たむたむの独り言

写真を中心にした情報です。

フンコロガシ

2010-07-10 16:47:49 | Weblog
2010年7月2日(金)【2】、ハマリーンヒッドからの帰りに再び砂漠の植物と土壌、昆虫などの生きものの調査をするため、砂漠の中をうろつく。今日はフンコロガシが2匹で協力しながら丸めた家畜の糞を一生懸命転がしている現場を見た。映像では見たことはあるが、この目で見たのは初めてだった。よく見ると無数にフンコロガシの巣穴がある。これだけのフンコロガシがいるから、家畜の糞はきれいに処理されているわけだ。
 お昼になったが、我々は日本から持参した非常食がたくさん余っていたので、砂漠の中でそれを片付けることにした。温度計は47度、湿度18%を指している。日陰は全くない。すぐにのどが渇く。ホテルの冷蔵庫で冷やした2㍑のペットボトルのジュースを、タオルで何重にもグルグル巻きにして持ってきたのが、まだ少し冷たさが残っていて非常においしかった。

〈必死に協力して上り斜面の糞を転がすフンコロガシの夫婦?〉

〈炎天下の砂漠で昼飯を食べる。〉

〈気温47度、湿度18%は暑いが傘をさして日を避けると意外に涼しく感ずる。〉
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余計なことするお節介な日本人!

2010-07-10 15:05:57 | Weblog
2010年7月2日(金)【1】、今日はサインシャンドでの最終日。今夜の夜行列車でウランバートルに戻る。昨日の3回目の協議で、これからの実施方針に関する合意が得られた。予備日にとってあったが特にやり残した調査も無かったので、昨日のハマリーンヒッドの桜を確かめに出かけることにした。
 まず、寄り道しないでハマリーンヒッドに行き、現場を確認してからの帰りに、ついでに何カ所か調査をしながら夕方までに戻ろうということになった。前回は地元のガンバータラさんが道案内をしてくれたので問題なかったが、ドライバーはウランバートルから来ている旅行社の社員である。迷わないで行けるか心配したが、一回行けば覚えているから大丈夫だと言う。道がちゃんとあるわけでなく、まして案内板もない、複数の轍がいくつかついているだけである。
 しかし、さすがプロのドライバー、1回間違いかけただけでハマリーンヒッドに到着した。早速現地に行って全員で桜の捜索を行った。やがてとんでもないことがわかった。
 この春植えたばかりの桜のような苗木が10本ほどひからびて枯れていた。どうやら、お節介な日本人が、伝説の桜がないことを知って、苗木を持ってきて植えたのだろう。それも桜かどうかも怪しい。完全に枯れているのではっきりはしないが・・・。それにしても浅はかなことをしてくれる。やった本人は善意のつもりに違いない。国内でも似たような話は聞くが、こんなに遠い外国まで来て、わざわざひんしゅくを買う「小さな親切大きなお世話」をしていく日本人って・・・??? 
 結局、校長先生が言っていた桜とはこのことだったのか?本来の桜の真相は闇の中だが、少なくとも水の管理なしで、この砂漠に桜は育つはずはない。わざわざ苗木を植えに来た日本人はご苦労さんだったけど、我々には狂気の沙汰としか思えない。植物の遺伝子撹乱以前のバカげた行為である。我々も結局そのことで振り回されてしまった。
 昨日見た博物館前のエゾヤマザクラとは違うようなので、偶然時期は同じだったが、やった人は別人だろう。博物館前の場合はまだ許せるが、それにしても日本と同じ植え方で育つはずがない。いずれも素人のやり方である。

〈修行僧が使った洞穴のある岩山の谷沿いに10本ほど桜?の枯れた苗木が立っていた。〉

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ハマリーンヒッドに桜はある・・・!? の情報をつかむ!

2010-07-10 14:01:20 | Weblog
2010年7月1日(木)【2】、午前中は市街地内に3ヶ所ある学校の緑化状況を見て回った。学校は11年制で、日本でいう小学校から高校までだが1年少ない。来年から合計で日本と同じ12年制になるらしい。
 当初は殺伐とした緑のない風景を想像していたが、さすがに学校だけは周りと比べて圧倒的に緑が多い。しかもそのうちの1校では、校内の緑化活動や環境学習の実践報告をパワーポイントにきちんと整理して生物学科の先生が紹介してくれた。ここでも先日とは違うTV局が取材に来ていてインタビューを受ける。
 その学校の校長先生も夏休み中にもかかわらず出てきて緑化活動の説明をしてくれた。ドルノゴビ県の学校は6~8月までの3ヶ月間が夏休みで、遊牧民はその間が最も忙しいため、ほとんどの子どもたちは家の手伝いをして働くのだそうだ。
 なんかの拍子に、先日訪れたハマリーンヒッドに植えられた日本の桜の話になった。百数十年前に日本の僧が桜の種を持ってきてハマリーンヒッドに播いたものが今も生き残っているということだが、一昨日我々が行って寺院の案内人が説明してくれた桜は、同じバラ科ではあるが全く別の植物であったことを話した。しかし、その校長先生が言うには、桜はその植物に混じって別にあるというのだ。しかも同じものが博物館の前庭に植えてあるというのだ。
 夕方、その桜を確認しに博物館の前に行ってみると、この春植えたばかりの1mほどのエゾヤマザクラらしい桜が100本くらい植えられている。しかし、ほとんどが枯れて1~2本がかろうじて少し葉を付けていた。今年の5月に日本人が来て植えて行ったという。
 さて困ったことになった。一旦は自分なりに出した結論で納得していたのだが、我々が気付かなかった場所に、ほんとうに桜があるかも知れないという話になってきたのだ。
 もう一度確認するには、また砂漠の中を40㎞近くも走らなければならない。しかし、ここまできて確認できないままでは後味が悪い。夕食のときに全員で検討した結果、もう一度確認しに行くことになった。チャーターしている旅行社のガイドもOKしてくれたので、明日は再度ハマリーンヒッドに向かうことにした。

〈パワーポイントに学校の緑化活動の取り組みがきちんとまとめられている。〉

〈学校はどこも緑化に力を入れているようで緑は結構多い。〉


〈市の配水場のグリーンベルトがこの町で最も緑のボリュームが多かった。樹種はノニレで5m前後に成長している。〉


〈公園予定地となっている広場の土壌調査〉


〈高台の見晴台からサインシャンドの町を見下ろす。〉


〈たった1本だけ、まともに葉が付いていた博物館前のエゾヤマザクラとおぼしき苗木。これと同じ種類がハマリーンヒッドにあるという。明日確かめに行くことにした。〉
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未明の東ゴビ砂漠

2010-07-10 12:08:28 | Weblog
2010年7月1日(木)【1】、現地案内人からモンゴルの草原の星空を見に行かないかと誘われ、午前3時に行きたい人はロビーに集合することになった。夜中の2時半に起床し、身支度をしてカメラを持ってロビーに行く。欠席者は2名だけで、通訳を含めて5名が参加した。
 しかし、残念ながら今日は月が明るすぎて満天の星空という訳には行かなかった。それでも、何もない暗闇の中での大草原の夜空は、まるで自分が宇宙空間にいるような圧倒的な空の広さに包まれる感じがした。帰りには車のヘッドライトに驚いて草原を飛び跳ねるノウサギの姿も見ることができた。ホテルに戻った頃には東の空が明るくなってきたので、そのままホテルの階段の踊り場から夜明けの空を撮ることにした。

〈大草原の夜明け前、地平線の東の空が少し明るくなってきた。その上に星(明けの明星?)が一つ輝いている。〉

〈ヘッドライトに集まる虫を必死に探すスタッフ〉

〈ホテルに戻って日の出を待つ。結局この夜は2時間ほど眠っただけだった。〉
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砂漠の蜃気楼

2010-07-10 07:03:39 | Weblog
2010年6月30日(水)、昨日の雨で空気中のチリやほこりが浄化されたらしく、今日はモンゴリアンブルーの空が特に青く、遠くまで見通しがきく。午前中はサインシャンド中心部から45㎞北東にある地下水が自噴しているという現場に案内してもらった。
しばらく走ると車窓はやがて一本の線のみとなる。360度どこを見ても地平線までほとんど景色は変わらない。強い光にゲルがところどころに白く光って見える程度である。しかし、地表の植生は同じではなく、昨日と同様場所によって異なってるのがわかる。土壌PHの違いか地下水の高さによるものではないかと思われる。
 現場に到着すると、そこには白いパイプから勢いよく水が噴出している。汲み上げるポンプも見あたらない。やはり自噴しているのである。昔旧ソ連軍が駐留していたときにボーリング調査をしていて水が噴き出し、その後も20年以上自噴し続けているという。しかし最初に不思議に思ったのは、この水場を中心にして半径100mほどが全く草も生えていない裸地になっている。普通なら水辺はオアシスとなって草木が繁茂してもいいはずである。水に毒性の成分が含まれているわけでもない。牛たちが水を飲みに来ている。原因はこの放牧の家畜たちであった。この付近の遊牧民は家畜に水を飲ませるために毎日あちこちから何十頭、何百頭の牛や羊を連れて集まってくる。その家畜たちが踏み荒らすため、水場周辺には草木はなくなってしまうという訳だ。
 この水は止まることなく自噴し続けているため、川の流れのような水面が広がっている。その水は土壌浸透や蒸発によって途中で消失しているはずである。しかし不思議なことに、はるか遠くに広大な湖が見える。パイプから自噴する程度の水で、そんな広大な湖ができるわけがない。案内してくれた市議会議長のガンバータラさんは、「あれは蜃気楼ですよ。」という。確かに砂漠の真ん中で水気のない場所で見れば蜃気楼だと納得できたかも知れない。しかし、手前に実在する水面があり、その奥に広がって見える湖の水面は、見え方が全く同じである。あれが虚像だとは信じられない。何も知らなければ、きっとそこに水があると思ってしまうだろう。
 我々が水場にいた少しの間にも、家畜たちが次々と水をのみにやってくる。遠くに上がっていた砂煙がだんだん近づいてくると、それは水を飲みにやってくる羊の群れだった。
 お昼にサインシャンドに戻って、ざっと現地調査を終えた段階で、一昨日と同じメンバーで再度意見交換を行った。そのとき私の雨男の話になり、市長から、よくぞ雨を降らせてくれたと感謝された。 今回の調査では、思ったより生育している植物が多く、土壌条件もそれほど悪くはないため、水のコントロールさえできれば樹木の生育は十分可能と考えられることを報告。草本類も花のきれいな種類を中心に、グランドカバーとして利用できるものもいくつかありそうだった。また、トンボやチョウが飛んでいるのも確認でき、昨年の秋来たときよりも砂漠の生命感を感じた。

〈水場に集まる放牧の牛たち〉

〈手前の水面が実物で、その奥の水面は蜃気楼!〉

〈水を飲ませるために遊牧民が羊を連れて水場にやってくる。〉

〈帰りに土壌の表面が塩の結晶で白くなっている場所で土壌のPHを測定、10.2を示した。〉

〈家畜の糞から出ているキノコを発見!食べる勇気のあるやつはさすがにいなかった。〉

〈モンゴリアンブル-の青空は高くて広い。〉
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