少年計数機―池袋ウエストゲートパーク〈2〉文芸春秋このアイテムの詳細を見る |
池袋西一番街で母親の果物屋を手伝いながらストリートファッション誌の連載コラムを執筆している主人公マコトが魅力的。マコト軍団を支えるキャラクターも多彩で魅力的だ。
少年探偵団と事件記者と、おかっ引を混ぜ合わせて現代の裏社会のひずみを正していく痛快・勧善懲悪ストーリ。
ネットでの個室のぞき部屋の売れっ子ナンバーワン・アスミに付き纏う危険なストーカーを懲らしめる第一話「妖精の庭」から快調。
路上15件連続ひったくり犯人を、行けてる70歳の老人2人と追い詰める「銀十字」は、元気が出る物語。池袋のGボーイズチームを束ねるリーダー・タカシの描写は硬質・「やつが着ているのは黒の革パンだけじゃない。肉体でさえいつでも脱ぎ捨てられる衣装のように見えた。この世にふたつとない魂が気まぐれに借り着をしているだけ。」銀十字P162.
少女監禁暴行殺人犯人との対決「水の中の目」も緊張感溢れる。
マトトのボディーガードやくざのミヤガワ・「プロの荒事師がなにをするか、おれにもよくわかった。おれはミヤガワの動きひとつから一瞬のうちに力を使い尽くすという鋼の意志を感じた。」水の中の目P244.
そして、宇田田ヒカルの「オートマチック」やマタイ受難曲のアリア「わが心よ、おれを清めよ!」なんかが出てきちゃってサービス満点。
誘拐されたやくざの娘を追ったり、池袋の少年チーム抗争を治める第一作に並ぶワクワクの第二作でございます。