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会を企画していたときには、まさかこんなタイミングになるとは思わなかったでしょうが、最初の講演は、
「総選挙の分析と今からの政局を読む。」元衆議院議員(鹿児島1区選出)長野祐也先生。
二つめが、「どうなる?日本の医薬品産業」山本義彦先生(人気アナリスト1996-2002年まで医薬品部門1位、1999年企業総合部門1位)
長野先生は、日医工が「政界キーパーソンに聴く」という番組のスポンサーで、自身コーディネーター出演者であることから選ばれた。
長野さん自身も、与党優勢・優勢と言われながら、327議席まで行ってしまったのは予想外だと言っていました。
自分だけは開票前のインタビューで300近くまで行くと言っていたのを自慢していましたが、まさかすべての法案が通ってしまう三分の二以上になるとは思っていなかったそうです。
だいたい、選挙直前に優勢だ優勢だ!とは言われたくないのが本音で、ご自身も1980年に初当選してから三選される選挙の中で、直前に優勢と報道されるとろくな結果にならなかったそうです。
今回の選挙のポイントを4つあげていました。
1、何をテーマにして、どの土俵で戦うのか?という選挙の条件を小泉さんの方が満たしていた。240を1議席でも割ったら辞任すると早々に明言!36名を直ちに除名、あえて分裂選挙をした。つまり、最初に自ら退路を断ち、リスクを背負った。小泉さんは攻めの選挙には強い。そして、全選挙区に郵政民営化反対議員に対する対抗馬を立てた。つまり、低調だった選挙が盛り上がった。
2、小選挙区・比例代表制のしくみによる勝利。
得票率は47%,民主党は36%だったにもかかわらず、自民党が議席では73%獲得。民主党は17%に止まった。
3、選挙民、国民に対するメッセージの差が大きかった。「改革をとめるな!!」はとても強いメッセージで、対する民主党の「日本をあきらめるな!!」はs弱すぎる。誰も諦めている人なんていないのではないか?
4、選挙戦術の差が出た。
郵政がすべてではない!他にもある!!しかし、そんなことは誰にでも分かっていること。組合があるから対案出せないのはわかるが、民主党は議論の正面から逃げた印象を与えてしまった。小泉さんは何もやっていない!と主張したけれど、何もやっていないっていうことは無いだろう!。それならば、小泉政治は、改悪だと言い切った共産党の方が分かりやすかった。
これからの政局としては、アメリカ・ブッシュ共和党とのつながりが強くなり、小さな政府を目指すことは変らないが、競争原理がはっきりし利いてきて、勝者・敗者がよりはっきりする社会へと進むだろう。
いま、まさにドイツも総選挙中で、野党の女性党首が勝ちそうだが、もともとドイツはマニフェストをはっきり示す国だ。マイスター制度があるからだろうが、ドイツは国民に負担を求めている。国民に痛みを求めている。
日本は小さな政府を実現してからの負担論議だろうが、党内論議を徹底しておこなって欲しい。
しかし、次回の選挙から重複立候補はやめてもらいたい。本来・比例区は学識経験者から選ばれるべきだ。
日本は欧米と違って、官僚のOBが議員になっている国だ。立法と行政がゴチャゴチャになっている。官僚王国をつぶすことが重要だ。