本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

「二条家文書の世界」展

2016-11-21 21:00:05 | 住職の活動日記

先日、「即位」ということを書いていて、

即位灌頂のことも少しだけ触れて

ところが昨日、

同志社大学で「即位灌頂」についての

展示会と講演会がありました。

 

 

ハリス理科学館同志社ギャラリー

2階の展示室です。

記念講演は東京大学の名誉教授

「橋本政宣」先生です。

 

ちょうど今、天皇陛下の生前退位

ということもあり、

即位ということが話題になっています。

 

天皇が位を譲られることを

「践祚」(せんそ)というそうで、

その後、公に公表されるのを

「即位」というようです。

 

その「即位」にあたって

その儀式は秘儀として

口伝によって伝えられて来ました。

その儀式の作法を伝えてきたのが

五摂家といわれる近衛・九条・二条

一条・鷹司の五家です。

ところが、後にはほとんどが二条家

に伝えられてきたようです。

 

その二条家の古文書が解明された

ということで、展示会になったようです。

 

 

橋本先生のご講演は

とても分かりやすく

興味深いものでした。

なにせ、

口伝として伝わっていることが

こうやってわれわれの目にも

触れることができたのです。

 

本来は「即位」の時

二条家の関白の方が

直々に天皇陛下に伝えたことで

本来は口伝ですから

書き付けさえ残さず

口から口へ伝えていった

ということですが

後世になって書き残したり

逆に天皇が二条家へ伝えたり

ということで、

記録が残ってきたということです。

 

中には白紙の文書があって

一見、何もないと思っていると

真中ほどに書いてあったりと

やはり秘中の秘として

守られてきたということです。

 

 

天皇陛下が即位される儀式を

「即位灌頂」といいます。

上のパンフレットの文書

こうやって公になっていますが

これも秘儀の一つで

 

「即位灌頂

智拳印

右大指頭端合如環握左頭指

真言 七反

唵挐吉尼阿  口傳」

 

と書いてあります。

橋本先生も神主さんのようで

密教の秘儀はわかりません

といいながら、

困っておられました。

(私も言おうかと思ったのですが

秘義として伝わっていることですので

あえて黙っていました)

 

なぜ、

天皇陛下が即位の時

密教の儀式に依られるのか

疑問でしたが、

天皇陛下は明治までは

仏教の儀式を行っておられた

ということのようです。

御所の清涼殿の中にある

「黒戸の御所」(くろどのごしょ)

がその場所ということです。

 

即位の時、天皇陛下は

手には大日如来の智拳印を結び

口には真言を唱えて

高御座(たかみくら)に上がられる

つまり、

天皇陛下は大日如来となって

国を治めるということの

表現なのでしょう。

 

明治以降は

もうこの儀式は行われなくなった

ということです。

そういうこともあって、

この古文書も公開になったのでしょう。

 

ふと帰りしなに思ったのですが

同志社大学というキリスト教の

大学で、

講師の先生は名誉教授ですが

神主さんということです

それで仏教の秘儀であることを

語られている

なんだかおもしろいな~

 

 

ちょうど掲示板には

「新島襄」の言葉が目にとまりました。

 

この展示会は

11月19日から12月3日まで

月・祝閉館

入場無料

同志社大学のハリス理科学館

 

   です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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