さんぽで出会う花鳥風月

ひでじいの四季の写真

タチツボスミレとオトメスミレ?

2022-04-24 00:07:18 | 草花

*2022年4月23日撮影

 会津の鶴ヶ城公園、ソメイヨシノはもう散ってしまいました。
 これからは八重桜たちが楽しませてくれます。

 地面の上ではさまざまな春の草花たちが次々に花を咲かせています。
 そんななかから、今日はタチツボスミレです。
 タチツボスミレは、たぶんスミレ類のなかで最もよく見かけるスミレなのだと思います。





*2022年4月20日撮影

 よくあるスミレなだけに、花の色にも濃いものと薄いものという個性が現れます。
 花の後ろにある筒状の部分を「距(きょ)」と言いますが、距の色の濃淡も花によって違います。
 
 この写真のタチツボスミレは、上の最初の写真の花と比べて、花の色は似た感じですが距の色が薄いようです。





*2022年4月21日撮影

 この写真のタチツボスミレは、花の色も距の色も、どちらも薄めです。





*2022年4月23日撮影

 この写真の花は、いっそう花も距も色が薄いと思います。
 鶴ヶ城公園に咲くスミレ類は、なぜか色が薄めの花が多いようです。

 花も距も真っ白なタチツボスミレは、シロバナタチツボスミレと名付けられています。
 この写真の花はまだ少し青いので、シロバナとは言えないですね。





*2022年4月21日撮影

 さて、この写真のタチツボスミレは、花がかなり白っぽいです。
 真っ白とは言えませんが、白いと言っても許される感じです。
 花が白くて距が紫色のタチツボスミレを、オトメスミレと呼ぶのですが、これはひょっとしてオトメスミレか?





*2022年4月14日撮影

 これも、オトメスミレかも、と思いながら撮影した写真です。
 花の色はさらに薄く白に近いですが、距もだいぶ薄い色をしています。





*2022年4月23日撮影

 最後にこの写真のタチツボスミレはどうでしょうか。
 花の色は薄ピンク、距の色も薄めです。
 これだってオトメスミレと言えないこともないのでは、などと考えてしまいます。
 もっと花の色が白くて距の色が濃ければ、オトメスミレでしょうが、これはなかなか微妙です。

 オトメスミレとの出会いを期待してタチツボスミレをたくさん撮影しました、という報告でした。

 

センニンソウ

2021-12-23 21:34:34 | 草花

*2021年12月23日撮影

 先週の土曜日から日曜日にかけて本格的な雪が降り、平地でもほんの少し積もりました。
 雪が止んだあとはすぐに消えてしまいましたが、冬本番です。
 ここ3日ほどは曇り空ながら穏やかな天気ですが、今週末から大寒波が襲来するとの予報です。
 どうなることやら。

 さて、写真はセンニンソウの白髭姿です。
 夏に花が咲き、秋というより冬に近い頃に、星形についた実の先に白い毛が伸び始めます。
 元は雌花の花柱だった部分が長く伸び、たくさんの白い毛を生やすのです。





*2021年12月22日撮影

 この白い毛を、私は仙人の白髭と信じて疑わなかったのですが、白髪(頭髪)だという説もあるのだそうです。
 星形の実の部分が頭頂部で、そのまわりに白髪が垂れ下がっているというわけです。
 仙人は頭頂部がはげているらしいです。

 いずれにせよ、白い毛が仙人を連想させて、センニンソウと呼ばれます。





*2021年11月21日撮影

 先月の写真です。
 白い毛がたくさん。ふわふわの様子です。
 冬になるにつれ実が落ちていくので、だんだん寂しくなっていきます。

 今年はたぶんこれが最後だと思います。
 コロナ禍は2年目ですが、事態は終熄しませんでした。
 来年もコロナと向き合う日々がつづきますが、それにめげずに日々を楽しみましょう。
 皆様、良いお年を。
 

秋雨のなごり

2021-11-11 22:21:52 | 草花

*2021年11月11日撮影

 昨日は雨でした。
 今日は雨が上がりましたが、晴れ間が出るまでには少し時間がかかりました。

 昨日の雨の名残が、草花の葉にしずくとなって残っています。
 そんな情景をいくつかご覧ください。

 はじめはスギナです。
 スギナは春を知らせる植物として認識されていますが、秋にも盛んに芽を出し伸びています。
 スギナは細い葉の先端に雨のしずくを留めるのですね。





*2021年11月11日撮影

 もう1枚、スギナです。
 こうして見ると、スギナが主役か、水滴が主役か分からなくなります。
 スギナと水滴が一体となって、ふしぎな光景が野原を彩っています。





*2021年11月10日撮影

 これは昨日、雨がもう止んだと思って出かけた時に撮影しました。
 ところがすぐに雨が降りだしたので、あわてて帰ってくるはめになりました。

 ヒヨドリジョウゴの実に、雨のしずくがついています。
 赤い実は熟したもの、青いものはこれから熟すもの。
 同じところにいろいろな実がついて、きれいな眺めです。
 ときには実といっしょに花も咲いていたりして、ヒヨドリジョウゴは秋の楽しみです。





*2021年10月27日撮影

 10月の末に撮影しました。
 この日は未明に雨が降り朝には雨は上がったものの、気温が低かったこともあって、多くの草の葉に雨の露が残りました。

 苔の葉のあいだからピョンピョンと飛び出た胞子体が、雨のしずくを抱えています。
 これはたぶん、ネジクチゴケという苔ではないかと思っています。
 苔は雨にあたるととたんに元気になります。面白いものです。





*2021年10月27日撮影

 ずぶ濡れのアキアカネ。なんと痛々しい。
 死んでいるわけではありません。
 その後どうなったかは確認していませんが、暖かくなって、無事に飛び立っていったと思いたいものです。





*2021年10月27日撮影

 これはノハラムラサキという花です。
 園芸種のワスレナグサの仲間ですが、花の大きさはワスレナグサの半分以下です。
 もちろん春に咲く花なのですが、秋でも暖かい日が続くと咲き始めます。
 
 ノハラムラサキは雨露が寒そうです。





*2021年10月27日撮影

 葉っぱばかりのこの草は何かというと、ヒガンバナなのです。
 ヒガンバナは花の時には葉はありませんが、葉が出てくる頃には花は終わっています。
 葉はこの状態で冬を越し、来年の春には枯れてしまいます。
 花の茎が芽を出すのは来年の秋ですから、1年の半分くらいは地上部がなくて地下で生きているわけです。

 ヒガンバナの葉は雨の露をまとって、なにやらうれしそうに見えます。









マコモ

2021-10-24 22:58:42 | 草花

*2021年10月22日撮影

 まだ10月なのに冬が来たかのような寒い日が続きます。
 それでも日中は陽がさせば爽やかな秋晴れになるのですが、なかなか良い天気に恵まれません。

 2日ほど前に近所の小さな川で発見した、大きな草。
 ヨシなどよりはるかに大きな葉が目立っています。
 これはガマではないかと思って見ていたのですが、ガマの穂ではなく、細長い形の大きな穂がついています。
 
 帰宅して調べたところ、これはマコモだと分かりました。





*2021年10月22日撮影

 マコモは1億年の昔から地球上の至る所に生えていたイネ科の植物とされています。
 北アメリカではマコモの一種の実を「ワイルドライス」と呼んで、食用にしているとか。
 日本でも肥大した若い茎を「マコモタケ」と呼んで、食用にします。
 お隣の山形県にいくと、あちらこちらで「マコモタケ」が販売されています。
 「マコモタケ」はマコモに「黒穂菌」という菌が寄生した結果、茎が肥大化するのだそうです。
 黒穂菌が寄生しやすくて、大型の品種のマコモが「マコモタケ」の生産用に栽培されているようです。





*2021年10月22日撮影

 マコモの穂です。
 もう花は終わってしまって、枯れている状態です。
 花は8月、9月ごろに咲くようです。
 穂の先端部に雌花、根元のほうに雄花が咲きます。根元の方の雄花は赤紫色の房状について、なかなかきれいな花のようです。
 来年は、花の姿を撮影したいものです。





*2021年10月21日撮影

 この川は、いつも散歩する湯川の支流ですが、水田用の水路の役割も持っています。
 昨年とその前の年とで、川底をさらう大掛かりな工事が行われました。水害の予防のためと思います。
 その工事で、川に生えていた木や草はすべて取り除かれたので、植生が変わった可能性があります。
 もとからここにマコモが生えていたのかどうか、記憶は曖昧ですが、工事後に新たに生えてきた可能性もあります。

スズメノヒエとナルコビエ

2021-09-27 22:28:07 | 草花

*2021年9月25日撮影

 田んぼの畔にいたこの草は、スズメノヒエという在来種の植物です。
 茎の先に花序の枝を段々につけますが、互い違いに左右につけることが特徴です。
 花序はつぶつぶの実をつけますが、これがヒエに似ていると言うので、ヒエの名が付いています。





*2021年9月20日撮影

 スズメが食べるヒエという意味でスズメノヒエなのですが、ほんとうにスズメが食べるかどうかは分かりません。
 他にも「スズメノヒエ」とよばれる植物があって紛らわしかったのを整理し、この草の名が「スズメノヒエ」であることを確定したのは、かの牧野富太郎博士だったとされています。

 スズメノヒエは、いま花盛りのメヒシバに草丈や全体の印象が似ています。
 スズメノヒエはメヒシバより花序が太く茎に並んでつくところが、茎の先端に放射状に細い花序がつくメヒシバとの違いです。





*2021年9月20日撮影

 近年よく似た外来の植物(シマスズメノヒエなど)が増えてきて、スズメノヒエは減少しているのだそうです。
 これは田んぼの畔ではなく、会津の鶴ヶ城のお堀の端で撮影しました。
 在来種が生き延びられる環境をいかにして守れるのか、難しい課題です。





*2021年9月20日撮影

 さて、今日はもう一つの野草をご紹介します。
 スズメノヒエと同じ田んぼの畔にいた、この草はナルコビエと言います。
 スズメノヒエによく似ていますが、並んだ花序が茎の片側にしかついていないことが特徴です。





*2021年9月20日撮影

 ナルコビエがたくさん生えている様子です。
 花序に毛が多いので光をあびて白く光っています。

 ナルコビエの「ナルコ」というのは「鳴子」のことで、田畑に野鳥を追い払うために設置する、音の出る道具です。
 木の板に数本の竹筒や木片を糸で吊り下げたものが鳴子で、縄を張って鳴子を吊り下げ、縄を引くと音が鳴る仕掛けというわけです。
 その鳴子に吊り下げられた竹筒などの姿に似て、花序が一方向にしかないことからナルコの名がついたと考えられています。





*2021年9月20日撮影

 ナルコビエはもう実が熟していて黒くなっています。
 そればかりか白い毛が光っているだけで、実が落ちてしまって無くなっている花序もたくさん。
 
 ナルコビエも在来種で、やはり近年減少している植物だそうです。