超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

幕張のIT見本市

2010-06-17 22:38:35 | 出来事
国際IT見本市(INTEROP)イベントが幕張メッセで開催され、最終日の午後だけ見に行った。
毎年開催されるかなり大きな展示会で、一応関連する業界ということもあり、なるべく時間を作って足を運ぶようにしている。
ITそのものの最先端展示(INTEROP)とメディアコンテンツ関連の専門イベント、今流行りの「デジタルサイネージ」に特化した専門イベントが開催されている。
展示会にまともに入場すると料金3000円かかるが、ネットで事前登録すれば無料になる意味のない設定だ。

その日は午前中「ちょっとやばいかなー」と思っていた会議が無事通過したので、幕張メッセに向かったのだ。
オフィスからは地下鉄を乗り継いでたっぷり1時間半はかかる。海浜幕張駅ではビジネススーツをキリッと決めた男女や、長い髪を後ろで束ねたやいかにも「業界」風の年齢不詳のおっさん、学生風な「ちゃら男」など清濁混淆な人の群れが行き来する。
天気がよくて暑いくらいだったので、外にあるテラスのテーブルで持参した(会社で食べる予定だった)弁当を広げてボーっと入場者を見ながら弁当を食っていた。

登録手続きを行って会場へ入る。
いつもながら派手なネオンサインで、私としてはここで一旦足がすくまってしまうのだ。ブースをぜーんぶ見てまわると半日くらいかかるか。。。

   

入口に近いエリアは比較的先進的な中小の企業の出展が固まっており、意外に面白いものがあるのはこのエリアだ。
しかしひとつひとつが小さいので真面目に注意して見ないとスルーしてしまう。
一方、奥のほうはいわゆる「大手」と言われる誰でも名前くらいは知っている企業の巨大なブースが並ぶ。

たいていのブースでは時間を決めてステージにで簡単なデモンストレーションがある。そのまわりでコンパニオンがアンケートを配っていて、答えて名刺を渡すとちょっとしたグッズをくれる。
ビジネスライクなイベントだから面白いグッズはなく、ボールペンとか簡易メモ張とか、しょうもないヤツにパンフレットだ。
この手のものは重たいだけで決して後で使うことは無いので、素通りすべきなのはわかっているのだが、肉屋のショーウィンドウショッピングができない私は「キャッチ」にも恐ろしく弱い。。。
別にコンパニオンの女性につられてるわけでは決してないがどうも「断れない」のである。特に目が合ってニッコリ微笑まれたりすると、簡単に引っ掛かかってしまう。
通路の中央をそそくさと逃げ回るしか能がないのが何とも情けない・・・

大手企業のブースは展示物もコンパニオンの衣装も凝っていて、人で賑わっているがステージや内容はえてして面白くもない。
あんまり名刺を配ると後がうるさいので、CISCO社のブースでだけアンケートを書いて、扇子をもらってきた。中央の案内所でペットボトルの水はタダで配ってくれた。
驚いたのは我が社と関連するIT系グループ会社のコンパニオンだ。衣装はまるでバドガールのようだ。しかも脇腹が網タイツみたいになっている。昔は中途半端なスタイルで有名だったあの会社もとうとうふっ切れたのか?!
あんなのに捕まったら舞い上がって何をさせられるかわからないので、すばやく戦線離脱だ。

だいたいのブースはいきなり接近すると網にかかってしまうので遠めに面白そうなブースを眺め、説明員やアンケート配りがあまりいないときを見計らって。。。パーっと走り寄り、バババッとパンフレットを書き集め、一気に立ち去る「ヒットアンドアウェイ戦法」である。話を聞いても2,3分が限度だ。
とあるブースで2年前に手がけていたプロジェクトの実用化版みたいなものがあって、懐かしげに眺めていたら油断していたスキに「オタ男」みたいなのに捕まってしまった。。。

「ふんふん。。ふーん。なるほど・・・そういうことなんですか。」

客の反応など気にせず、自分の説明に酔いしれているオタ男(髪は結んでいないがジーパン)の話は素人が聞いてもイマイチわかりにくくて苦い空気を漂わせていたが、今更

「実はコレ、開発してたからよく知ってるんですけど」

なーんて嫌味なことは決して言えないので、「ちょっとよく理解できないなー、えへへ」みたいな顔をして逃げてきた。
ひと通り歩き回るといつもげっそり疲れるのだが、今回は一番端で開催されていた「ディジタルサイネージ」(いわゆる電子看板」が一番面白かった。今業界ではかなり流行りなんだろな。
客がすごく集まっていたのは、「バーチャルマネキン」だ。たしか印刷会社だった。
人型のスクリーンに女性が商品を紹介する映像が映し出されていて、まるで本物がいるように見える。思わず後ろにホントに人がいないのか見に行ってしまった。それほどよくできていた。
特殊粘着フィルムを人型の厚紙に張り合わせ、プロジェクターを使って動画を投影することで、その場に本人がいるような演出ができるそうだ。

   

もうひとつ人だかりがしていた「裸眼3D」映像はちょーっと子供だまし。。。偏光メガネをつけなくても、きれいに立体っぽく見えるが、ようするに子供の頃角度を変えると飛び出て見えたカードの大きいヤツに過ぎぬ。
でもホントに厚みがないのか、真横から見ようとして顔を近づけ過ぎ、ガーンと壁にこめかみをぶつけてしまった・・・

    

また壁掛けの額縁が木目になっていて中が富嶽三十六景というのもあったが、これは絵が変わって便利というだけかな。
ポスターがそのまま光る電子看板になっているのは結構驚いた。何せ材質は紙に近く丸められるそうだから・・・むろん画像はプログラムで制御し光り方やコンテンツは自由に替えられる。

        

変った姿をしたコンパニオンに手招きされて吸い寄せられるように近づくと、3D用のメガネを渡された。
正面のスクリーンを見ると、なんと私の横から見た姿が立体画面に映っているではないか。。。自分を立体視したのは初めてだ。
ステージ横に3Dカメラが設置されていて、リアルタイムの立体映像を見ることができるのだ。考えてみればできなくはないわな。

      

2時間近く歩き回り、出口のエスカレーターに向かうと、ちょっとしたデモンストレーションをやっていた。
ひとつは遠隔地にいて、インターネットを通じたテレビドアホンで来客の対応ができるというもの。超広角カメラを搭載して、来訪者がボタンを押すと来客を告げるメールが飛び、玄関先で要件を聞いたり対応模様を画像付きで保存することもできる。
電気錠システムと連動してパソコンから解錠することもできる。

もうひとつは家庭内でテレビドアホンと携帯電話が連動し、来客時に携帯で来訪者の対応ができるというもの。
「ドアホンのところまで行かなくてすみ、来訪者をお待たせしなくて済む」ということらしいが、よーっぽど広い家に一人で住んでいる状態でもなければ、とっとと玄関まで行ったほうが早いとも思われる。

   

興味がない人にはどうでもいいようなソリューションだが、何と実はこの二つを融合したようなアイディアを4〜5年前に既に私は考案し、社内のアイディアコンテストに投稿していたのだ!

そのコンテストは毎年、研究所で行われているバーチャルイベントで、業界にあまり関係なくても広く新しいビジネスアイディアを考案し、みんなでコメントし合って最後は投票と審査でグランプリを決めるというものだ。
全部で50以上アイディアが寄せられ、グランプリは幹部の前でプレゼンし実用化に向けてプロジェクトを立ち上げることもある。
毎年、これに「賭けている」人もいたようなのだが(本来の仕事は別にあるのよ・・・)、残念ながらたぶん今まで一度もモノになったことはない。

共働きや家が不在がちな家庭で来訪者を外出先からチェックしたいとき、例えば宅急便や回覧板を確実に受け取りたいときや、子供を一人で留守番させているときなどのために、「玄関でピンポンと押すとテレビドアホンが作動し無線LANを使って外出先の携帯テレビ電話によってチェック又は対応ができる」というアイディアだ。
「QRコード」を使って宅急便業者は「ハンコ」まで受け取れる、というスグレもの。。。


ppt2枚で投稿したこのアイディアにきた、コメントは事務局からの2件であった・・・結構自信あったんだけど誰も興味を持たなかったのだ。
「まあ。。。そんなものか」とあきらめていたのだが、4年後にちゃんと展示する会社があったなんて!
なんという見る目のないことか!ビジネスモデル特許でも申請しておけば良かった。バカ売れしたら億万長者か?!

この話をしたら友人も言っていたが、我が社だけでなく世の中とは「専門家のアイディア」を重視する傾向が強い。
大手の企業(大手でなくても)には、必ず「製品」や「サービス」を開発するセクションがあり、その部署がマーケットリサーチやらによってビジネスアイディアを捻り出し、ブランドをつけて売り出すのが常套のようだ。
普通このセクションは社の中では「花形セクション」でその他の部署で考案されたアイディアなど「歯牙にもかけず」なんてことが多い。「餅は餅屋に任せておけ」ということだ。
しかし、その昔籍を置いたことがあるが、この手のセクションの人は自分の管轄するシステム、製品しか見ていないことが多い。大手企業の展示物が妙に面白くないのもそういうところに起因しているかもしれぬ。

ヒット商品や流行りものを産み出すのはすべからく「ひょんなこと」からで、このきっかけは「神が気まぐれ」に捲いていると思ったほうがよさそうだ。
関連業界ではシンクタンクと連携して数か月、数億円かけてマーケットリサーチに注力し、「『携帯電話は若者に人気がある』というリサーチ結果を得た」なーんて言う笑えない笑い話もあるのだ。
今やあんまり関係ない仕事をしているが、「私の考案した幻の」ネットワークドアホンシステムが、できることならばそこそこ売れてほしい(爆発的に売れると悔しい)と願いながら幕張メッセを後にした。

   


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4 コメント

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Unknown (小夏)
2010-06-20 11:00:39
磯辺師匠っ、おっはようございまーす!
昨日はサッカー残念だったようですね。ですが磯辺家では激盛りあがったことと思いま~す
今日は父の日、何かイベントあるのかな~^^

幕張の見本市、大きなイベントなんですねぇ。
いつか赤いじゅうたんを歩かれることがございましたら私も招待してくださいね。
↑カンヌと間違えてる?(爆)

「バーチャルマネキン」、これ~、昨年立浪選手が引退する時回顧展みたいなので
立浪選手で作られて話題になっていました。(同じものっぽいのだけど・・)
確か2カ所くらいで見かけましたが、一回見ると「ふ~ん」で終わってしまうのは
開発者には申し訳ない・・・(反省)

ネットワークドアホンシステム、億万長者になり損ねちゃった・・!?
ウッフ、お庭に秘密基地できた鴨~
ハンコアイデアすご~い!!

ネットでお話しさせていただいた方のお家にあった戦車みたいなハマー、
ハマーからメールが来るんですって、、「オイル交換の時期です」とか。。
ありゃ激驚きました

ドイツで手柄を立てた件、やっとアップできました
文中リンクさせていただきました。毎度事後承諾で申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
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Unknown (磯辺太郎)
2010-06-20 18:56:48
小夏さま こんにちは。

オランダ戦は残念でした。。。でも精一杯がんばっていい試合してましたね。
父の日は特に何も買ってはくれませんでしたが、新クラブに入団以来初のゴールをプレゼントしてくれました。

幕張のイベントは国内で最大級の規模と聞きました。
バーチャルマネキンって既にご覧になってたんですか!さっすが。。。立浪選手とは。

ネットワークドアホン・・・売れるかどうかはわかりませんねー。
ドイツのお手柄・・・早速伺いまーす。
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Unknown (小夏)
2010-06-21 19:37:31
初ゴールですか!?
まぁ、入部したてですよね?大きな人たちに交じって快挙ですね!
おめでとうございまーす

CISCOって、まさかコーンフレークじゃないですよね
違うと思うんだけど一応書いちゃおうっと(笑)
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Unknown (磯辺太郎)
2010-06-21 22:11:42
小夏さま

何か「父の日」にやってくれそうな気がしたので、ビデオ持参で応援に行き(他に理由もあったけど)、練習試ながらしっかり初ゴールを記録しましたぁ。。ありがとうございます。
ちなみに上の記事を書いた後に、トレーニングウェア上下をプレゼントされました。。。

私は森永コーンフレークのほうが好きなのですが、妻は絶対CISCOだと言います。
幕張で扇子をもらったのは、ネットワークとかを構成するルータとかスイッチを製造するすんごく大きな会社なんですよ。
Ciscoというのが正しいかなー。
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