2007年10月3日、最上町にある里山のナラ林である。薪炭林として伐採されることが無くなって40年近くがすぎた。林を構成する樹種はミズナラ、コナラ、ヤマザクラやカエデの仲間が多い。
最近問題になっているナラ枯れが、ついに最上町にも侵入し、ナラが枯れる被害が出始めているらしい。川下りで有名な最上川の両岸の山腹のナラが多く枯れて、景観上の問題になっていると地元新聞も大きく報じている。
ナラ枯れはカシノナガキクイムシという昆虫が原因とされている。まもなくこの地域の里山にも被害が及ぶかも知れない。
2007年10月3日、山形県最上町での間伐材収集作業。列状に間伐されたスギをスイングヤーダという林業機械で収集しているところである。これは引き上げ集材といって、斜面の上から伐採木を引き上げる方法である。傾斜が25度以下の山腹斜面では、引き上げ集材の場合はこの機械を使うより、従来のフックを人力で持ち運ぶ手動式ウインチを使う方が作業が早いことがわかった。但し急斜面や引き下ろし集材ではこの方法の方が早い。
作業時間の計測によって、条件による林業機械の使い分けが効率を左右することがわかった。
2007年10月1日、40年ぶりに佐渡市大倉にある新潟大学農学部演習林(現在は新潟大学付属佐渡フィールド科学教育研究センターという)の現場を案内してもらった。
40年前の学生の頃、実習で合宿していた頃は道が無くて誰も近寄れなかったため、全容がわからなかったのであろう。標高800~900mあたりの尾根近くの山腹には500年以上と思われる巨大な天然スギが沢山分布している。
大学でゲートを設けて管理しているおかげで守られてきた貴重な群落である。天野さんという冒険写真家が写真集の中で発表したために、急に脚光を浴びはじめ、問い合わせが急増しているということであった。
大学の担当者は、ちゃんとしたインタープリターを養成した上で、そのガイド付きでなければ入山させないようにしたいと話している。
2007年9月30日、新潟県燕市(旧分水町)の国上山(くがみやま)にある国上寺(こくじょうじ)の裏手に、県の文化財(天然記念物)に指定されたブナ林がある。
これは、標高180mという低山に群落として分布する珍しい二次林である。同じ国上山には、シロダモやヤブツバキ、ヒサカキなどの暖温帯性の樹種も生育しており、ちょうど冷温帯と暖温帯の中間的な位置にあることを物語っている貴重な群落である。