超兵器、敗れたり。

事務所の天井裏から子猫のか細い鳴き声がふたつみっつ聞こえる。

産まれた。

産まれてしまった。。

５年連続だ。春の恒例になってしまった。

今年も人間側の敗北だ。
12,000円くらいかけて超兵器を導入したというのに。

赤外線センサーで感知し、そのたび猫のいやがる変動超音波を発して
寄せ付けさせない、という画期的なマシンであるはずだった。

野良猫の生態については私もかなりインターネットで学習した。

それらと自らの経験をもとに今回の事例について考えるに、

野良の母猫は同一猫

野良猫はそこが出産に適した場所と判断すると毎回そこで出産する

通常の侵入経路を妨害されても別ルートを開拓し「産院」にたどりつく

結局、

「わたしは絶対ここで今年も産むんだわさ！」みたいな強い意志が超音波より強かった

ということになろうか。

超兵器の取扱説明書には

『ネコの個体差や環境の違いにより効果が見られない場合があります』　との一文がある。

今回まさにこのケースに当てはまったわけだ。

メーカーに文句を言う気はない。

超兵器ガーデンバリア初号機・弐号機の配備、実戦投入は結局徒労に終わり、今朝、撤収、帰投した。

途方に暮れ、遠くを見つめる初号機・弐号機　↓



今日からもう無意味な嫌がらせなどは一切しない。

これから約ひと月ガマンして、彼女らが無事に引っ越ししてくれるのを待つことにする。

ただひたすら。。