俺流俳句 「いちらくいちらく」

俳句で遊ぼ。

あなたも、優しくなれます。
          
          千秀

蝉時雨

2007年07月17日 | 俳句

『世の中は 台風、地震 どうなるの』
(よのなかは たいふう、じしん どうなるの)

『またも雨 台風通過 梅雨残る』
(またもあめ たいふうつうか つゆのこる)

『つゆの間の 雨の合間に 蝉の鳴く』
(つゆのまの あめのあいまに せみのなく)

『蝉時雨 ワシワシミンミン 協奏す』
(せみしぐれ わしわしみんみん きょうそうす)

『壁一面 のうぜんかずら 陽を浴びて』
(かべいちめん のうぜんかずら ひをあびて)

『雨音も じっとり聞こえ いまだ梅雨』
(あまおとも じっとりきこえ いまだつゆ)

台風一過

2007年07月16日 | 俳句

『久し振り 青空覗く 台風一過』
(ひさしぶり あおぞらのぞく たいふういっか)

『空青く 雲は白くと 夏盛り』
(そらあおく くもはしろくと なつさかり)

『早過ぎる 夏の陽射しの 戻りしは』
(はやすぎる なつのひざしの もどりしは)

『台風は いとも静かに 通り過ぎ』
(たいふうは いともしずかに とおりすぎ)

『向日葵は 一首高く こちら見る』
(ひまわりは ひとくびたかく こちらみる)

『夕顔の 芯の黄色の 寂しさよ』
(ゆうがおの しんのきいろの さびしさよ)

『夏木立 風もひんやり 閑なり』
(なつこだち かぜもひんやり しずかなり)

『片蔭に 身の置き所 見つけたり』
(かたかげに みのおきどころ みつけたり)

『輪が四つ あめんぼスイスイ 泳いでる』
(わがよっつ あめんぼすいすい およいでる)

『似合いしは 贈りし甚平 親子して』
(にあいしは おくりしじんべい おやこして)

夏痩せ

2007年07月15日 | 俳句

『台風の 来ぬ間に嫁と 買い物に』
(たいふうの こぬまによめと かいものに)

『二度三度 乗っても夏痩せ 見い出せず』
(にどさんど のってもなつやせ みいだせず)

『睡蓮の 花の白さに 吸い込まれ』
(すいれんの はなのしろさに すいこまれ)

『夏椿 絹の手触り そっと抱く』
(なつつばき きぬのてざわり そっとだく)

『想い出は 再生ボタン 妹の夏』
(おもいでは さいせいぼたん いものなつ)

博多山笠

2007年07月14日 | 俳句

『手を上げて 黄色いパラソル 梅雨の路』
(てをあげて きいろいぱらそる つゆのみち)

『汗と雨 何とかしてよ お天道』
(あせとあめ なんとかしてよ おてんとう)

『若き程 座り眠れる 夏電車』
(わかきほど すわりねむれる なつでんしゃ)

『携帯を 始終離さず 夏の女』
(けいたいを しじゅうはなさず なつのひと)

『時間前 女性専用 薔薇の棘』
(じかんまえ じょせいせんよう ばらのとげ)

『撫子は 大和でなくて 北の国』
(なでしこは やまとでなくて きたのくに)

『大潮を 知らぬ予報士 夏旱』
(おおしおを しらぬよほうし なつひでり)

『薔薇の花 露一雫 落ちにけり』
(ばらのはな つゆいちしずく おちにけり)

『雨音の 台風接近 強まりぬ』
(あまおとの たいふうせっきん つよまりぬ)

『飾り山 台風避難 追い山は』
(かざりやま たいふうひなん おいやまは)

合歓の花

2007年07月13日 | 俳句

『大雨の 降っても降っても 水無月よ』
(おおあめの ふってもふっても みなづきよ)

『夕立に なってしまえよ 雨、雨、雨』
(ゆうだちに なってしまえよ あめ、あめ、あめ)

『地下街を 出れば日の射す 梅雨の空』
(ちかがいを でればひのさす つゆのそら)

『ビル風も 心地よきかな 夏木立』
(びるかぜも ここちよきかな なつこだち)

『片蔭を 伝い歩きて 尚暑し』
(かたかげを つたいあるきて なおあつし)

『浮いて来い 遊び相手なくば 浮きもせず』
(ういてこい あそびてなくば うきもせず)

『キャベツ食う 嫁の姿に いとしさが』
(きゃべつくう よめのすがたに いとしさが)

『焼酎を 酌み交わす友 遠のきて』
(しょうちゅうを くみかわすとも とおのきて)

『あめんぼの 風に流され 沈みそう』
(あめんぼの かぜにながされ しずみそう)

『合歓の花 薄紅色の 絹に似て』
(ねむのはな うすべにいろの きぬににて)

月下美人

2007年07月12日 | 俳句

『ここにもか 老人パワー 夏の陣』
(ここにもか ろうじんぱわー なつのじん)

『夏痩せで あってもなくても 痩せたいな』
(なつやせで あってもなくても やせたいな)

『生駒より 大阪横断 梅雨辛し』
(いこまより おおさかおうだん つゆつらし)

『六甲に 黒雲覆い 梅雨最中』
(ろっこうに こくうんおおい つゆさなか)

『梅雨の雲 幾重に黒く 世の果てや』
(つゆのくも いくえにくろく よのはてや)

『繋がれて 青嵐避くる 舫い舟』
(つながれて せいらんさくる もやいぶね)

『浜木綿は 海を見つめて 泣くばかり』
(はまゆうは うみをみつめて なくばかり)

『撫子や 濡れてなぜ啼く 我はここ』
(なでしこや ぬれてなぜなく われはここ)

『我が憂い 晴れることなく 忘れ草』
(わがうれい はれることなく わすれぐさ)

『月見草 その白さゆえ 手折やらで』
(つきみそう そのしろさゆえ たおやらで)

『夕顔の 秘めたる想い 風の音や』
(ゆうがおの ひめたるおもい かぜのねや)

『月下美人 主知らぬまま 開き初む』
(げっかびじん ぬししらぬまま ひらきそむ)

片陰

2007年07月11日 | 俳句

『うっとうし 前線北上 台風も』
(うっとうし ぜんせんほくじょう たいふうも)

『降らば降れ 心乱すな 梅雨空よ』
(ふらばふれ こころみだすな つゆぞらよ)

『遠雷や 遠慮しないで さっとやれ』
(えんらいや えんりょしないで さっとやれ)

『夏木立 登りし時の 夢は老い』
(なつこだち のぼりしときの ゆめはおい)

『雨蛙 来世もやはり 蛙かな』
(あまがえる らいせもやはり かえるかな)

『夜店には ちと早過ぎる ほのあかり』
(よみせには ちとはやすぎる ほのあかり)

『贈られし ビールを仕舞う 我が家かな』
(おくられし びーるをしまう わがやかな)

『歯の生えし 孫の写真に 涼しさが』
(はのはえし まごのしゃしんに すずしさが)

『片陰に 優しさ探し 時流る』
(かたかげに やさしささがし ときながる)

『夏休み 予定が一つ 埋まりけり』
(なつやすみ よていがひとつ うまりけり)

四万六千日

2007年07月10日 | 俳句

『一度なら 四万六千 ならば二度』
(いちどなら しまんろくせん ならばにど)

『ラムネ飲み 玉を取り出せし 昔あり』
(らむねのみ たまをとりだせし むかしあり)

『夏の星 集めてそして 散りばめて』
(なつのほし あつめてそして ちりばめて)

『枇杷の実の 産毛の触り 手に残り』
(びわのみの うぶげのさわり てにのこり)

『雨傘を 日傘とするや ママチャリは』
(あまがさを ひがさとするや ままちゃりは)

『夏椿 武士思わす 白ばかま』
(なつつばき もののふおもわす しろばかま)

『散々と 凌霄の花 哀れなり』
(さんざんと のうぜんのはな あわれなり)

『忘れ草 憂いを晴らす 露雫』
(わすれぐさ うれいをはらす つゆしずく)

『睡蓮や 鴨の通るに 池二つ』
(すいれんや かものとおるに いけふたつ)

『向日葵や ゆうらりゆらら 風に揺れ』
(ひまわりや ゆうらりゆらら かぜにゆれ)

猛暑、酷暑、炎暑

2007年07月09日 | 俳句

『暑き日や 猛暑、酷暑 炎暑まで』
(あつきひや もうしょ、こくしょ えんしょまで)

『笹飾り 書き様もなく そのままに』
(ささかざり かきようもなく そのままに)

『我が妹は 一期一会や 七夕や』
(わがいもは いちごいちえや たなばたや)

『俤や 過四十年 浴衣女』
(おもかげや かしじゅうねん ゆかたびと)

『我はまた 線香花火の 火玉かな』
(われはまた せんこうはなびの ひだまかな)

『雨蛙 我を覚えて 啼き止むか』
(あまがえる われをおぼえて なきやむか)

『出ていれば 下弦の月の 夜の秋』
(でていれば かげんのつきの よるのあき)

『日日草 日々是好日 今日明日』
(にちにちそう ひびこれこうじつ きょうあした)

『実の上に 花茄子淡く 咲きにけり』
(みのうえに はななすあわく さきにけり)

『繍線菊や そぼふる小雨 傘の下』
(しもつけや そぼふるこさめ かさのした)

『笹百合の 伝い落ちたる 一雫』
(ささゆりの つたいおちたる ひとしずく)

昼寝

2007年07月08日 | 俳句

『下りそうな 人の前に起つ 夏の陣』
(おりそうな ひとのまえにたつ なつのじん)

『寝不足に 寝不足重ね 昼寝する』
(ねぶそくに ねぶそくかさね ひるねする)

『嫁留守は 冷えてるビール 多きかな』
(よめるすは ひえてるびーる おおきかな)

七夕(’07.07.07)

2007年07月07日 | 俳句

『七夕に 肖られずに 二年半』
(たなばたに あやかられずに にねんはん)

『織姫も 七つを数え 彦待つや』
(おりひめも ななつをかぞえ ひこまつや)

『逢瀬とは 厳しきものよ 織姫よ』
(おうせとは きびしきものよ おりひめよ)

『彦星も じじいとなりて 時流る』
(ひこぼしも じじいとなりて ときながる)

『夢の中 七夕色紙 願い込め』
(ゆめのなか たなばたしきし ねがいこめ)

『七夕は スリーセブンか セブンサンセッ』
(たなばたは すりーせぶんか せぶんさんせっ)

入道雲

2007年07月06日 | 俳句

『青空に ニョキニョキと 入道雲』
(あおぞらに にょきにょきと にゅうどうぐも)  =3800

『いつまでも 梅雨の晴れ間は 続かない』
(いつまでも つゆのはれまは つづかない)

『ジェット機の 音五月蠅くて 半夏かな』
(じぇっときの おとうるさくて はんげかな)

『昼下がり 雨蛙鳴けど 雨降らず』
(ひるさがり あまがえるなけど あめふらず)

『どこででも 瞼重たく 昼寝して』
(どこででも まぶたおもたく ひるねして)

『眠たさも 極め付たる 夏の午後』
(ねむたさも きわめつきたる なつのごご)

夏列車

2007年07月05日 | 俳句

『目開くれば 玉手の箱の 夏の夢』
(めあくれば たまてのはこの なつのゆめ)

『疲れてる 疲れてる女 夏の昼』
(つかれてる つかれてるひと なつのひる)

『写メールを 撮られているか 夏の午後』
(しゃめーるを とられているか なつのごご)

『手枕で 寝る女の居て 夏列車』
(てまくらで ねるひとのいて なつれっしゃ)

『知己などと 会うことも無く 夏過ぎる』
(ちきなどと あうこともなく なつすぎる)

夏政(なつまつり)

2007年07月04日 | 俳句

『舌先は みな三流 夏政』
(したさきは みなさんりゅう なつまつり)

『今日も雨 梅雨らしくない 雨の降る』
(きょうもあめ つゆらしくない あめのふる)

『じめじめと 体に滲み込む 梅雨の雨』
(じめじめと からだにしみこむ つゆのあめ)

『降らば降れ 晴るれば晴れよ 梅雨は嫌』
(ふらばふれ はるればはれよ つゆはいや)

梅雨晴間

2007年07月03日 | 俳句

『食べる間に ソフトクリームの 溶けにけり』
(たべるまに そふとくりーむの とけにけり)

『梅雨なれど 雨の降るやら 降らぬやら』
(つゆなれど あめのふるやら ふらぬやら)

『ドラマ見て そのまま昼寝 夢続き』
(どらまみて そのままひるね ゆめつづき)

『冷奴 一品増えて 晩餐に』
(ひややっこ いっぴんふえて ばんさんに)

『梅雨の雨 妹の流せし 泪雨』
(つゆのあめ いものながせし なみだあめ)

『妹のみに 降る雨無くも 梅雨晴間』
(いものみに ふるあめなくも つゆはれま)