竹ノ塚駅から楽しむ一駅散歩の終着点はなんといっても足立を代表する名刹「西新井大師総持寺」でしょう。創建は826年、弘法大師様により創建された古刹で、西新井大師とよばれる謂れは本堂の西側に「加持水」の井戸があったことによります。
西新井大師大本堂
一駅散歩とはいえ結構な距離を歩いたように感じます。大師様の最寄の駅は東武伊勢崎線の西新井駅から分岐する大師線の「大師前駅」となります。川崎大師しかり、柴又の帝釈天しかりでたくさんの参拝客のために本線から分岐させて支線を敷設したため、大師線は西新井駅からわずか一駅しかありません。
地の利がわからず、まずは大師前駅へと足を進めることにしました。近代的な駅舎を横目で見ながら参道口方向へ進むと、ようやく門前町らしい雰囲気が漂ってきます。その道すがらやけに目立つのが「せんべい」を売る店なのですが、どこの門前町でも目にする光景です。
参道と山門
そんな通りを抜けて進むと山門へと通じる参道入口へとさしかかります。遠目に山門が構え、その山門に通じる参道脇には参詣客向けの土産屋や名物の「草だんご」を売る店が並んでいます。
「草だんご」と聞くと、柴又の帝釈天の草だんごがあまりにも有名なのですが、どちらが元祖、本家なのか聞いてみたいものです。
余談ですが、実は「男はつらいよ」はここ西新井大師を舞台に映画撮影をすることを予定していたらしいのですが、なんとも残念なことにお寺から断られてしまったようです。そのため葛飾の柴又帝釈天が選ばれ、今となって「寅さん」ゆかりの門前町・柴又の帝釈天として日本全国に知れ渡るようになったのはラッキーといってもいいのではないでしょうか。もし西新井大師が寅さんの舞台であったならば、参道脇の団子屋さんがきっと有名になっていたのかもしれません。
団子屋さんの呼び込みを振り切りながら、大師様の堂々とした山門前に進んできました。冬の低い西日が届かない山門は澄みきった青空を背景にしてシルエットのように浮かびあがっています。この山門は江戸後期に建てられたもので、山門両脇に金剛力士像が祀られています。
山門
山門をくぐり参道を進むと正面に見上げるように構えるのが大本堂です。堂々としたその姿は境内の中でひときわ存在感を示しています。
境内には大本堂の他に塩地蔵の祠、六角観音堂、不動堂、鐘楼堂、光明殿などの諸堂が配置されていますが、その中でも最も興味深い建造物が「三匝堂(栄螺堂)」です。
六角道
鐘楼堂
光明殿
光明殿
一般的に「さざえ堂」と呼ばれている建造物なのですが、現存しているものは日本全国でも数少なく、かなり貴重なものなのです。もちろん都内で現存する唯一のものです。
三匝堂(栄螺堂)
三匝堂(栄螺堂)
さてこの「三匝堂(栄螺堂)」ですが、江戸時代に深川(現在の西大島)の羅漢寺にその起源をもつもので「さざえ」と名付けられていることから、お堂内部の造りが「さざえ」のように螺旋状の階段で結ばれ、堂内に安置されている数多くの大師像、仏像を拝みながら巡ることができるようになっています。現存する他の「三匝堂(栄螺堂)」と比較すると、まるで三重の塔のように見えますが、これは塔婆建築ではなくいわゆる「三匝堂(栄螺堂)」に分類されるものです。尚、この「三匝堂(栄螺堂)」は江戸期の天保時代にその建立の起源が記述されていますが、現在のものは明治時代に再建されたものです。また残念ながら、現在内部を拝観することができませんでした。
弘法大師様のご利益もさることながら、めったに見られない「三匝堂(栄螺堂)」の姿を間近に見ることができたことに満足し、今回の足立散策の〆といたしました。
日光街道脇に残る江戸民家の長屋門
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一駅散歩とはいえ結構な距離を歩いたように感じます。大師様の最寄の駅は東武伊勢崎線の西新井駅から分岐する大師線の「大師前駅」となります。川崎大師しかり、柴又の帝釈天しかりでたくさんの参拝客のために本線から分岐させて支線を敷設したため、大師線は西新井駅からわずか一駅しかありません。
地の利がわからず、まずは大師前駅へと足を進めることにしました。近代的な駅舎を横目で見ながら参道口方向へ進むと、ようやく門前町らしい雰囲気が漂ってきます。その道すがらやけに目立つのが「せんべい」を売る店なのですが、どこの門前町でも目にする光景です。
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そんな通りを抜けて進むと山門へと通じる参道入口へとさしかかります。遠目に山門が構え、その山門に通じる参道脇には参詣客向けの土産屋や名物の「草だんご」を売る店が並んでいます。
「草だんご」と聞くと、柴又の帝釈天の草だんごがあまりにも有名なのですが、どちらが元祖、本家なのか聞いてみたいものです。
余談ですが、実は「男はつらいよ」はここ西新井大師を舞台に映画撮影をすることを予定していたらしいのですが、なんとも残念なことにお寺から断られてしまったようです。そのため葛飾の柴又帝釈天が選ばれ、今となって「寅さん」ゆかりの門前町・柴又の帝釈天として日本全国に知れ渡るようになったのはラッキーといってもいいのではないでしょうか。もし西新井大師が寅さんの舞台であったならば、参道脇の団子屋さんがきっと有名になっていたのかもしれません。
団子屋さんの呼び込みを振り切りながら、大師様の堂々とした山門前に進んできました。冬の低い西日が届かない山門は澄みきった青空を背景にしてシルエットのように浮かびあがっています。この山門は江戸後期に建てられたもので、山門両脇に金剛力士像が祀られています。
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山門をくぐり参道を進むと正面に見上げるように構えるのが大本堂です。堂々としたその姿は境内の中でひときわ存在感を示しています。
境内には大本堂の他に塩地蔵の祠、六角観音堂、不動堂、鐘楼堂、光明殿などの諸堂が配置されていますが、その中でも最も興味深い建造物が「三匝堂(栄螺堂)」です。
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一般的に「さざえ堂」と呼ばれている建造物なのですが、現存しているものは日本全国でも数少なく、かなり貴重なものなのです。もちろん都内で現存する唯一のものです。
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さてこの「三匝堂(栄螺堂)」ですが、江戸時代に深川(現在の西大島)の羅漢寺にその起源をもつもので「さざえ」と名付けられていることから、お堂内部の造りが「さざえ」のように螺旋状の階段で結ばれ、堂内に安置されている数多くの大師像、仏像を拝みながら巡ることができるようになっています。現存する他の「三匝堂(栄螺堂)」と比較すると、まるで三重の塔のように見えますが、これは塔婆建築ではなくいわゆる「三匝堂(栄螺堂)」に分類されるものです。尚、この「三匝堂(栄螺堂)」は江戸期の天保時代にその建立の起源が記述されていますが、現在のものは明治時代に再建されたものです。また残念ながら、現在内部を拝観することができませんでした。
弘法大師様のご利益もさることながら、めったに見られない「三匝堂(栄螺堂)」の姿を間近に見ることができたことに満足し、今回の足立散策の〆といたしました。
日光街道脇に残る江戸民家の長屋門
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