超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

湘南からエールを

2011-08-29 05:08:26 | 出来事
仮面ライダーV3ではないが、ダブルタイフーン(11、12号)の影響かものすごくすごい波が押し寄せていた。それも面がガタガタな荒れ狂った波ではなく、きれいに一本線でブレイクする「撮影で使いたいような波」だ。
私は妻とそんな波を横目に鵠沼サーフビレッジに向かって歩きはじめた。。。
このサイトのコメントでスーパーお洒落マダム小夏さんが教えて(正しくは思い出させて)くれた、東日本大震災復興支援ライブである。

運転中、横Fで「TUBEの前田さんが加山雄三ら『湘南在住・ゆかり』のアーチストへ声をかけて復興支援ライブを実現する」というニュースを聞いたことがあった。
TUBEは昨年から我が街の観光大使を務めており、昨年は数万人を集めたライブをビーチビレッジで開催した。
TUBEは我々の世代ドンピシャ(サザンより少しだけ若いのよん)だったのでかなり興味があったが、残念ながら旅行の予定があり午前中、準備の様子を洋上から見るにとどまった。後から聞いたらチケットは一瞬で売り切れになったそうだ。

よほど「思い入れ」が無ければ、7000円もするチケットに「その価値があったかどうか」コストパフォーマンスを気にしてしまう。。。
今回も「まあムリだろな」と何となく諦めていたのだが、考えてみたら「復興支援」なので収益はすべて東北のために役立てるはずで、「義援金」と思えば内容をとやかく気にする必要はない。
小夏さんに指摘されて改めて気が付いたが、これを逃してはいけないんじゃないか?と考え、色々なサイトで調べてみたのだがそもそもそういう経験のあまり無い私には「誰と誰が出演予定でいつやる?」というニュースしか辿りつけず、肝心の「どうやれば帰るのか?チケットはあるのか?」という情報に行きつけなかった。。。

最後は妻にヘルプコールを送ることになる。市の広報等でとっくに情報を掴んでいた妻は「なーんだ。行く気あるんだー?」とあっという間に見事にチケットを手に入れて見せた。(すげーっ!)
ライブは開場が午前11時、前座のような催しがあって本編が1時から、終了は午後6時という長丁場だ。
その日は1日天気がおぼつかなく、降ったり止んだりの微妙な様子だ。会場はもともとビーチだから観客席もちゃんとできているわけではなく、雨天でも傘使用は禁止、駐車場・駐輪場はなし、色んなモノを持ち込んで無くなったりトラブルに合うのは嫌なので、ずばり「水着」にビーサンで「歩いて」向かった。。。(地元だから散歩気分だねー)   

   

途中「海岸5丁目」という地元では結構繁盛しているレストランで昼食を済ませ、サーフビレッジまでは約10分くらい、おーっ江ノ島をバックにしっかり会場は出来上がっているぞー。しかもいつも入る門は使用禁止・・・
入場券を受け付けで引き換えて海岸へ歩いて行くと、見慣れたビーチバレーコートが全部なくなっていてもう数万人の人が集まっていた。。。スケートボード練習場は簡易トイレになってしまっていた。

      

しかし「ものすごい光景」だ。洋上ではいつにない大波でプロ級のサーファが右に左に暴れ回っている。左を見れば江ノ島、右を見ればステージで我々の席ははるか後ろだがずーっと向こうに烏帽子岩が見える。。。
ステージの上は豆粒のような人しか見えないが、3か所あるオーロラビジョンで様子がよくわかる。
MCは赤坂康彦、サプライズで「今をときめく神奈川出身の国民的3人組グループが登場」とプログラムではなっているが誰なんだろか・・・?!
トップバッターは「RIP SLYME」というラップのグループだった。会場はいきなり盛り上がり、妻も知っていたが残念ながら全然わからん・・・
メンバーの多くが湘南在住、そのうちの一人は「我が家はそこの『レッドロブスター』を横に入ったところ」・・・おーっ、あの辺に家があるのか?!

   

次は「キマグレン」というグループ・・・名前は聞いたことがあるが歌まではあまり知らん。。。Cゾーンという我々のチケットのエリアは正面だが一番後ろで、始まってからずーっと立ちっ放しでなおかつステージの上は何も見えない・・・
何かの拍子でふっと私がサーフボードを置き、妻が日光浴をしている馴染みのスロープに入り込み、そこで座っていた。
3番目は「つるの剛士」。ウルトラマンダイナに変身した「アスカ」だが、今では「おバカタレント」そして「ミュージシャン」となっているようだ。何度か134号の歩道をお互いサーフスタイルですれ違ったことがある。

   

「いつもここの海岸にはお世話になっております。家からは2分!チャリでここまで来ましたぁ。今日はこの波ですからさっきまで海に入ってましたぁ・・・」

2曲目に世界遺産にしてもいいんじゃないかと思っている名曲、プリプリの「M」を熱唱して見せた。つるの剛士も歌など聞いたことなかったが、結構歌えるんだなー感じた。
「ポケモン言えるかな」を歌って子供達も盛り上がっていた。「お帰りに一人ひとつずつでもゴミを持って帰ってくださいねー」さすが地元のサーファだねー。

      

しかしその後、ちょっとした休憩の後TUBEが現れていきなり「ストップ・ザ・シーズン・イン・ザ・サン」で前田さんが歌い出したとき、その日3回あった鳥肌がたった・・・
RIPなんとかもキマグレン、つるの剛士もそれなりに「聴かせた」が、TUBEの前田さんは「全然次元が違う」。初めて聴いたが妻と二人で「やっぱ、前田ってすげー!」・・・
この辺から周りは総立ち!踊りに歌い出した・・・

   

正直もうちょっとTUBEの歌を聞きたかったのだが、ここでサプライズゲストが現れた。
「湘南ではない、『山間部の人達』なんですけどねー。神奈川出身で国民的人気を誇る後輩グループなんですよー」
私には全く思い当たりもなかったが、妻は知っていたらしい。「いきものがかり」である。
彼らは「厚木」出身であるらしい。それで「山間部」ね。。。
挨拶代わりに「笑ってたいんだ!」を披露し、「ありがとう」を前田さんとコラボしたときはその日2番目の「鳥肌」だった。前田って何でも歌えるんだなー。
「Joyful」で締めた後、いよいよ最後の大物を迎えることになる・・・

その時間くらいから空が暗くなり、雨がポツポツ降り出した。雨傘が禁止されているので、多くの人はカッパを着たり、大テントに避難したりだったが、我々はそもそも水着なので何の問題もない・・・
「大先輩をここでお呼びするには忍びないんですけどねー。でもオレが降らせたわけじゃないから・・・加山さん『光進丸』で向かってるんですかねえ」
この若者(意外と年配の人もいたが、何人が「光進丸」を知ってるだろか?・・・さすがに妻は「歌える」ようだが。。。
かなり強くなってきた雨の中で前田さんは最後の大物「加山雄三」を紹介した。

ブルーのアロハで現れた加山雄三さんは御年74、その存在感と若々しさで思わず周りの人たちも「カッコいい~」まさしくそうだ。
「この雨はねえ、これから前田君と歌うために降ってる雨なんだよ。『江ノ島が雨に泣いてる』ってね」
ん?まさか・・・二人が揃っていきなり熱唱したのは私の母校の卒業式で必ずかけてほしいNO.1「湘南 My Love」だったのだ!さわりを皆で合唱したとき、その日3度目の一番すごい鳥肌が立った。。。

加山さんはその後、今でも耳にする昔のグループサウンズを何曲か無造作に(これがまたカッコいい)歌い、「光進丸」で
Sail On!光進丸よ 俺の夢のせて 海へはばたけ
と決めた。
「大震災の後、被災地へ行ってさ、オレ正直海を恨んだよ。オレの歌「海」の曲多いじゃんか。もう歌えねえかなーってね。でも被災者の漁師さんが言ってくれたんだよ。『なに、海が悪いわけじゃねえよ。海からいっぱい幸せもらってきたからなー』それ聞いて涙が出てきた。。。やっぱりこれからも応援のために『海』の歌を歌い続けようって決めた」
そんな話をしんみりしながら歌ったのが「海・その愛」
加山雄三が歌っているその向こう側でサーフィンやっていて、その向こうに烏帽子岩なんてそうはないよな。。。

最後にアーチスト全員が再登場して「RESTART」を大熱唱し、周囲に感動の渦巻きを起こして復興支援ライブは終了した。
このロケーションでこのメンバーというのは中々すごい。RESTARTを歌いながらホントに真面目に東北の復興を祈った。このエールは必ず届くことだろう。。。
ぜひ次もやってほしい。そして前田さん、必ず来ますよ!でも今度は「江ノ島」をバックに歌ってねー。えっ、なぜですって?東北に向かってエール贈るなら方角はそっちですよ。。。