俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

春一番

2009年02月14日 | 俳句

『春一番 吹くには吹けど 雨模様』
(はるいちばん ふくにはふけど あめもよう)

『春一番 黄砂まみれに 泥まみれ』
(はるいちばん こうさまみれに どろまみれ)

『不義理をば 使い果たして 春の風邪』
(ふぎりをば つかいはたして はるのかぜ)

『春の雨 車の飛沫 絶え間なく』
(はるのあめ くるまのしぶき たえまなく)

『陽沈む国 旱に啼きて 黄砂降る』
(ひしずむくに ひでりになきて こうさふる)

『老い知らぬ 頭ばかりや 春の宵』
(おいしらぬ あたまばかりや はるのよい)

『盆梅や 自慢の鼻の 見え隠れ』
(ぼんばいや じまんのはなの みえかくれ)

『梅咲いて 梅酒確かむ 嫁ひとり』
(うめさいて うめしゅたしかむ よめひとり)

『義母よりの チョコ届きて 春めけり』
(ははよりの ちょことどきて はるめけり)

『春霞 時の流れて 黄昏て』
(はるがすみ ときのながれて たそがれて)

『生きている 証拠の鼾 冴え返る』
(いきている しょうこのいびき さえかえる)

『春一番 太平洋の 香りして』
(はるいちばん たいへいようの かおりして)



春浅し

2009年02月13日 | 俳句

『猫柳 触れてみたくも 憚れて』
(ねこやなぎ ふれてみたくも はばかれて)

『紅梅の 咲いたと言って 嫁はしゃぐ』
(こうばいの さいたといって よめはしゃぐ)

『ストーブを 未だ離さず 春未だ』
(すとーぶを いまだはなさず はるいまだ)

『春愁や いまだ初戀 抜けきれず』
(しゅんしゅうや いまだはつこい ぬけきれず)

『止めて欲し 政治屋ゴロゴロ 春朧』
(やめてほし せいじやごろごろ はるおぼろ)

『時だけが あまた余りて 春の宵』
(ときだけが あまたあまりて はるのよい)

『種を蒔く 明日を夢見て 種を蒔く』
(たねをまく あすをゆめみて たねをまく)

『朝寝して 庄助気分 湯酒なし』
(あさねして しょうすけきぶん ゆざけなし)

『猫の戀 恋に変わりが あるじゃなし』
(ねこのこい こいにかわりが あるじゃなし)

『亀啼くに 泪を溜めて 目を細め』
(かめなくに なみだをためて めをほそめ)

『春浅し 小浜の城は 砂の城』
(はるあさし おばまのしろは すなのしろ)



春暁

2009年02月12日 | 俳句

『男をも 贈る気配の バレンタイン』
(おとこをも おくるけはいの ばれんたいん)

『バレンタイン 貰える義理を 指数え』
(ばれんたいん もらえるぎりを ゆびかぞえ)

『吹いてから 放送すれよ 春一番』
(ふいてから ほうそうすれよ はるいちばん)

『雛人形 立ち止まり見て 妹の影』
(ひなにんぎょう たちどまりみて いものかげ)

『紙風船 しわしわのまま 天に吊る』
(かみふうせん しわしわのまま てんにつる)

『シャボン玉 消えずに飛んで どこへやら』
(しゃぼんだま きえずにとんで どこへやら)

『ふくよかな 風を誘って 猫柳』
(ふくよかな かぜをさそって ねこやなぎ)

『初戀は 片戀にして 冬椿』
(はつこいは かたこいにして ふゆつばき)

『ももさくら 孫の指さす 梅一輪』
(ももさくら まごのゆびさす うめいちりん)

『冴え返る 昨日今日あり 明日もあり』
(さえかえる きのうきょうあり あすもあり)

『不景気に 賃上げ求む 人多し』
(ふけいきに ちんあげもとむ ひとおおし)

『春暁や 薄明りの中 息白し』
(しゅんぎょうや うすあかりのなか いきしろし)



梅便り

2009年02月11日 | 俳句

『ふるさとの 再就職の 梅便り』
(ふるさとの さいしゅうしょくの うめだより)

『兎搗く 餅は美味きや 朧月』
(うさぎつく もちはうまきや おぼろづき)

『襟足の ほつれ毛揺れて 朧月』
(えりあしの ほつれげゆれて おぼろづき)

『早春の 茜の空に 月映えて』
(そうしゅんの あかねのそらに つきはえて)

『梅咲けば 背子思い出す 西風の中』
(うめさけば せこおもいだす おちのなか)

『梅もよし 梅が枝餅も またまたよし』
(うめもよし うめがえもちも またまたよし)

『ふらここや 遠くに飛ばねば 水溜まり』
(ふらここや とおくにとばねば みずたまり)
                 ふらここ=ブランコ

『牡丹雪 淋しがり屋の 雪なるか』
(ぼたんゆき さみしがりやの ゆきなるか)

『春哀し 漢字も空気も 読めぬ人』
(はるかなし かんじもくうきも よめぬひと)

『春寒や 姿見しては 腹擦り』
(はるさむや すがたみしては はらさすり)

『自堕落を 五体に感ず 春の風邪』
(じだらくを ごたいにかんず はるのかぜ)

『紀元節 旗日なるとも はたと見ず』
(きげんせつ はたびなるとも はたとみず)


早春

2009年02月10日 | 俳句

『猫柳 結びし露の 煌めきて』
(ねこやなぎ むすびしつゆの きらめきて)

『飾り窓 何を招くや 猫柳』
(かざりまど なにをまねくや ねこやなぎ)

『早春を 語る間もなく 雨の降る』
(そうしゅんを かたるまもなく あめのふる)

『早春の いまだ冷たき 雨雫』
(そうしゅんの いまだつめたき あめしずく)

『朧なる 夢の中にも 梅の咲き』
(おぼろなる ゆめのなかにも うめのさき)

『ふるさとの 古木の梅の 色白し』
(ふるさとの こぼくのうめの いろしろし)

『白梅の 苔生す枝に 目の行きて』
(はくばいの こけむすえだに めのゆきて)

『温かき 茶入れるひとに 春心』
(あたたかき ちゃいれるひとに はるごころ)



球春

2009年02月09日 | 俳句

『球春の 便りも虎の 頼りなさ』
(きゅうしゅんの たよりもとらの たよりなさ)


「まほろば」さんの写真に、触発されて
http://mahoroba.shashin-haiku.jp/d2009-02-08.html
『春霞 朧なるかな 恋の路』
(はるがすみ おぼろなるかな こいのみち)

『世の中は 猫の戀ならぬ 戀雀』
(よのなかは ねこのこいならぬ こいすずめ)

『梅宮の 社の先の 縁結び』
(うめみやの やしろのさきの えんむすび)

「飛梅も 鶯鳴いて 本番よ』
(とびうめも うぐいすないて ほんばんよ)


2009年02月08日 | 俳句

『公園に 梅が咲いたと 嫁笑顔』
(こうえんに うめがさいたと よめえがお)

『せせらぎの 光溢れて 猫柳』
(せせらぎの ひかりあふれて ねこやなぎ)

『川沿いの 猫柳見る 亀の居て』
(かわぞいの ねこやなぎみる かめのいて)

『待ち望む 電話一声  春近し』
(まちのぞむ でんわいっせい  はるちかし)

『列車の 揺れに任せて 日向ぼこ』
(れっしゃの ゆれにまかせて ひなたぼこ)


猫柳

2009年02月07日 | 俳句

『活けられて 太さ増したり 猫柳』
(いけられて ふとさましたり ねこやなぎ)

『片恋の 相手も同室 大試験』
(かたこいの あいてもどうしつ だいしけん)

『春暁の 光を受けて 背筋伸ぶ』
(しゅんぎょうの ひかりをうけて せすじのぶ)

『春浅し 武庫の水 今だして』
(はるあさし むこのみず いまだして)


梅の花

2009年02月06日 | 俳句

『宝満より 下れば梅の 社あり』
(ほうまんより くだればうめの やしろあり)

『吊橋に 揺れて眺むる 梅の花』
(つりはしに ゆれてながむる うめのはな)

『春の風邪 己が嫌に なる季節』
(はるのかぜ おのれがいやに なるきせつ)


立春

2009年02月05日 | 俳句

『立春と 聞けば心も 華開く』
(りっしゅんと きけばこころも はなひらく)

『心して 立春大吉 待ちのぞみ』
(こころして りっしゅんだいきち まちのぞみ)

『西向けば 梅が枝餅の 甘さかな』
(にしむけば うめがえもちの あまさかな)

『トンネルを 抜けるとそこは 梅の園』
(とんねるを ぬけるとそこは うめのその)

『韓流の ドラマで過ごす 春の風邪』
(かんりゅうの どらまですごす はるのかぜ)

『鬼は内 豆に巻き寿司 食べにけり』
(おにはうち まめにまきずし たべにけり)

『世の中は 鬼なる人が 豆を蒔く』
(よのなかは おになるひとが まめをまく)

『日向ぼこ 陽射しは高く 陽は長く』
(ひなたぼこ ひざしはたかく ひはながく)

『紅椿 存在強き 主人公』
(べにつばき そんざいつよき しゅじんこう)

『風匂う いざ鎌倉の 余寒かな』
(かぜにおう いざかまくらの よかんかな)

『風光る 町の角々 風光る』
(かぜひかる まちのかどかど かぜひかる)

『我もまた 擽り欲しき ねこやなぎ』
(われもまた くすぐりほしき ねこやなぎ)


風邪

2009年02月04日 | 俳句

『春立ちて 後の正面 誰が居る』
(はるたちて うしろのしょうめん だれがいる)

『西の日に 東風吹き抜けて 凍を解く』
(にしのひに こちふきぬけて とうをとく)

『風邪ごもり 月変わりても 変化なし』
(かぜごもり つきかわりても へんかなし)

『風邪抜けぬ 我を愛しと 思う頃』
(かぜぬけぬ われをいとしと おもうころ)

『風邪の身に 酒飲み会の うらやまし』
(かぜのみに さけのみかいの うらやまし)

『加湿器も マスクも合わず 風邪残る』
(かしつきも ますくもあわず かぜのこる)

『風邪薬 二錠置きて 嫁立ちぬ』
(かぜぐすり にじょうおきて よめたちぬ)

『節分会 巻き寿司のみが 卓にあり』
(せつぶんえ まきずしのみが たくにあり)

『嫁出かけ 鬼の居ぬ間の 節分会』
(よめでかけ おにのいぬまの せつぶんえ)

『噺家も 咳には勝てず 入院す』
(はなしかも せきにはかてず にゅういんす)




節分

2009年02月03日 | 俳句

『節分の 鬼になりたや 外出たや』
(せつぶんの おにになりたや そとでたや)

『風邪抜けぬ 己が体の 不甲斐なさ』
(かぜぬけぬ おのがからだの ふがいなさ)

『節分会 新居祝いの 鬼は誰』
(せつぶんえ しんきょいわいの おにはだれ)

『妹曰く 走って安全 雪の道』
(いもいわく はしってあんぜん ゆきのみち)

『雪降りの 浅間の噴火 たどん雪』
(ゆきふりの あさまのふんか たどんゆき)



ろう梅

2009年02月02日 | 俳句

『妹電話 十七分半 春近し』
(いもでんわ じゅうななふんはん はるちかし)

『北の国 雪は止みしと 妹電話』
(きたのくに ゆきはやみしと いもでんわ)

『春近し 頭痛の種や 夫婦の日』
(はるちかし ずつうのたねや ふうふのひ)

『春告鳥や 枝から枝へ 何伝う』
(うぐいすや えだからえだへ なにつたう)

『素魚の 喉元過ぎて 胃で泳ぐ』
(しらうおの のどもとすぎて いでおよぐ)

『蠟梅の 花弁の透けて 空透けて』
(ろうばいの かべんのすけて そらすけて)

『冴え返る 二月の空の うす曇り』
(さえかえる にがつのそらの うすぐもり)



水仙花

2009年02月01日 | 俳句

早いもので、もう、もう二月です。

『零れたる 花粉気になる 藪椿』
(こぼれたる かふんきになる やぶつばき)

『猫柳 雨をはじきて 露玉に』
(ねこやなぎ あめをはじきて つゆたまに)

『ふるさとの 桃は咲いたか 櫻まだ』
(ふるさとの ももはさいたか さくらまだ)

『泣く吾子に 勝てぬ道理の 冬の雨』
(なくあこに かてぬどうりの ふゆのあめ)

『春待つや 吾子の泪の 絶え間なし』
(はるまつや あこのなみだの たえまなし)

『我が吾子は 眉凛として 水仙花』
(わがあこは まゆりんとして すいせんか)