超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

ホタルの光

2010-06-21 22:13:14 | 旅行お出かけ
生まれて初めて「ホタル」というものを見た。
知り合いに言うと誰もが不思議がったり「都会育ちなんだねえ」なんて言うが、「都会」なんてのは程遠いただの住宅地育ちなのは言うまでもないことだ。
いないものはいないのである。トンボやバッタ、ザリガニは死ぬほどいるが、野生のカブトムシを捕ったことはない。

こればっかりはどう見てもテレビや記録されたものでは本物はわからないと思っていた。「ホタルの墓」にも出てきたが、アニメではいかにも違うし、実写版(これはこれで勘弁してほしかった・・・)はCGっぽくてこれまた実感湧かず。。。
ニュースなどで映し出されてもやはりピンとは来ない。
この辺だと毎年「ホタル鑑賞会」なるものが開かれるのは湯河原あたりの公園が有名だ。しかし6月最初の1週間ほどなどで終わってしまうので、いつもちょっとした油断から見逃していた。。。

今年は抜かりなく開催期間と場所を調べていた。それでも実際に決行したのは開催最終日になってしまった。
場所は横浜本牧にある「三渓園」という日本庭園である。花菖蒲や蓮の花などが有名な広大な庭園で、6月5日から1週間だけ通常5時で閉園するところを9時までいることができ、「蛍の夕べ」というイベントが開催されるのだ。
庭園内の本堂ではホタルの映像やかごに入ったホタルを見ることができる。無料シャトルバスも出ているということは結構な人数で賑わうということだろな。

妻は用事で行けなくなってしまい、息子甘辛は午前中プールトレーニングでヘトヘトなはずであり、「一人でも行くか・・・」と考えていたが、夕方になって突如息子が「オレも行く!」と言い出したので二人で出かけた。大船から根岸線に乗り、根岸駅からバスで5,6分のところだ。
裏門に着いたバスから降りると、広大な芝生広場があり、はるか遠くにSLが見える。何やら立派な機関車なので「行ってみようぜ。」と向って見るとD51機関車だ。これって結構マニアにはすごいんじゃなかったっけ?

中にも入れるようだったが、園内の係り員の人が門を閉めようとしていた。息子は柵をよじ登ろうとしていたので、慌てて引きづり下ろしたが、それを見た係の人は「5分くらいならいいですよ。せっかく来ていただいたんだから」と他の場所へ行ってしまった。親切な人だ。
あれこれ中を散策し、製造された昭和16年に勇ましく走る姿を想像した。ホタルを見に来てずい分儲けた気分がした。



バスの降車場に戻ってD51とは反対側に少し歩くと、「三渓園」の門が見えてくる。
あまり出掛けることの好きでなかった亡き父親が、珍しくこの庭園だけには行きたがったことがあり、祖母が富山からやってきたときに一緒に来たことがある。もう20年以上も前の話だから、ほとんど情景を覚えていない。



息子甘辛はもちろん初めての来園だ。大きな池を回って本堂に行くと、ホタルの生態に関するVTRが流れ、小さなカゴには初めて見るホタルが数匹いた。
中にちーさく光っているのが見えた。「うーむ。これがホタルというものか・・・」確かに光っているな。

「虫が光る」というのを初めてみたこともあり、私も息子もそれなりには満足していた。あたりはまだ明るく、鑑賞コースを歩いても何も起きない。「暗くならないと見えないだろーな」と言って、とことこと歩き回っていた。
そのうちに、小さな水の流れがある窪地のほうで歓声が湧き立った。「オーッ、あそこで光ってる!」子供の声だ。
二人で行ってみると、かなりな人数が息を凝らし、小さな光の点を見つめている。そのうちにその光点が二つ三つと増え、気が付くとかなりの数が点滅を始めていた。。。。
時間にして30分くらい待ったであろうか、あたりがほぼ完全に暗くなるとなんとそこら中の光が飛び上がり始めた!

「うぉーっ、こりゃすげー!」私達は思わず声を上げた。初めて見たがこれは確かにすごい。テレビでは絶対にわからぬ。。。
8時になるともう鑑賞コースのいたるところで光の点が飛び、点滅し始めた。すばらしく幻想的な情景だ。
目の前に飛んできて、鼻の先に留られそうになったときはビビったが。「光っていないとただの虫だからきらい!」という女性は大井ようだ。
小さな橋の欄干から身を乗り出して息子は何やらごそごそ何かやっている。「取っちゃいけねえんだぞ」と言おうとした瞬間にさーっと手を動かし、草ごと掴みとってしまった!
手を開くと5,6匹の光の点がひらひらと舞って行った。叱らなければいけないんだが目の周りをひらひら飛ばれると、うっとりしてしまうのであった。

「父ちゃんよ、ホタルが光るタイミングはそばにいるヤツ同士はぴったり合ってるぞ」

たしかにそうだ。求愛行動だと聞いていたが、点滅が同調したということは、人間でいう「フィーリングがあった」ということかもしれぬ。
とすると、タイミングが合わないペアは「性格の不一致」というところか・・・
本堂に戻って今度は詳しく係員の説明を聞いた。暗闇の中の光点ではないので幻想的ではないが、虫の実体も合わせて詳しく見ながら説明してくれるので勉強になる。
ホタルは成虫で発光するようになってから1週間くらいしか生きられないそうだ。セミみたいなものだ。
息子は捕まえて持ち帰るつもりだったらしいが、さすがに可哀そうで止めた。

帰り道にもう一度鑑賞コースを一周した。かなりの数の光点が飛び回っており、そこらじゅうの葉っぱに止まって発光している。
「最近は数が少ないって言うからね。動かないヤツ半分はLEDかもしれないよ・・・」

彼女にそんなことを言ってるロマンのないチャラ男クンもいたが、どんな美しいLEDでもあれにはかなわないよね。
フラッシュが光らないように注意して撮影を試みたが、203号はいつものとおりシャッターがおりない。(故障かな)
IXY君で果敢に挑んだが、どうみても心霊写真のようだ・・・



これはやっぱり網膜に焼き付けるものだな。
来てよかったー。来年もまた来よう。


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2 コメント

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Unknown (小夏)
2010-06-25 19:04:00
磯辺師匠、こんばんはー!
今日はニッポンやりましたねーっ
早朝にお強い師匠の事、きっとご覧になっていらっしゃることと思っていました。
さぞやお喜びのことでしょう~

ホタル、確か去年そんなお話をしたことを思い出しました。
住宅街育ちってほんと見かけ無いから知らないものですよね。
やっぱり磯辺さん親子の血、虫捕りやっちゃいましたか・・オッホホ
(ホタルが山梨トンボ協会に報告に行ったらおもしろいのになぁ 爆)
同調と言うのにはなるほどっ 久々『ちくわ』進呈!!

そうそう、ホタルの撮影は一回目は悲しいけれどこんなものです~。
私は二回めもなかったけれど・・(汗)
儚げな光は湿気の多い空気と共に身体で感じるものかもしれませんね^^

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Unknown (磯辺太郎)
2010-06-27 19:32:49
小夏さま

お返事が遅くなってすみません。
サッカーは家族中で大盛り上がりでした。
3時に目覚ましをセットしましたが、楽しみで結局寝られませんでした。。。

そう、昨年の話を思い出し「今年こそ!」と気合を入れて、ホタル観賞ができる場所の情報をGETしておいたんです。
でもギリギリで危なかったー・・・

もちろん、「獲ってはいけない」んですけどねえ。そーっと手に乗ってもらいました。
光っていても虫は虫、女性はあまりお得意ではなかったようですよ。
横浜市ホタル協会には謝罪しておきましたから大丈夫。

どちらと言うと撮影はCCDみたいなヤツがいいようですね。
でもやはり肉眼に焼き付けるのが一番だと思います。
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