本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

雑夾性(ざっきょうせい)

2018-08-15 22:11:25 | 漢字

「雑夾」

あまり使わない言葉です、が

なにかしら、

耳の底に残っている言葉です。

安田先生が講義のなかで

よく口にしておられたように

思います。

 

ちょうど今読んでいるところでも

出てきました。

「雑夾性を排除して」

という具合に、

 

しかし、辞書には

「雑夾」という言葉はないようです

漢和辞典には

「夾雑物」という言葉で

まじりもの、という意味です。

 

「夾」(きょう)

という字も面白く、

字の形も

大きな人を人々が向かい合って

はさんでいるさまを表す

ということです。

意味は、はさむ、とか

左右から持つとか、

また、おとこだてというような

任侠の夾に通じるのでしょう。

また、

今盛りの赤い花をつける

「夾竹桃」もこの字です。

 

しかし、まじりものという

雑夾という言葉からは

出てこないようです。

 

雑夾というまじりもの

ということは

安田先生は、

どんなに修行しても

なおそこには混じり物

煩悩のカスみたいなものが

まだ残っているということでしょう

だから、

この十地経においても

修行は尽きないということを

人間の心に残る

雑夾なるものを排除していく

対治していくということでしょう

 

講義の中では

「一歩一歩自覚が

 明らかになってくる」

というように述べておられます。

また、

「自覚が自覚を明らかにしてくる」

とも、

十地という歩みということで

どこまでも

雑夾性を排除していく

ということなのでしょう。

 

不思議なもので

その時は意味もわからない言葉

なのですが

心の底に残っている言葉という

ものがあるようです。

50年ぶりにまた出会ったという

思いで、

自分なりには感動したのです。

 

 

 

 

コメント
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