北面武士

至誠通天

映画鑑賞

2015-03-02 | 日記
三月一日(日) 雨

映画「アメリカン・スナイパー」を観た。

主人公のクリス・カイルの愛国心と、プロフェッショナルに撤した仕事に感動を覚えた。
仲間10人を助ける為に敵一人を打ち抜く。 女子供でも攻撃してくれば敵である。
戦場においては当たり前の事であるが、人間としては殺人を犯しているという心の闇が徐々に蓄積される事も事実。
この映画は兵士の心の葛藤を繊細に映し出している。 クリント・イーストウッド監督らしい作品である。

私が米国に滞在していた二十歳前後の頃、ベトナム戦争帰りの三十前半の米国人の友人が数人いた。
彼等のうちの一人は、米国へ帰国後に「ヴェトナミン・クレージー」と呼ばれ、国家の為に命をかけたにも関わらず
世間の冷たい仕打ちにあって鬱になった経験があったと聞いた。
帰国後10数年経っても完全治癒状態とは思えなかったが、銃の扱いメインテナンスが抜群に上手い射撃の師匠だった。

彼等はプロの軍人ではなく、徴兵によって戦場へかり出された若者だったので、プロフェッショナルの意識も無い
星条旗の元に集められたインスタント兵士だったので、戦場で敵を殺す事即ち殺人を行うという事は、
平常時になると深い心の闇として残るのは必然である。


映画の主人公カイルが、オペレーション遂行の要としての責任感と高揚感があるので、
再度戦場へ戻りたいという気持ちは理解出来る。
オン・オフを完全に切り分けられない兵士達が”PTSD 外傷後ストレス障害”に陥るのであろう。

危険な場所で仕事をするのが好きな者も多々いる。何故か?
それは、命をかけた分だけ業務完遂時の満足感、幸福感を得られる為である。 
業種は違うが、私も同じ理由で海外出張を20代~30代の20年間続けていた。
その間、日本国内で失うものも多くあったが、心の満足感の方が勝っていたような気がする。

海外出張を止めて早10年。 体重は増え続け、危機管理能力も衰え、完全な平和ボケと劣化してしまった・・・。
フィリピンで共産ゲリラの動向を把握し、回避しながら業務遂行していた日々が懐かしい。


「アメリカン・スナイパー」の最後のシーンでは涙が溢れた。 クリス・カイルは紛れもない米国人達の英雄である。

それでは、また。 ごきげんよう。









コメント
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