)

(その1)記事からの続きです。画像が多いことから3記事に分けてご紹介します。あまりにも車両が多いため全てを撮影し切れていません。個々の車両の解説も省略し、車号を記述する程度に留めます。

1枚目画像は、番号不明の怪しい車両です。保線用の巡回車のように見えます。後ろ側には整備途中のSLの部品が置かれています。動輪は直径2m程あるであろう巨大なものです。


整備途中なのか部品取りなのか、SLの水槽と真っ赤に錆びたボイラーが貨車に載せられています。


かつてのヤードであった場所にも、たくさんの車両が置かれています。BR52-3548-6です。


架線の検測車と思われる車両です。


形式不明の除雪車(ラッセル車)です。「80 80 9735-1」という番号が車体に書かれていましたが、車番を示すものでしょうか。


BR103-136-8です。往年のTEE(ラインゴルト)牽引機で西ドイツを代表する車両と言えます。TEE塗装のまま保存されています。


BR998-836-1です。2軸レールバスですが、この車両は附ずい車(キサハまたはキクハ)だったようです。


形式不明の電気機関車です。


番号不明ですが、操重車が2両保存されています。かなり古めかしいことから蒸気動力なのかもしれません。


BR798-522-9とBR998-724-9です。2軸レールバスですがBR798は動力車、BR998は附ずい車で客室の一部が荷物室になっています。
ちなみにこれら西ドイツのレールバスを手本に作られたのが日本の国鉄キハ01~03ですが、本家ドイツの車両より使い勝手が悪かったことから10年程度で退役しました。


BR515-001-5です。先程の2軸レールバスと同じような前面を持ちますが、車体が延長され片側3扉、ボギー台車の気動車です。


形式不明ですがL型の青いディーゼル機関車と、同じく形式不明の赤茶色の凸型ディーゼル機関車です。


BR140-856-6電気機関車です。


車両の手前側にある柵は、博物館と現役の駅構内とを区切るものです。現役の構内側にも多数の車両が置かれています。相当古い車両も置かれていますが、これらは動態保存されているのでしょうか?


古めかしい客車ですが、この画像の2両は3軸固定式の足回りを持ちます。
(その3)へ続く