2016年12月24日(土) ちょうど40年前のクリスマスイブは雪のちらつく凍てついた日だった。 万代橋を行き交う人たちの多くが、クリスマスケーキの箱をもって家路を急いでいた。 高度成長期の始まりで街は活気に満ちていた。 そんな中、私たちは万代橋西詰の改修工事の下請けで、緑地帯の造成を行っていた。 工期が迫る中、クリスマスイブの夜も投光器をつけて削岩機でコンクリート舗装を剥がし、自然石の縁石を設置する工事をやっていた。 寒くて鼻水をたらしながらかじかむ手で黙々と石を並べていた。 すぐ横を通り過ぎていくケーキの箱を持った人たちを横目で見ながら・・・。 今日は買い物の付き合いで本町まで来た時、ふと40年前の万代橋のその時の情景を思い出した。 雨もやんだので、その場所を歩いてみることにした。 昔は夜でも万代橋を行き交う人は多かった。 しかし、中心市街地の古町が寂れていく中、万代橋を渡る歩行者はめっきり少なくなった。 今日も歩いている人は稀である。 40年前に改修した西詰の緑地も、その後歩道拡張のため大半が撤去され、ほんの一部が残るのみとなってしっまた。 歩道は広げられたが、皮肉にも行き交う人はだんだん少なくなってきた。 今となってrは緑地のままの方が余程よかったと思う。 歩道拡張の前は、ここを通るたびに見る自然石の石組みは、私にとっての貴重なメモリアルだった。 しかし今は狭められた緑地と、味気ないコンクリート縁石に変わってしまった。 お役所仕事の一貫性のなさを物語るクリスマスイブの思い出である。
〈行き交う人もまばらな万代橋〉
〈歩く人が少なくなるのに緑地を壊して歩道を広げた万代橋西詰〉