『新しき 年にも慣れて 二月尽』
(あたらしき としにもなれて にがつじん)
『腹脂 余裕たっぷり 二月尽』
(はらあぶら よゆうたっぷり にがつじん)
『二月尽 春は気から 昼寝から』
(にがつじん はるはきから ひるねから)
『飛び跳ねて コインの音や 二月尽』
(とびはねて こいんのおとや にがつじん)
『漣の 立ちてそぼ降る 春の雨』
(さざなみの たちてそぼふる はるのあめ)
『緩やかな 水の流れに 蝌蚪流る』
(ゆるやかな みずのながれに かとながる)
蝌蚪=お玉杓子
『雛飾る 妹吾子背子に 桃桜』
(ひなかざる いもあこせこに ももさくら)
『番台に 生徒が座る 春の宵』
(ばんだいに せいとがすわる はるのよい)
『浪人に 落第二度の 勲章有り』
(ろうにんに らくだいにどの くんしょうあり)
『春霞 後の正面 影ばかり』
(はるがすみ うしろのしょうめん かげばかり)
『春不況 漫画しか読めぬ 臍曲り』
(はるふきょう まんがしかよめぬ へそまがり)
『政官と 隔たり大き 民の春』
(せいかんと へだたりおおき たみのはる)
『如月や 日本男児は 暇らしき』
(きさらぎや にほんだんじは ひまらしき)
『白梅や 松明灯り 二月堂』
(しらうめや たいまつあかり にがつどう)