『猫柳 触れてみたくも 憚れて』
(ねこやなぎ ふれてみたくも はばかれて)
『紅梅の 咲いたと言って 嫁はしゃぐ』
(こうばいの さいたといって よめはしゃぐ)
『ストーブを 未だ離さず 春未だ』
(すとーぶを いまだはなさず はるいまだ)
『春愁や いまだ初戀 抜けきれず』
(しゅんしゅうや いまだはつこい ぬけきれず)
『止めて欲し 政治屋ゴロゴロ 春朧』
(やめてほし せいじやごろごろ はるおぼろ)
『時だけが あまた余りて 春の宵』
(ときだけが あまたあまりて はるのよい)
『種を蒔く 明日を夢見て 種を蒔く』
(たねをまく あすをゆめみて たねをまく)
『朝寝して 庄助気分 湯酒なし』
(あさねして しょうすけきぶん ゆざけなし)
『猫の戀 恋に変わりが あるじゃなし』
(ねこのこい こいにかわりが あるじゃなし)
『亀啼くに 泪を溜めて 目を細め』
(かめなくに なみだをためて めをほそめ)
『春浅し 小浜の城は 砂の城』
(はるあさし おばまのしろは すなのしろ)