超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

さらば一碧荘

2011-12-30 08:14:32 | 旅行お出かけ
我が家はもはや顔パスにもなろうとしていた馴染みの熱海温泉保養施設が残念なことに来年3月をもって閉館することになってしまった。生涯を4つに区分し起承転結と定義している私の「承」の四半世紀を共に過ごしたお出かけの象徴だった。
バブル期は全国にかなりの数の共済組合の保養施設があった。私はこれらの保養施設が大好きだったから色んなところへ足を運びまくった。温泉だけでも蔵王、かみのやま、宇奈月、飯坂、鬼怒川、みなかみ、そして箱根に熱海、西へ向かうと諏訪・・・ずいぶんと温泉めぐりをしてきた。またその他にも山中湖、鎌倉、横浜など研修に訪れたこともあり多くの施設があったが、次々に統合、閉館され今では半分くらいになっているのではないか?!北海道、北東北、西日本方面にはまだ見ぬ行ってみたいところがたくさんあったのに。。。

これらの施設のうち、熱海保養所には格別の想いがある。何せ約四半世紀で50回は訪れたのではなかろうか・・・?入社して数ヵ月後、両親をここに招待した。その後も両親やグループ、結婚してからは二人やその両親、子供も合わせて足を運んだ。
会社の関連施設だから元同僚や知人と顔を合わせることも多くあった。そういうのを嫌いひたすらペンションや洋風ホテルを好む奥方も多いと聞くが、妻もこの「あまり変哲のない」施設を好んだ。
中には「もしかして見たらいけなかった?」というシーンもあったがね・・・・息子甘辛は幼いときにアトピーがひどく、温泉などは控えていたのだが、どういう訳かここの成分は相性がよいらしくポカポカ温まるだけで何の異常も見られなかった。

しかしこれだけの回数を訪れると、「観光」という意味ではまったくネタが枯渇し、釣りやマリンスパを除くとあまりどこかへ見物へ行くということもなくなってひたすら温泉で湯治スタイルになってしまう。
MOA美術館に塔の沢公園、梅園に伊豆山神社、伊豆山港に熱海港、後楽園、熱海城、来宮神社、走り湯、十国峠などが観光の中心となった。伊東へ進むと「怪しい少年少女博物館」とか「ねこの博物館」さらに南下すると「テディベア博物館」などがあるが、悪いけどよほど好きな人でなければ「やられる」。何せ入場料は1000円とかするからだ。
熱海では花火大会は夏だけでなく冬も開催される。今年は夏版を見ることができたがお勧めは12月23日の冬季花火大会だ。寒空の中だが空気が澄んでいて花火が素晴らしく輝き、後ろの山にこだましてすごい迫力だ。フィナーレで空が真っ白になると鳥肌が立つ(寒いというのもある)

建物自体は何回か改装しているようだが、あまり新しくはなく小じんまりしている。ロビーも我が家と同じくらいの大画面テレビにテーブル、新聞などが読める程度だがコーヒーメーカが飲み放題で結構くつろげる。その日はクリスマスイブだったからツリーが飾られていた。2階へ上がっていくと踊り場にちょっとしたスペースがあり、漫画を読んだりマッサージチェア(手前)でリラックスできる。甘辛などマッサージチェアに座って半日漫画を読んでいたこともある。まるで年寄りのようだった・・・
1回に降りてロビーから左に折れると比較的細い通路を進んで大浴場だ。この浴場がまた何の変哲もない。。。ジャグジーもなければ露店風呂もサウナもない典型的な風呂場だが暖まりかたは素晴らしい。
「これが温泉か・・・」と思えるほどポカポカする。

        

晩御飯は「大漁コース」で海の幸がこれでもか、と現れ食い切れないほど堪能できる。汁物は豆乳鍋、漬物盛り合わせ、茶碗蒸しに小鉢・・・「んっ?」妻と目を合わせた。「何かメニューがシンプルになっちゃてない?」
味は素晴らしくいいが、何となく品数が少なくなってような気がする。多鍋料理が多いから種類はたくさんあるのだろうけれど、結構凝ったメニューだった料理がかなりまとまっている。。。

   

なんたって今まで「部屋出し」だった夕食が「食堂」になってしまった。支配人自らが料理を配膳して回っている。それこそ閉館に向けての経費削減?!実は記念に館内中写真を撮り回っていて、すこーしずつ色々なものが消えているのに気づいてはいたのだ。それはちょっとしたものだ。部屋の時計、テディベアのぬいぐるみ、洗面所のヘアトニック・・・ホントに閉館に向けてのフェードアウト現象だとしたら実に寂しいものだ。。。もうすっかり顔馴染みとなった、いつも配膳してくれるおばさんに率直に聞いてみた。

「もうずーっと愛顧してきたのに、どうしてこんないいところが無くなっちゃうんですか?」

話を聞いてうーむ。。。唸りをあげた。その館は自家採掘の成分の濃い温泉であるため、採掘施設が傷みが早く定期的に修繕しなければならない。ここ数年の劣化を見るといよいよ大々的に改修しなければならないのだが、膨大な費用がかかり経営と相談した結果、閉館することに決まってしまったそうなのだ。なるほどなー・・・温泉地域の宿命的なところなんだな。
「従業員の方はお辞めになっちゃうんですか?」「私は社員だから別の場所へ移動するだけなんだけどねー」「引っ越しを伴うとご家族とか大変でしょう」「アタシはまだ独身だから平気なのよー」「じゃあ、新天地で何か予感が?!」「カカカ、ここでも何もなかったしねー」話好きの明るいおばさんは笑いながら語った。

    

朝食はいつもの通りこだわりの「干物焼き器」(閉館するとき3個ほどくれないかなー)、窓から見える景色、庭も小じんまりしていながらよく整備され柑橘類がいつもたくさんなっている。よく見ると丁度崖の中腹に建物があるんだなー。

      

最近は恥ずかしがってあまり来ないが、息子は幼いときにこの昔ながらのカラオケルームが大好きで。それこそマイクを離さなかった。研修室はお約束の卓球台が・・・(あんまり使ったことないけど)
妻は結婚してから、息子は生まれてからずーっとお世話になってきた一碧荘・・・これまでありがとう。さらば。

      

 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (小夏)
2012-01-12 01:00:47
は―、磯辺さんのお別荘のような場所が閉館ですかぁ、、残念ですねぇ。
大の温泉好きハニ丸に理由を話したら、初めて聞く内容に声をあげていました。
卓球台のお部屋ってLED照明に見えるのですが、、だとしたら、取り替えは最近の事でしょうにねー。。
「干物焼き器」ほんとにいいですね
舟盛り見つめていたらお腹が空いてきました
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Unknown (磯辺太郎)
2012-01-12 11:12:02
小夏様

別荘を持っていたとしても、それより行った回数多いでしょうねー、ホントに残念なんです。。。
そーなんです。温泉施設は何年かに一度大規模に改修しなければならないんですって。熱海サンビーチ正面(お宮の松)のホテルなど「全部」つぶれ、リゾートマンションになってしまいました・・・
ホントだー。卓球台の研修室・・・取替えは最近?!さすが見るところが違いますねえ。
干物焼き器は閉館までにもう一度行くチャンスがあったら頼んでみようと思います。
車山高原の馴染みのペンションが閉店してしまうというので、最終日に宿泊したときに色々オリジナル食器を頂いてきたんですよ。

舟盛り写真、超兵器203号でとった画像ファイルそのままサムネイルで載せてしまったのでやたらサイズが大きいですねー。ごめんなさい。
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Unknown (小夏)
2012-01-12 23:26:18
本日お出かけの道中、「もしかして見たらいけなかった?」というシーンってところに触らずにコメント投稿したのが悔やまれました(爆)

見てはいけないとお顔を両手で覆う手の指が自然と開きますな・・・

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Unknown (磯辺太郎)
2012-01-14 14:06:41
小夏様

意味深な書き方をしてしまいましたが、「重役が愛人とお忍び」とかいう「家政婦は見た」的シーンではないですよ。
若い独身の後輩が彼女を連れていたのを数回「見た」だけ。。。
本人は「髪の長い男の友人」と言い張っていましたが・・・
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Unknown (Unknown)
2012-07-17 19:40:02
私も大好きでした。
娘が小学校に上がる前から、毎年、夏休みといえば、一碧荘にいっていました。
今年は予約しようとしたら、カレンダーがハイフンだらけでおかしいと思っていたのですが、今日、思い切って電話をしてみて、
「現在使われていません」のアナウンスでビックリ!
もしやと思って、このサイトに行き当たりました。
家族で卓球したり、美味しくて手の混んだお料理を頂いたり、子供達とカラオケメドレーしたり、布団の中でマンガを読んだり。
毎年の風物詩になっていた、一碧荘。
ありがとう一碧荘。。。
懐かしい一碧荘を懐かしむHPを作ってくれてありがとう、管理人さん。
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Unknown (磯辺太郎)
2012-07-18 07:52:41
見知らぬどなたか様

ようこそいらっしゃいました。
一碧荘ファンの方がいらっしゃってうれしいです。我が家も毎年(子供が学校に上がるまでは隔月くらい)足を運んでいたんです。
もう閉館してから3ヶ月あまりたってしまいましたが、今更のように残念でたまりません。

そうそう、卓球もしたし、カラオケも麻雀もしたし・・・料理も手の混んだ美味しいものでしたねえ。一度滞在したときに息子と2階フロアの休憩室にある「悪女」というコミックをずーっと読んでいたことがありました。部屋からの眺めも海が一望できていいんですよねー。

朝食に出てきたこだわりの?「アジの干物専用焼き器」がいつまでも懐かしく脳裏に甦ります。
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なるほど! (猫ちゃま)
2012-11-26 11:19:10
温泉の修理が膨大なんだ
どれぐらい掛かるんだろう?
https://bessou.suumo.jp/jj/bukken/shosai/JJ012FD010/?ar=050&bs=021&nc=81082243

購入の最有力候補なんだがな~。。
リフォーム含め3億程度なら平気なんだが・・・
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Unknown (磯辺太郎)
2012-11-26 12:03:03
猫ちゃま様

こんにちは。
従業員から聞いた話なんおで定かではないんですが、今回やるとしたらかなり大々的なのでやっぱり「億」はかかってしまいそうだ、ということでした。
施設の維持ってとてつもなく費用が嵩むものなんですねえ。縁のない話ですが・・・・
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