本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

今週の言葉 7/29~8/4 「 下手だったから もっと上 … 」

2013-07-28 21:59:05 | 今週の言葉

下手だったから

 

もっと上、もっと上を

 

めざすことができた。

 

     中山雅史

 

 

東アジアカップ 「 ザック・ジャパン 」 

 優勝  を飾ることが出来ました。

 けど、試合内容はハラハラドキドキ、

数少ないチャンスをものにしての

優勝です。

  よかった   おめでとうございます。  

 

 今週の言葉、中山選手の言葉です。

フットボールの選手としては息の長い選手だということです。

それで、

 「 どうして、長く続けることができたのですか ? 」

という質問に答えて、

 

 『 自分は下手だったから、

   もっと上、もっと上を

   めざすことができた。 』

 

と話されておられました。 

 

 昨晩、世界の頭脳選手権みたいな番組がありました。

質問もわからないし、

答えも、わからない。

これから世界を背負っていくであろう

頭脳集団の集まりのようでした。

 

 しかし、かのソクラテスは

『 無知の智 』

と、いわれています。

自分は何も知らない、

ということだけは知っている。

 また、ジョブズさんも

『 愚かであれ 』  ( stay foolish )

と、スピーチされています。

 

 今の世の中、知識を競う世界で、

「 愚かであれ 」 というのは

逆行するようですが、

一歩深く考えると、

いろんなことは知っているが、

肝心の自分のことは何も知らない、

ということがあります。

「 何のために生まれてきたのか 」

この一つがわからなかったならば、

せっかく生まれてきた意味をなくしてしまいます。

 でなければ、名誉や財で自分を誤魔化して生きるしかありません。

お経の中では 「 名利 」 という言葉で出てきます。

名誉と利益です。

そこを厳密に分析して、

利益を隠蔽するために、

名誉というもので覆っている。

と、いやなことを書いてあります。

( そこまで分析しなくてもいいのに )

 

 そういう中にあって、

中山選手は 「 自分は下手だから 」 と

自分の立場を一番下においておられたのでしょう。

理解する、という 「 understand 」 英語も

分けてみると 「 under 」 下に

「 stand 」 立つ、 となります。

自分の居場所を一番下に置かれたからこそ、

いつまでも、求める心が続いたのでしょう。

 

 自分の立ち居地をどこに置くか、

出来上がった完成した自分と見るか、

愚かな自分と見るか、

人それぞれと思います。

 

 たとえ歩みはのろくとも、

素直に愚かに一歩一歩ずつ歩む姿が

これからは信頼される人と成ることができるし、

また、

自分にとっても本当のことが見えてくるように思うのです。

 

 いつまでたっても下手だから、  …

落ち着ける言葉です。

そして、精進努力ということが身に具わってくる

ようにも思うのです。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする