社員の退職

４０歳の社員が退職することになった。

クロス職人という仕事がいやになった　というのが一番の理由だ。

１８年勤務して、いろいろな仕事、いろいろな現場を経験し、
超一流の職人の一番弟子としてゴールデンコンビを組み、自らも
一流の職人となった。とっくに弟子をもってもいいレベルに達している。

お客さん宅での言葉遣いや態度もきちんとしているし、
現場で居合わせる他業種の職人たちとも仲良くやることができた。

しかし独立はせず、これから違う世界で生きていくという。

当然、慰留した。ほかの社員も「もったいない」と慰留した。
しかし本人の意志は固かった。

在職中に結婚し、家を買い、子どもができた。
日曜は野球少年団の保護者コーチもしているという。

彼にもっと給料を払うことができていたら退職することはなかったか？
わからない。たぶんちがうと思う。
昔も今も変わらないこの業界のいくつかの問題点に嫌気がさしていたのは事実だろう。

一流の技術を体得し、社会人としても立派な大人になったと思う。

転職するにはリミットの年齢だ。

明るく前向きに生きていってほしい。

会社にとっては大きな穴があく。

あらゆる方法でリカバリーしていくしかない。