本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

『 いく ! 』

2012-06-06 20:51:25 | 住職の活動日記

 「 いく 」  という字、変換してみると

「 行く 」  が出てきます。  そして、

「 往く 」  「 逝く 」  も 、 出てきます。

これも  「 生く 」  あるのではないでしょうか。

 毎日、生活して生きるのも  「 生く 」  だし、

お迎えが来て行くのも  「 往く 」  であり  「 逝く 」  です。

 

 周りをいつも和やかにしてくれる  『 Y おばあちゃん 』 

今年、御年 90歳  、

  「 散歩のついでに、島田斎場の合掌殿に葬儀の予約をしてきました。 」

と、  すると

  「 まだ、こんでよか !! 」

と、合掌殿の人に追い返されました。

 それから、ある夜中、急に胸が痛み出し、心臓が止まりそうになったので、

救急車を呼んで、地域医療センターへ、

調べてもらったのですが、どこも異常がなく、

今度はタクシーを呼んでもらって帰ったそうです。

 次の日、主治医に看てもらうと、

   「 こないだ、電池換えたばかりなので、

     心臓が止まるわけなか !!

     たびたび、病院に来んで ヨカ ! 」

と、叱られたそうです。

   「 わたしは 電池で生きとと  なんか へん ?? 」

 

先生から、

  「 もっと 人生 前向きに生きなきゃ ! 」

と、言われると

  「 先生 ! 、  前見たら  地獄しかありません 」

と、切りかえし、  すると

  「 先生は、マスクにマジックでチャックの絵をかいて、

    チャックを閉めときなさい ! 」

といわれたのですよ。

 

 「 Y おばあちゃん 」  いつお迎えが来てもいいように

葬儀社に予約にいくものの、

いざ、胸が苦しくなると、きっちり救急車を呼んで病院へ、

いつお迎えが来てもいいものの、やはり今日明日では困る 。

 

 今日の方は、89歳、眠るがごとく、

家族の知らない間に、夜中の3時ごろに 逝かれたのです。

奥様の妹さん、

 「 私の夫は定年終わってすぐでした。

   その時は、辛かったけど、  …

   自分もやることもたくさんあったし、

   けっこう 楽しんでやってます。

   反対に、姉は急に主人を亡くしたので、

   これから、落ち込むのではないかと心配です。

   よろしくお願いします。 」

 

年老いてからの別れは辛い !

 男性諸氏  ちょっとでも早く逝ったほうが  …  ???

   ( 妻のため     )

 

 逝く時期   とても難しい  !!

 

仏教は 生死同時   『 生死巌頭に立つ 』 

 ( 生きている事実は崖っぷちに立ってその淵を歩んでいるようなもの )

死に場所が見つかったとき、ほんとうに生きる場所がわかるのです。

 葉隠れ、の言葉には

   「 武士道とは 死ぬことと 見つけたり 」

という、ことが書いてあります。

 

「 逝く 」  先が見えたとき  ほんとに 「 生くる 」  のです。

 

 

 

 

 

   

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