本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

憶念不忘

2018-08-25 20:37:52 | 漢字

「憶念不忘」

聞いたことを心に深く念じ忘れない

ということですが、

これがなかなか難しい!

右から左にすぐ忘れてしまう

のですが、

しかし感動したことは

心のどこかの隅に残っていて

ふと思い出すこともあります。

 

この字を見た時

妙なことが気になるのですが、

「憶」という字は

りっしん遍に「意」と書きます

「意」という字にも心が付いていて

憶というと心が二つもついている

という字です。

「追憶」という字もあり

「記憶」というようにも使います

 

「憶念不忘」という字も

みな心という字が入っています

仏教の言葉にはよく見ると

心という字がよくついています。

それだけ、

人間の心の問題を大切に扱っている

ということでしょう。

 

「憶念不忘」に出てくる

「念」という字も大事な言葉で

一つのキーワードにもなるものです

お釈迦さまが最初に説かれた

修行の方法に三十七道品という

ものがあります。

その中にも「念」ということが

繰り返し出てきます。

◎四如意足の中にも

 念如意足ということがあて

 意欲と精進と心念

 (心に深く念じて忘れない)

 そして思惟、静かに考える

◎五根(根とはすぐれたはたらき)

 念根といって忘れないハタラキ

◎五力(煩悩を打ち破る力)

 念力という憶念不忘の力

◎七覚支(さとりの智慧を助ける)

 念覚支といって

 忘れないことがさとりに至る

 智慧の要素となる

◎八正道の中には

 正念といって

 八正道の目的である正見を

 いつも忘れない

こういうように

憶念不忘という念ということは

修行の根幹をなすということです。

 

また、

よけいなことですがどうも気になる

言葉に「意」といういものがあります

その中で「意地」ということが

普通には「意地を張るとか」

おてもやんという民謡には

「意地と張りの心が

 それが 後生楽たい」

という文句もあり、

それで済んでいるのですが

『十地経』を読んでいることもあり

意に地がついて、意地

なんとも不思議?

元はこの言葉も仏教語で

意というこころは

すべてのモノを生起せしめる場所

すなわち「地」ということから

意地という言葉ができたようです。

しかし、

おてもやんの歌ではないですが

この世の中は、

「意地と張り」がなければ

生きていけないような気もします。

 

般若心経も、心の経

この場合は中心のという意味ですが

気を付けて仏教の言葉を見てみると

心のついた文字の多いことに

驚かされます。

そのことも注意深く見ていき

調べて見るのも面白い

ものになり興味もわき

考えを深めていく手助けになる

のではないかと思います。

 

 

 

 

 

 

コメント
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