息子甘辛が合宿で不在中に初めて私が単身勤務する地方にやってきた妻だが、我が家は息子の合宿帰り翌日にはもうゲリラ旅行を企てていた。
夏休みでも関係なく週末は練習、試合が必ず予定されてしまうのだが、「合宿の翌日」は必ずOFFになるのである。5月の連休にもたまたま予約が取れた熱海の宿泊施設だが、果敢にも妻がキャンセル待ちを入れ、3番手にいながら不思議に取れてしまったのだ。
何と丁度その日は「熱海海上花火大会」当日!この日ばかりは普段イマイチ元気のないその街も観光客で溢れかえる。。。
私も甘辛も(むろん妻も)その週はさすがに疲れきっていたから、土曜日は少しゆっくり目に出発した。息子など放っておけばいつまででも寝ていたかもしれない。
翌日早朝からいつもの南熱海のポイントを攻めるべく磯釣りの準備をして家を出たのは昼前だった。
この土日は残念ながら天候は思わしくなく(新潟では未曽有の大雨になっているほどだし)、どんよりと曇り時より小雨がパラついていた。
チェックイン時刻よりもだいぶ早めに着きそうなので、翌日のエサに加え近くの港からチョイ投げするアオイソメを買い込み、伊豆山港に着いたのが午後2時前だ。。。
大昔に行ったことがあるが、ここには結構有名な源泉がある。「走り湯」という古代の温泉である。実際に湧き出しているところが洞窟になっており中へ入っていくことができる。
昔は無かったが海辺を望む高台に「足湯」が建造されていた。伊豆山港を一望しながら浸かることができる。
私は堤防へ釣りに、妻と息子は足湯に浸かって本を読み出した。まあ、釣れても釣れなくても明日が本番で今日は時間潰しみたいなものだからな。
隣の人に尋ねたら、その辺りは「シロギス」狙いが順当だそうだ。アオイソメで十分狙えるな。
足元に見たこともない鮮やかなブルーの群れがあった。まるで南国の魚のようだ。
しばらくして隣のおじさんが「うおっ」とか唸り、40センチくらいの鮫を釣り上げた。
へーえ。。。としばらく見せてもらっていたら、沖合いでものすごい雷が鳴った。。。
ドッ!ドゴローン!単身勤務する地方の名物雷に比べれば可愛いものだが、音が近づき空が光るようになってきた。今にも土砂降りになりそうだ。。。
おじさんは早々と竿をたたみこちらを心配そうに眺めながら、
「今、島にはモロに来てるから気を付けたほうがいいよ。グラスファイバーの竿なんか歩く避雷針みたいなもんだからね」
「そうっすね。来たばっかだけど私も上がります。」
まだ少し時間があったので、熱海駅前の商店街を歩いてみることにした。花火大会の日なのでいつになく人通りが多いようだ。ホテル名の入ったマイクロバスが所狭しと並び、法被を着たおじさんがボードを掲げている。
商店街を歩くのは実に久し振りだ。そうそうアーケードのど真ん中に「福福の湯」があり、様々なお土産屋がある。干物や饅頭が中心だがTVで有名となった新名物も登場してきている。「はなまるマーケット」のじゃがバター天は妻が歩きながら食い始めたがじゃがバターとさつま揚げが融合し、中々に不思議な美味だった。
駅側の入り口に「おちゃらけグッズ」店があったのは変わりない。「アジですTシャツあるかなー」
息子が言うから入ってみると、まだまだ健在だった。店内には以前はなかった「ゲテモノ」が磨きを増していた。左下のゼリーなんてNGワードじゃなかったっけ?(あんまりこういうの興味ないが)
キャスターバッグを持つ観光客がごったかえしている。ホテルチェックインまでの時間潰しにみんな訪れているようだ。
宿に到着し部屋に入った。今まで何十回と訪れて初めて通された最上階の一部屋「踊り子」である。たまたまキャンセルが出て入れたのだが、横のドアを開けて屋上に出ると、熱海湾が一望でき、花火大会は真正面で見ることができる。
だいぶ前、湾内に軍艦らしきものを2隻見たことがあったが、その日は見たことも無い豪華客船がタグボートにけん引されていた。花火大会専用特別クルーズだろなー。
熱海湾であんなでかい客船が入れるほど深かったっけ・・・?
雨がかなり強くなり、視界も悪くなっていく中、豪華客船は一旦洋上に消え去り、暗くなってから再び湾内に戻ってきた。
さすがに今夜は無理かなー。元々花火大会を目指してきたわけではないし、残念だけど諦めて卓球でもするか。。。
7時を回った時点では外はかなり強い雨だった。天気予報でも6時から9時は「強雨」となっており、花火大会目当てに来た人の落胆が伺えた。
結果だけ見ればかなりの「晴れパワー」を持っている我が父子も今日ばかりはあんまり気にしてなかったから・・・「こればっかりはしょうがないねー」と妻は苦笑いだったが、
何となく甘辛は自信があるように見えた。
熱海海上花火大会は夏冬合わせて複数回行われるので、時間は結構短い。夏休みは始まるのが8時20分、打ち上げ時間はわずか30分だ。
サンビーチまで行けば全貌が見られるが、宿の屋上からもほぼいい感じで全部見物できる。
8時を回ったころ、テレビをみながらゆっくり酒を飲んでいたらドドーンと一発大きな炸裂音が・・・
「『花火大会やりますよ』花火だー!」息子は屋上に走り出て行った。。。。
うーむ。あんなに降ってたのに・・・確かに止んでいるぞ。。。
熱海の海上花火はちんまりしたものだが、海上で打ち上げ山がすぐ近くにあることもあって、反響反射がすごく迫力ある。
フィナーレなど湾内全部が真っ白に見えるほど光輝き、山からの反響が予想以上にどどーっと長く続く。一度12月のクリスマス前に見たことがあるが空気が澄んでいて実に美しい。花火というものを撮影するのは超兵器をもってしても私のような腕では難しく、たいした映像は期待できないが。
夏休みは連日満室になるからか、お料理のコースの種類が一つしかない。近海の魚は中々素晴らしかったが、以前ここで紹介したものと大きくかわらないので、代わりに5月の連休で訪れた際の「大漁プラン」の画像を・・・ウマヅラハギが美味だった。
翌日早朝、南熱海のいつものポイントに釣りに行くはずだったのに、甘辛に急なトレーニングが入ってしまった・・・夏休み明けの大会目指して休みたくないようなので、やむを得ず朝食後そのまま帰宅。。。
フカセ釣り用の餌を買ってしまってあったので、午後から江ノ島へ行き糸を垂らした。。
冷たい霧雨の中、あまり釣れる気がしないのでとにかくコマセを海に巻いてエサの投入を繰り返していたら、突如ものすごいアタリが来た!
竿が折れるほどしなり、右に左に足元の岩場の陰を茶色い魚影が動き回る。足元が平で動き安いのでいつもは慌ててバラすところが落ち着いて引きを楽しみ、一気に引き上げた。
なんだこりゃ?海って意外が大きく想像外のものが釣れるのも楽しみの一つだが、これまで見たこともない魚だな。。。
形はメジナとイサキに似ているが模様が全然違うし、顔の形も少し違う。ヒレと魚体からして黒鯛などと同じスズキ目だろう。
計ってみたら30.4センチ、かなり重みもある。とりあえず持って帰って調べてみよう。
これだけの大きさならかなり食いでがあるぞ。むろん下ろすのは練習したから自分でできるしなー。
たまたま釣り上げるところを誰も見ていなかったので、隣に後からきた地元らしいおじさんに聞いたが、
「うーむ。よくわからないなー。日本の魚じゃないかも、ブラジルのブルーギルとかいう魚あったろ・・・」
さっさと下ろすつもりだったが、「よく分からぬ」という言葉が気になって一応調べてみた。
結果おそらくこの魚は「アイゴ」だという結論に達した。江ノ島近海でも生息し、大きさの割にはものすごい引きなので釣り人には結構知られているらしいが・・・
問題は「釣れても持ち帰る人はいない」ということである。別にフグの様に内臓に毒があるわけでもない。
ヒレのすべてに毒があって「触ってはいけない魚」なのだそうだ。(オレ、捕り込み後結構さわっちゃったんだけど・・・)
幸い、ヒレのトゲでどこかを刺すことが無かったらしい。ふーっ、やばいやばい。。。いきなり下ろしていたら、間違いなくひどいことになっていたろう・・・
最初から知っておれば、釣れた時点で海に還してあげたものを。。。少し悪いことをしてしまった。
来週から8月、1週間勤務すると「ボクの夏休み」が始まる。今年も大きなイベントはないが、ちょっと外国に旅行する計画がある。正直言うと我が家にいればこの時期毎日が「夏休み」の気分なんだけどねー。
夏休みでも関係なく週末は練習、試合が必ず予定されてしまうのだが、「合宿の翌日」は必ずOFFになるのである。5月の連休にもたまたま予約が取れた熱海の宿泊施設だが、果敢にも妻がキャンセル待ちを入れ、3番手にいながら不思議に取れてしまったのだ。
何と丁度その日は「熱海海上花火大会」当日!この日ばかりは普段イマイチ元気のないその街も観光客で溢れかえる。。。
私も甘辛も(むろん妻も)その週はさすがに疲れきっていたから、土曜日は少しゆっくり目に出発した。息子など放っておけばいつまででも寝ていたかもしれない。
翌日早朝からいつもの南熱海のポイントを攻めるべく磯釣りの準備をして家を出たのは昼前だった。
この土日は残念ながら天候は思わしくなく(新潟では未曽有の大雨になっているほどだし)、どんよりと曇り時より小雨がパラついていた。
チェックイン時刻よりもだいぶ早めに着きそうなので、翌日のエサに加え近くの港からチョイ投げするアオイソメを買い込み、伊豆山港に着いたのが午後2時前だ。。。
大昔に行ったことがあるが、ここには結構有名な源泉がある。「走り湯」という古代の温泉である。実際に湧き出しているところが洞窟になっており中へ入っていくことができる。
昔は無かったが海辺を望む高台に「足湯」が建造されていた。伊豆山港を一望しながら浸かることができる。
私は堤防へ釣りに、妻と息子は足湯に浸かって本を読み出した。まあ、釣れても釣れなくても明日が本番で今日は時間潰しみたいなものだからな。
隣の人に尋ねたら、その辺りは「シロギス」狙いが順当だそうだ。アオイソメで十分狙えるな。
足元に見たこともない鮮やかなブルーの群れがあった。まるで南国の魚のようだ。
しばらくして隣のおじさんが「うおっ」とか唸り、40センチくらいの鮫を釣り上げた。
へーえ。。。としばらく見せてもらっていたら、沖合いでものすごい雷が鳴った。。。
ドッ!ドゴローン!単身勤務する地方の名物雷に比べれば可愛いものだが、音が近づき空が光るようになってきた。今にも土砂降りになりそうだ。。。
おじさんは早々と竿をたたみこちらを心配そうに眺めながら、
「今、島にはモロに来てるから気を付けたほうがいいよ。グラスファイバーの竿なんか歩く避雷針みたいなもんだからね」
「そうっすね。来たばっかだけど私も上がります。」
まだ少し時間があったので、熱海駅前の商店街を歩いてみることにした。花火大会の日なのでいつになく人通りが多いようだ。ホテル名の入ったマイクロバスが所狭しと並び、法被を着たおじさんがボードを掲げている。
商店街を歩くのは実に久し振りだ。そうそうアーケードのど真ん中に「福福の湯」があり、様々なお土産屋がある。干物や饅頭が中心だがTVで有名となった新名物も登場してきている。「はなまるマーケット」のじゃがバター天は妻が歩きながら食い始めたがじゃがバターとさつま揚げが融合し、中々に不思議な美味だった。
駅側の入り口に「おちゃらけグッズ」店があったのは変わりない。「アジですTシャツあるかなー」
息子が言うから入ってみると、まだまだ健在だった。店内には以前はなかった「ゲテモノ」が磨きを増していた。左下のゼリーなんてNGワードじゃなかったっけ?(あんまりこういうの興味ないが)
キャスターバッグを持つ観光客がごったかえしている。ホテルチェックインまでの時間潰しにみんな訪れているようだ。
宿に到着し部屋に入った。今まで何十回と訪れて初めて通された最上階の一部屋「踊り子」である。たまたまキャンセルが出て入れたのだが、横のドアを開けて屋上に出ると、熱海湾が一望でき、花火大会は真正面で見ることができる。
だいぶ前、湾内に軍艦らしきものを2隻見たことがあったが、その日は見たことも無い豪華客船がタグボートにけん引されていた。花火大会専用特別クルーズだろなー。
熱海湾であんなでかい客船が入れるほど深かったっけ・・・?
雨がかなり強くなり、視界も悪くなっていく中、豪華客船は一旦洋上に消え去り、暗くなってから再び湾内に戻ってきた。
さすがに今夜は無理かなー。元々花火大会を目指してきたわけではないし、残念だけど諦めて卓球でもするか。。。
7時を回った時点では外はかなり強い雨だった。天気予報でも6時から9時は「強雨」となっており、花火大会目当てに来た人の落胆が伺えた。
結果だけ見ればかなりの「晴れパワー」を持っている我が父子も今日ばかりはあんまり気にしてなかったから・・・「こればっかりはしょうがないねー」と妻は苦笑いだったが、
何となく甘辛は自信があるように見えた。
熱海海上花火大会は夏冬合わせて複数回行われるので、時間は結構短い。夏休みは始まるのが8時20分、打ち上げ時間はわずか30分だ。
サンビーチまで行けば全貌が見られるが、宿の屋上からもほぼいい感じで全部見物できる。
8時を回ったころ、テレビをみながらゆっくり酒を飲んでいたらドドーンと一発大きな炸裂音が・・・
「『花火大会やりますよ』花火だー!」息子は屋上に走り出て行った。。。。
うーむ。あんなに降ってたのに・・・確かに止んでいるぞ。。。
熱海の海上花火はちんまりしたものだが、海上で打ち上げ山がすぐ近くにあることもあって、反響反射がすごく迫力ある。
フィナーレなど湾内全部が真っ白に見えるほど光輝き、山からの反響が予想以上にどどーっと長く続く。一度12月のクリスマス前に見たことがあるが空気が澄んでいて実に美しい。花火というものを撮影するのは超兵器をもってしても私のような腕では難しく、たいした映像は期待できないが。
夏休みは連日満室になるからか、お料理のコースの種類が一つしかない。近海の魚は中々素晴らしかったが、以前ここで紹介したものと大きくかわらないので、代わりに5月の連休で訪れた際の「大漁プラン」の画像を・・・ウマヅラハギが美味だった。
翌日早朝、南熱海のいつものポイントに釣りに行くはずだったのに、甘辛に急なトレーニングが入ってしまった・・・夏休み明けの大会目指して休みたくないようなので、やむを得ず朝食後そのまま帰宅。。。
フカセ釣り用の餌を買ってしまってあったので、午後から江ノ島へ行き糸を垂らした。。
冷たい霧雨の中、あまり釣れる気がしないのでとにかくコマセを海に巻いてエサの投入を繰り返していたら、突如ものすごいアタリが来た!
竿が折れるほどしなり、右に左に足元の岩場の陰を茶色い魚影が動き回る。足元が平で動き安いのでいつもは慌ててバラすところが落ち着いて引きを楽しみ、一気に引き上げた。
なんだこりゃ?海って意外が大きく想像外のものが釣れるのも楽しみの一つだが、これまで見たこともない魚だな。。。
形はメジナとイサキに似ているが模様が全然違うし、顔の形も少し違う。ヒレと魚体からして黒鯛などと同じスズキ目だろう。
計ってみたら30.4センチ、かなり重みもある。とりあえず持って帰って調べてみよう。
これだけの大きさならかなり食いでがあるぞ。むろん下ろすのは練習したから自分でできるしなー。
たまたま釣り上げるところを誰も見ていなかったので、隣に後からきた地元らしいおじさんに聞いたが、
「うーむ。よくわからないなー。日本の魚じゃないかも、ブラジルのブルーギルとかいう魚あったろ・・・」
さっさと下ろすつもりだったが、「よく分からぬ」という言葉が気になって一応調べてみた。
結果おそらくこの魚は「アイゴ」だという結論に達した。江ノ島近海でも生息し、大きさの割にはものすごい引きなので釣り人には結構知られているらしいが・・・
問題は「釣れても持ち帰る人はいない」ということである。別にフグの様に内臓に毒があるわけでもない。
ヒレのすべてに毒があって「触ってはいけない魚」なのだそうだ。(オレ、捕り込み後結構さわっちゃったんだけど・・・)
幸い、ヒレのトゲでどこかを刺すことが無かったらしい。ふーっ、やばいやばい。。。いきなり下ろしていたら、間違いなくひどいことになっていたろう・・・
最初から知っておれば、釣れた時点で海に還してあげたものを。。。少し悪いことをしてしまった。
来週から8月、1週間勤務すると「ボクの夏休み」が始まる。今年も大きなイベントはないが、ちょっと外国に旅行する計画がある。正直言うと我が家にいればこの時期毎日が「夏休み」の気分なんだけどねー。