健康楽園。

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いま知らないと、年金50問50答。

2011-11-30 | 読んでみた。finding.
いま、知らないと絶対損する年金50問50答 (文春新書)
太田 啓之
文藝春秋
ANA国際線の機内サービスは、とても良くなったと感じました。おのおのの客席に液晶端末が設置されており、各種サービスを享受できる。映画など内外の作品50くらいから選べて、「猿の惑星」は見たけれど、そんなに連続して見ることができません。
2冊目の機内持ち込み本がこちらの 太田啓之さんの作品です。
日本の年金制度は大丈夫なんだろうか?しっかりと年金を受け取ることができるんだろうか?
漠然とした不安を持っていた自分自身。
疑問の霧もやもやが晴れました。何故マスコミは、この内容をしっかりと国民に伝えないのかという疑問と怒りが湧いてきます。
中学校か高等学校の、年金口座の教科書にしてもいいのではないかとも思った。
国民一人一人が年金の仕組みをよく使いこなして、得をしていただくために書いたと筆者は言います。
「年金は破綻してしまう。」「年金制度の抜本改革が必要だ。」という幻想を打ち砕き、年金の本当の姿を知ってもらうために書いたとイントロで書いています。
少なからぬ人々が、「根拠の無い破綻論に同調して未払いを続けている。」のが、残念無念だと。
年金は弱い者の見方なのに!!!!収入の少ない人ほど割り増しの年金が受け取れるのに!!!!!
未払いを続けて、年金無し、無収入になって「生活保護」に頼れるほど甘くない。未払いを続けた人は、決して助けない仕組みなのに!!!!
国民年金の納付率が6割しかないから、いずれ破綻してしまうという幻想。
2年さかのぼって徴収しているので、実際は69%、7割が納められているいます。しかし、これは支払う年金も減るので172兆円ある年金財政への影響は、ほとんど無い。

2004年元官僚で有名大学教授が、2009年年金積立金は底をつく、改革しても数百兆円の赤字が残るという本を書きました。
彼は、5年に1度、厚生労働省が出す年金報告書に1回も目を通し読んでいない。
2009年、文庫にもなったが、2009年現在172兆円残高があって、破綻とはほど遠い状態。
何故、何の目的で「不安をあおりつづけるのか????」

たしかに25年間保険料を支払わなくては年金受給の資格を得ることはできません。
なんらかの理由で支払うことが出来なくても、申請書を提出すれば年数にカウントされる制度があること、国民年金が有利なのは年金の支払いの二分の一を国の税金で賄っていることを教えてくれます。
手続きさえすれば 免除期間が認められる。
また、その上、障害基礎年金制度のあることも知らされます。
年金は、定職に就けなかった弱い者の味方であり、社会全体でお年寄りの生活を支えていく社会的優れたインフラであることもわかります。
厚生年金に加入していて、専業主婦だった家族。
1950年生まれだったら1200万円納めて、年金で帰ってくるのが4700万円。1970年生まれの方は、2400万円納めて5900万円になることも数字で示されます。
国民年金でも、
1950年生まれの方で、500万円支払って、受け取るのが1300万円。1970年生まれで1000万円納めて1500万円支払いを受けることができます。1990年生まれで1400万円支払いで2200万円受け取るとも明示されています。
厚生年金は支払うべき保険料の半分は会社が負担してくれていますから、より有利ですね。

かって積立金の一部をリゾート施設やグリーンピアなど天下り施設にして破綻して叩き売りしたことは決して許されることではないですが、その保険財政への影響度の軽微さも言っています。ここだけは、同意できないところであります。私にとっては!!!

消えた5100万件の年金記録。
このことも詳しく言及されています。いまは消滅した、社会保険庁。そのずさんな仕事。「仕事がきつくなることをことごとく反対」「45分ごと15分の休憩」「保険料徴収の督促状は送らない」
社保庁の職員は、国家公務員でありながら、「地方事務官」でもあったという二層構造の変則構造組織を50年以上温存。
予算と人事権だけ国が持った。
「いかに楽して やりたいほうだいのことをするか」が、社保庁の目的になってしまった。
組合運動が強い地域社保庁ほど、年金記録がデタラメ。

かって「公務員と会社員の年金一本化、パート労働者の厚生年金加入を拡大」する法案は、民主党の反対で挫折してしまった。
しかし、いま政権をとった民主党は、手のひらを返したように、これが必要だと言い始めている現実。

なんと、新しい事実に気がつく、すばらしい本でしょうか!!!!

「破綻論も抜本改革論も幻想であった。」と、思い知らされます。
きちんと保険料を支払って来た人たちは守られているし、また、有利であることも明確になる。
魯迅の「絶望の虚妄なること 希望の虚妄となるに同じ」を引いて、
過去の経験をふまえて いまを大切にしながら地道に改善の努力をしよう!!年金が少なくならないようにみんなで精一杯がんばりましょう!
生活保護へのモラルハザードを防止しよう!!!!    と、呼びかけます。
地道に丁寧に考える能力の無い人たちが「抜本的」と、いいはじめる。

老後が心配でないビジネスパーソンなど、いないでしょうが、読んで安心がふくらんでくるという素敵な本です。

今年の3、11をふまえて、はびこっていた市場経済論理を看破します。
自助努力だけで、社会からの助けなんて期待すべきでない。から、人はお互い助け合っていかなければならない。社会全体のことも考えて行動しなくてはならないのではないか、、、、、、、、、と、提言して擱筆しています。
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ルーブル オルセー。

2011-11-26 | looking.
ルーブル オルセー。
パリ最後の日、日曜日が観光となって朝一番でルーブル宮殿へ行きました。
通訳ガイドにもランクがあるらしく、今回は、委託料金も一番高い1級の方にお願いしてくれました。
とても知識豊富なガイドで、こちらが付いて行けない 消化しきれない情報の連発で うーーーーん、でもよかったです。
ミロのヴィーナスは、この角度から見るのが一番美しいとされているらしいです。
トーガを纏っていて、決して女性は肌を見せていない紀元前ギリシャ彫刻から、片肌を出して 上半身をあらわにして行くまでの推移も細かく解説してくれます。
ルーブルの正面入り口から入って、突き当たり見上げるところにある「サモトラケのニケ」。ニケは勝利の女神、「ナイキ」のブランド名はここから生まれたそうです。サモトラケ島から発掘されたのでサモトラケのニケ。ペルシャとの戦争勝利のためロードス島の岬に神殿を建てて勝利を祈願するために飾られていたといいます。
絵画というジャンルが発生した1200年、ビザンチン文明の影響でイタリアで絵画が発達してきたそうです。チマブエ マサッチョ ジオット
ボッティチェルリ。
聖母にまったく感情表現が感じ取れない1200年代から1300年代、ボッティチェルリの絵はフレスコ画で漆喰塗りの壁が乾かないうちに岩絵の具で書いています。壁の一部が剥落していても、やわらかな表情が現れはじめています。
ラファエロの「聖母子」マリアの愛おしい内面も感じられて、マリア視線がイエスと交わっています。
新古典主義の発生。
ダビッドからアングルの「グランオダリスク」へ。そして、ドラクロアのロマン主義まで。
古代からドラクロアまでがルーブルの範囲。
あとはオルセーの、印象派絵画へと引き継がれます。
印象派美術館から、オルセー駅を改造したオルセー美術館へ移転。名作ばかりオンパレードです。
ルーブルは、フラッシュ無しならば自由に写真撮影OKなのに、何故????オルセーは写真一切禁止。

時計台のカフェ、ここは入りたかったけれど、満席 行列で諦めました。
この時計台から臨むモンマルトル サクレクール寺院の眺めは最高でした。

駆け足!!!!
やはり最低でも1日まるまる見るだけで必要です。
お疲れさまでした。
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ガダラの豚。

2011-11-24 | 読んでみた。finding.
ガダラの豚 1 (集英社文庫)
中島 らも
集英社
成田からパリへの往復、行きが12時間 帰りが11時間半 持ちこんだ本のうちの1冊です。
冒頭 マタイ伝による福音書第8章が引用されている。          不思議な物語。
「イエスが向こう岸ガダラの地に着くと 悪霊につかれた二人の者が、墓場から出て来てイエスに出会った。彼らは手におえない乱暴者。彼らは 神の子よ あなたはわたしどもとなんのかかわりがあるのですか?まだそのときではないのに、何故わたしどもを苦しめるのですか?  そこから離れたところにおびただしい豚の群れが飼ってあった。イエスが行けと言われると彼らは豚の中へ入り込んだ。するとその群れ全体が崖から海へなだれを打って駆け下り 水の中で死んでしまった」
何故 マタイ伝なのか????   なんの関係が、この小説、題名とあるのか???
それが解き明かされて行く活劇です。
アフリカ呪術研究者夫妻は、アフリカ旅行のときケニア郊外で娘をバルーンに乗せて それが事故で墜落、娘を失います。
妻は自責の念から、何故 あそこでバルーンに乗せてしまったのか!!!!と、奈落へ落ち込んで行きます。
「誰も変えられない碎けないあなたの精神生活は悲しみがベースになっている。視線はいつでも過去の一点に注がれている」妻は、新興宗教にのめり込んでいきます。
このあたりイニシエーション、宙に浮く教祖の実態が明かされて 恐ろしいオーム真理教の布教術の深淵をかいま見ることができます。
あーーーー こうしてズブリズブリと信仰心が膨れていくのかと!
やくざと結びついていたこの教祖との戦いもスリリング、教祖は逮捕されます。
スプーン曲げの青年(超能力者)、奇術師(リアリスト)も加わり再度アフリカへ呪いの取材にテレビ局と乗り込み、村全体が呪術者で形成されているところに侵入していきます。
何と 娘は 思わぬかたちで生きていた!!村を支配している「呪詛」を請け負う呪術者に囲われて。
その村の最高力を持った呪術者と、村に布教に入った牧師との対話がすごい!!!
ドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」の一章、ゾシマ長老と三男アリョーシャの宗教問答を思い出します。1ページめくるのがトキメキで恐ろしいのです。

神父は「すべての不幸はこの町の無知と糞まみれの不潔生活から来た」といいますが、呪術者は「ならばガダラの豚の挿話は嘘か!!!」と問いただします。「もののたとえで実際は悪霊も豚の群れもいなかったのか!!!」、と。

ここで、プロローグの言葉が出てくるんです。

神父は「神の光があってこそ そこに悪霊悪魔が陰として映りもする」と対抗しますが、、、、。     切り返されて、、、、、、、
「死んでいる悪霊を認めるのに 呪術は認めないのかね!!」
「アフリカでは、イエスが生まれる何千年も前から 神はなく呪術だけがあった。呪いは水面のようなものだ。キラキラ輝いていて手を下ろせばあたる。しかし上の空気と下の水があるだけで水面というのは無いではないか。それはただの境であって無いけれど在るものだ。水面がら顔を出せば生きられる 水面下にずっといれば人は死ぬ しかし水が無いところでは人は生きられない。呪術は水面の鏡のようなものだ。」

格子戸の中にシマウマを置く話しも興味深い。  呪術者はシマウマの全体を見ていると言う。君たちは黒か白と言うだろう!!

最終章コーダに向けての、、、、学者夫婦が娘を取り戻す活劇、これが エグイ!!
娘を治療するエロス女医も狂うし、、、、味方と思っていた仲間も覚醒剤の汚染され、スプーン曲げ超能力者も変死。

麻薬 覚せい剤 呪い 催眠術 サイコロジスト 幻覚が 飛び交う 3巻へ、、、、、。ちょっとハリウッド的になり過ぎて、2巻までの 目に見えない超能力現象 呪詛 呪いとは といったことに想いを馳せる興奮が冷めてしまう感じもしました。
むしろ第三巻は、付け足しのような印象がします。


うーーーーーん、でも強く思った!!!
素早く動けるうちにアフリカ ケニア タンザニア ヴィクトリア湖に行ってみたい!!!
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オペラ座界隈。

2011-11-23 | looking.
オペラ座界隈。
今回の研修旅行は、まず日本医師会総合政策研究機構フランス在住研究員奥田さんによる「フランスにおける薬剤供給と医療環境」から始まりました。日本の医療制度は基本的にフリーアクセスで、薬剤も一律の償還になっています。フランスは原則ホームドクター制度をとっており、薬剤償還率も抗がん剤 抗エイズ薬など生命を左右する薬については100% 抗生物質降圧剤などは65% 咳止め鉄剤などは35% 薬草など生活改善剤などは0%の償還となっています。
合理的といえば合理的で、厚労省も研修にひっきりなしということで、日本も一律償還でなくなることも将来予測されます。
奥田さんも10年フランスに住んで、フランスの医療制度の実態を日本医師会へレポートしているとのことでした。
調剤薬局2件を見学、、、、、、パリ中心街にあるプランタンデパートへ向いました。
高島屋と提携していましたが昨年8月に提携を解消。独自の店造りをしています。15億ユーロかけて大幅リニュアル中です。
セミナー会場が開店前モード館最上階の食堂です。
ステンドグラスの丸天井に風船、びっくり とてもおしゃれな空間です。ここで食事したくなります。
パリプランタンの目指すお店造りとは、ゆったりとした空間とあふれる光を提供。ホテルコンシェルジュのサービスするレストリレーションマネージャーを置き パーソナルショッパーサービスといって日本語など各言語ごとにファッションに通暁している方を採用しチョイスコーディネート実践。
フロアーには「パラファーマシー」といって薬剤師を置かない、ヘルス&ビューティー専門店を設置。その横には昨日開店したというパーソナルシャンパンサービスのお店があります。チョコレート専門店も隣り、エルメスのお店も隣りです。
パリらしく最高のモード含めて 特別の雰囲気造りをしています。
ゆったりと お買い物ができます。
メンズ館など3つの建物で構成されていますが、本館9階屋上からの眺めは最高です。オペラ座がすぐ近くに見えて、遠くエッフェル塔も臨めます。
軽食をとることもできます。
内装に4000万ユーロ、外装に3000万ユーロかけたというウインドウも素敵です。バンコックのウインドウには虎がいます。
今年は、シャネルとの共同提案実施中。シャネルのディスプレイが動く人形による4つ、など見物人で満員です。
お隣の「ギャラリーラファイエット」のクリスマスディスプレーは夕方から輝いて見事でした。
オペラ座横のカフェで一休み。
歩いて喉が乾いたので、まずビール。
選べるビール、一番右のベルギービールを選びました。ホップの味が強くない美味しいビール。
黄昏のオペラ座と、街の雑踏を眺めながらのビールは最高でした。
1800年初頭に開業したというチョコレートの老舗「フーシェ」もオペラ座通りにあります。
楽しい店内。
パリを満喫しています。
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パリへ。

2011-11-16 | Weblog
行ってきます。
「これからのドラッグストアーを考える会」主催のツアーです。
パラファルマしー、パッシーファルマしー、 セフォラ、カジノ、ラファイエッット、プランタン、カルフールなどを回ってきます。
どんなツアーになるか楽しみです。
21日帰国です。
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有楽 shuhally 初体験。

2011-11-13 | 旨い!tasting.
新しいチャンネル
お抹茶大好きで、気に入ったお茶椀と茶筅だけで、サクサクたてて飲んでいるお抹茶。
今回、写真家 浅井慎平さんの息子さんにブログから、こちら「SHUHALLY」の存在を知りました。
まさに「守、破、離」の心根を生かしたお茶室が出来ました。横浜関内駅 徒歩3分もマンション5階の2部屋を現代のお茶室にしつらえました。
織田信長の舎弟 織田有楽齋の気骨あふれる茶道の心を具現化して おおいに楽しもうという趣向です。
入り口から竹がたくさん使われています。有楽齋が竹を好んで 「如庵」にも、待合の天井の照明から竹を通して放射状に光が分散する光源を使っています。
卦け軸は「林間暖酒」 林の中で 酒を暖めて 客を待つ。 風情です。
お庭もマンションの5階とは信じるのが難しい異空間となっていて素晴らしいです。杉苔も雨が降って元気になり夜なのに緑が鮮やかです。
亭主に案内され、待合からお庭へ、そして、異次元の小間、お茶室へ入ります。
ステンレス、ガラスが壁面に使われている現代のお茶室。庭がガラスに映って綺麗!!!
菓子は、鶴屋吉信の「錦繍」。まさに秋 「落ち葉さえ 紅葉の山の、、、、、、、、、」。熊本で造られた畳の下、縁にはLED照明が仕込んであり、柔らかに発光していて 気持ちがやわらぎ 不思議な気分です。
掛け軸は「開門00多し」、落葉が絵になっています。「門を開けば 落ち葉が一杯敷きつめられていた。」
指導により、はじめてお茶をたてることができました。
緊張するなーーーー。
お料理も美味しくいただきました。

SHUHALLY 茶道教室。千利休が茶道の心得として説いたといわれる「守 破 離」に通じる楽しいお抹茶の飲み方を体験しました。
今夜も一杯飲みましょう!11

 
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池之端といえば「薮」でしょう。

2011-11-10 | 旨い!tasting.
池之端といえば「薮」でしょう。
池之端に住んで、一ヶ月。やはり「薮」にいかなければ。
湯島の飲み屋街、風俗店で賑わう中、不思議な静かな空間です。
座敷の壁には、園歌、園生、文楽、馬生などの、落語家の書画が、池之端らしいねーーーー。
板わさ、にくみ出し湯葉。
こちらなら、やはり「天ぬき」でしょう。
天麩羅そばの、そばを抜いたの、なんだか、逆のネーミングだけれど、、、、、、。汁が、あっさり柚味もあり、サクサクの海老のかき揚げが入っていて、かまぼこも入っている。
酒の肴に最高!!!
そばも、しゃきっと旨い!!!
そばつゆが、少し辛めで濃い。
味わい深いなーーーーー。
江戸情緒を満喫しました。
自宅から歩いて5分です。
03-3831-8977
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切羽へ。

2011-11-07 | 読んでみた。finding.
切羽へ (新潮文庫)
井上 荒野
新潮社
先日読んだ石田衣良さんの「夜の桃」と、対称的な印象を与えてくれる小説。なんたって起こるべくして起こることを細かに流麗な文章で書きつづる石田さんは素晴らしくわかり易い。
一方、井上荒野さんは、書く言葉の奥にある感覚を読み取らせよう、文章の真の外側を感じさせようとしているみたいです。
ですから、想像力が喚起されてくる。
そして、時間へのいとおしみ、時間の経過、常ならず、過ぎていく時間を とても惜しんでいる。
「過ぎていくときが目に見えないのは幸いだ でも だからといってときが過ぎないわけではない」208ページ。
「人間なら生まれたての赤ん坊だって しずかさんと同じ線上にいるのだ。みんな少しずつ流れていく どこかへ向って」136ページ。
この夫を無くした90歳のおばあちゃん。主人公セイがお見舞いに行くと。離島の養護教員のセイに向って「先生 亭主は留守ね。」「どうしてわかると?」「どうしてってそりゃー。」    「ちゃーんとわかるたい、だかれとらんのが。」33ページ。

画家の夫とともに離島に養護教員として赴任したセイ。月江という粗放に生きる女教師。そこに新任の石田という男の匂いぷんぷんさせた教師が赴任してくる。
そこで、月江さんの彼氏、本土さんとの修羅場も起こるのだが、、、、、。

セイには何も起こらない。ただ想いの揺れが表現されているだけ。
しかし、「空気は湿っていて暖かい。潮の香もずいぶん春めいて来たと思う。春の海はなまめかしい匂いがする」33ページ。

月江が石田と「寝たわ」と、本土さんに言ったことからの急展開。

しずかさんが亡くなって、遺品整理のときに、セイは石田と逢う。
トンネルを掘っていって、その掘っている先端、炭坑の坑道の先端もたしか「切羽」と言ったっけ。
トンネルが通じちゃうと切羽は、無くなってしまう。
行き止まりだけど、進むしかない。

石田は島を離れるのだが、セイに何も起こらない。
セイの想いの淫美さが際立つ。

石田さん、井上さん、どちらも素晴らしい。
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アンダーヘアー、、、、とは?

2011-11-04 | looking.
アンダーヘアー、、、、とは?
オクトーバーサイトとノヴェンバーサイトに別れて開催された「エマージング/ディレクターズアートフェア」最終日の昨日行ってきました。
表参道スパイラルガーデンです。
画廊という法人ではなく、40歳以下という制限のもとで62人のディレクターが集結して、31人づつに別れて提案。
今年で4回目らしい。

アンダーヘアー パンティー??
っていう表題。アンダーヘアーっていうことは、履いていないっていうこと?????
っていうと、これは何???なんだろう???
編んであるわけでもないだろうに!!!紐らしきものもあるし、、、。
まだ、美大4年生在学中の 宮田真有さんの作品です。作家さんもいて「細密に描くのが好き』とか!!!!
100号の大作除いて、全部 売れていた。
これで、油絵。  ディレクターは名古屋の伊藤愛さんでした。

若木くるみさん。
一昨年、岡本太郎大賞受賞。相変わらすユーモラスです。
「ぼくらの顔をお食べよ」の絵が4点。
キャビア丼の、キャビアつぶつぶが、よく見ると子供の顔になってる。
イメージが、アウシュビッツ。
黄色の、カズノコ丼。
イメージはヒンズー教。
あと、すじこ丼は「タイの僧侶」たらこ丼は「ニキビの白人」と、なってました。
不思議に笑っちゃって、温かみもあります。

未来に挑戦する若手の息吹を感じました。
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桂離宮か、ジブリの森か!!!

2011-11-03 | looking.
桂離宮か、ジブリの森か!!!
秋晴れの日曜日、谷川晃一さんから回顧展の招待状をいただいたので、三鷹まで出掛けました。
「裸婦の中の裸婦」の著者である澁澤龍彦さんも絶賛していて、彼もコレクションしていた谷川さんの作品。画廊「遡源」さんのご縁で、100号の大作が我が家にあります。
最近は、伊豆のアトリエに籠り、明るいシンプルな作品を生み出しています。
回顧展は、初期の作品から現在までが、細かく網羅され 映像も展示されていて充実の展覧会でした。

ここまで来たら 三鷹ジブリの森は、いかないことはない!!!
駅から15分の散歩道を歩いて、ジブリの森へ、、、、、、。
なんと受付の建物の中には、等身大のトトロがいるんではないですか!!!!
そして、切符売り場下の壁には  マックロクロスケも、いる。
うーーーー、ところがチケット売り場閉鎖されてる。
何故????どうして????
聴いたら、なんといきなり来ていただいても入場できない、、、、、、、、とほほ!!!!
毎月10日までに、次の月の予約、ネットでとってからご来場くださいとのこと。
あーーーーー、知らなかった。
普通の美術館と違うんだね!!!
すばらしい人気。今回は、「猫バス」特集していた。見たかったなーーーー。

こりゃーーーーー、桂離宮さんの予約観覧と、競い合う人気の高さですね。

このまま帰るのもシャクですから、散歩道途中にあった「路傍の石」の作家、山本有三さんの記念館に入りました。
「女の一生」の、ポスターから書斎まで、、、終戦時には、アメリカ軍が使用したという洋館も見事でした。

次回は、しっかりと予約して、ジブリの森、再挑戦sます。
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