ぼっけえ、きょうてえ (角川ホラー文庫)岩井 志麻子角川書店このアイテムの詳細を見る |
主人公は、名前もない女郎の「妾」(わたし)。
明治時代の岡山・貸し座敷での、お客との対話で始まる、寝物語。
ぼっけえ・とは、とっても。きょうてえ・は、怖い。の、岡山弁。
生まれは、いつも凶作の日照り村。
家は、村一番の貧乏。父は小作人。母はお産での間引き婆。間引いた水子が沢で腐っている。
父は、金が入ればみんな呑んでしまう。さらに娘の「妾」を犯し、それを隠すために母の眼をつぶしてしまう。
父母も同じ腹から生まれた兄妹だったのがいつしか知れ渡り一家は村八分に・・・。
十六歳で女郎に売られます。
よくも、ここまで壊れている!!!!
この壊れを鏡に、なにが見えてくるのか???
病気がなければ健康のありがたみは、わからない。気がつかない。
不幸を知らなければ、幸福がわからない。
生が損なわれないと、生の意味を問うこともない。
人の認識は、とことん相対的。
貧しさを体験して、ほんとうの豊かさを知るのか???
おそろしくドロドロとした文体で語られる、悲劇この下もないという物語りなんですが・・・・・・・。
出口なし!!
希望をどうやって探そうか・・・・・・、って、思いを馳せることはできるなーー。