先週の会議で、京都府立大学・眼科学教室の教授・木下茂先生のお話しを聴きました。
演題は「目の大切さを考える」です。
「目が見えるってどういうことでしょう?光が入ってきてプリズムを通って7色に別れ網膜に到着するのを感じることです。
ここで、色んな動物の目の図が表示されます。
まず、プラナリア(ヒルとかミミズみたい)の目は網膜だけで、明暗しか感じられません。次がオウム貝など貝類では角膜やレンズが出来てきます。
蟹になると遠近が少しわかるようになり、魚ですと丸いレンズが出来てきますので、広角で180度見えるようになってきます。
哺乳類になって始めて角膜や水晶体ができてきて、しっかり見る対象にピントが合うようになってきます。
この目の標本の図が面白かったです。
ヒトは400ナノメーターから800ナノメーターの波長しか感じることができません。
蝶々やミツバチは300ナノから見えますから、人間には見えない紫外線も見えます。
ここで花を昆虫が見たとして、ヒトの見て感じる写真と蝶が見た写真が表示されました。
蝶が見ると300ナノまで見えますから、昆虫のオスメス、花で、どこに蜜があるかどうかが、クッキリと判るように見えています。
この写真も興味深いものでした。
さて、現在後天性失明の原因、第一は緑内障で25%を占め、第二位が糖尿病性網膜症21%です。20年前には第一位が糖尿病性網膜症18,3%、第二位が白内障15,6%でした。
緑内障は眼圧が高くなってきて、視神経が萎縮してくる病気です。
緑内障になると、実際・視野がどう狭まってくるかも図解されました。
緑内障は、一方通行の病気・よくなることの無い病気ですから恐いです。
緑内障の有病率は5,78%、100人で約6人に上ります。
NTG(正常眼圧緑内障)というのもあります。視神経そのものが弱い方です。緑内障は加齢により増加し、70歳台ですと10人に1人の有病率に高まります。
メモグロビンA1Cの値が、7,5以上・10年間続きますと、糖尿病性網膜症になってきます。
網膜にシミ状に出血が始まり、自覚症状が少ないのが危険です。硝子体手術で治療しますが、糖尿病性腎症・糖尿病性神経症とともに恐くてやっかいな病気です。
最近は、加齢性黄斑変性症が増えています。
網膜の下に、新しい血管が出来てきてしまって、それが網膜を圧迫して失明にいたります。
有病率がアメリカで1,6%、オランダで1,7%、日本では0,87%です。
白内障は加齢と共に、水晶体が大きくなりながら、硬くなってしまう病気です。
ここで白内障だったクロド・モネの書いた2枚の睡蓮の絵が示されました。
モネ・63歳の時と、白内障が進んだ76歳の睡蓮です。
白内障になると、強い黄色のフィルターをかけた様に見えるので、76歳の睡蓮が、とても濃い色で描かれていました。
この映像も面白かったです。
ここで、白内障の手術、水晶体の中身を取って掃除して、新しい水晶体にするビデオが放映されました。
これは正視するのが大変な映像でした。
最近、プロ野球の選手が近視矯正手術を行ないます。
現在8万件の手術が年間行なわれますが、ここ10年で年間50万件まで増えるでしょう!!
ドライアイもいやな症状です。ドライアイには涙液減少型と蒸発亢進型があります。
最近は、蒸発亢進型が多くなってきました。ソフトコンタクトレンズを使っていたり、コンピューター画面を長く見ていると、マバタキの回数が極端に減って、ドライアイの原因となります。
最後に、角膜再生医療の実例を見せてくれました。
口腔粘膜(歯科)や羊膜(産婦人科)を使って可能になってきました。自家培養口腔粘膜上皮移植による角膜再生の実例で各科が協力します。自家培養ですから拒絶反応もありません。
失明の方が、0,2くらいの視力をとりもどすのは、まさに感動的なことです。
京都府立大学は1884年に出来て120年の歴史があります。当時から運営費用に困り、京都のお茶屋さんの花代の5%を寄付して頂いて経営できた病院です。
京都の花街に感謝です。」
とても解りやすい、いいお話でした。
会議の後、感謝を込めて・京都先斗町名妓連による踊りがありました。
素囃子「鏡獅子」と、舞「青すだれ」です。写真は青すだれです。
演題は「目の大切さを考える」です。
「目が見えるってどういうことでしょう?光が入ってきてプリズムを通って7色に別れ網膜に到着するのを感じることです。
ここで、色んな動物の目の図が表示されます。
まず、プラナリア(ヒルとかミミズみたい)の目は網膜だけで、明暗しか感じられません。次がオウム貝など貝類では角膜やレンズが出来てきます。
蟹になると遠近が少しわかるようになり、魚ですと丸いレンズが出来てきますので、広角で180度見えるようになってきます。
哺乳類になって始めて角膜や水晶体ができてきて、しっかり見る対象にピントが合うようになってきます。
この目の標本の図が面白かったです。
ヒトは400ナノメーターから800ナノメーターの波長しか感じることができません。
蝶々やミツバチは300ナノから見えますから、人間には見えない紫外線も見えます。
ここで花を昆虫が見たとして、ヒトの見て感じる写真と蝶が見た写真が表示されました。
蝶が見ると300ナノまで見えますから、昆虫のオスメス、花で、どこに蜜があるかどうかが、クッキリと判るように見えています。
この写真も興味深いものでした。
さて、現在後天性失明の原因、第一は緑内障で25%を占め、第二位が糖尿病性網膜症21%です。20年前には第一位が糖尿病性網膜症18,3%、第二位が白内障15,6%でした。
緑内障は眼圧が高くなってきて、視神経が萎縮してくる病気です。
緑内障になると、実際・視野がどう狭まってくるかも図解されました。
緑内障は、一方通行の病気・よくなることの無い病気ですから恐いです。
緑内障の有病率は5,78%、100人で約6人に上ります。
NTG(正常眼圧緑内障)というのもあります。視神経そのものが弱い方です。緑内障は加齢により増加し、70歳台ですと10人に1人の有病率に高まります。
メモグロビンA1Cの値が、7,5以上・10年間続きますと、糖尿病性網膜症になってきます。
網膜にシミ状に出血が始まり、自覚症状が少ないのが危険です。硝子体手術で治療しますが、糖尿病性腎症・糖尿病性神経症とともに恐くてやっかいな病気です。
最近は、加齢性黄斑変性症が増えています。
網膜の下に、新しい血管が出来てきてしまって、それが網膜を圧迫して失明にいたります。
有病率がアメリカで1,6%、オランダで1,7%、日本では0,87%です。
白内障は加齢と共に、水晶体が大きくなりながら、硬くなってしまう病気です。
ここで白内障だったクロド・モネの書いた2枚の睡蓮の絵が示されました。
モネ・63歳の時と、白内障が進んだ76歳の睡蓮です。
白内障になると、強い黄色のフィルターをかけた様に見えるので、76歳の睡蓮が、とても濃い色で描かれていました。
この映像も面白かったです。
ここで、白内障の手術、水晶体の中身を取って掃除して、新しい水晶体にするビデオが放映されました。
これは正視するのが大変な映像でした。
最近、プロ野球の選手が近視矯正手術を行ないます。
現在8万件の手術が年間行なわれますが、ここ10年で年間50万件まで増えるでしょう!!
ドライアイもいやな症状です。ドライアイには涙液減少型と蒸発亢進型があります。
最近は、蒸発亢進型が多くなってきました。ソフトコンタクトレンズを使っていたり、コンピューター画面を長く見ていると、マバタキの回数が極端に減って、ドライアイの原因となります。
最後に、角膜再生医療の実例を見せてくれました。
口腔粘膜(歯科)や羊膜(産婦人科)を使って可能になってきました。自家培養口腔粘膜上皮移植による角膜再生の実例で各科が協力します。自家培養ですから拒絶反応もありません。
失明の方が、0,2くらいの視力をとりもどすのは、まさに感動的なことです。
京都府立大学は1884年に出来て120年の歴史があります。当時から運営費用に困り、京都のお茶屋さんの花代の5%を寄付して頂いて経営できた病院です。
京都の花街に感謝です。」
とても解りやすい、いいお話でした。
会議の後、感謝を込めて・京都先斗町名妓連による踊りがありました。
素囃子「鏡獅子」と、舞「青すだれ」です。写真は青すだれです。