中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

リワークについて

2016年08月22日 | 情報

東京都立中部総合精神保健福祉センターを紹介しましたので、改めてリワークについて考えます。

まず、リワークとは何か?
うつ病等精神疾患のり患者が、疾患の寛解後、いきなり職場で健常者に伍して活躍することは難しいことなのです。
悪くすると、疾患を再発・再燃させてしまうことが多々あります。
そこで、職場にスムーズに馴染むことができるよう、職場に復帰する前、
または再就職する前に実施する一連のトレーニングを云います。

リワークには、専門の施設があります。リワーク施設には大きく3種類に色分けできます。
1.公共機関の施設
2.医療機関の併設施設
3.民間施設
もちろん、ご自身でリワークに取り組むこともできます。

1.公共機関の施設
(1)独立行政法人の運営
厚労省傘下の独立行政法人高齢・障害・休職者支援機構が、各都道府県単位で実施しています。
都道府県単位の地域障害者職業センターでは障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、
事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施しています。
全国の施設は、当該独法のHPを参照してください。
http://www.jeed.or.jp/location/chiiki/index.html

最大のメリットは、交通費、食費以外は、無料ということです。
デメリットは、都道府県に1か所しかありませんので、通所できる範囲が限定されます。
具体的には、片道1時間以内が上限でしょう。健常者でも1時間以上の通勤時間は、かなりの負担になるからです。

(2)都道府県の施設
当ブログのリワーク施設の見学で紹介した、東京都立中部総合精神保健福祉センターが該当します。
法令により、各都道府県に設置が義務付けられていますが、設備・サービスレベルの水準には、
バラつきがあります。詳しくは、東京都立中部総合精神保健福祉センターのHPを参照してください。
http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/chusou/

(3)市区町村の施設
一例として、東京都杉並区の杉並区障害者雇用支援センターが挙げられます。
精神障害以外も対象になっていますが、区外在住の方も支援を受けることが出来ます。
詳しくは、ワークサポート杉並のHPを参照してください。
 http://sugi-jigyodan.or.jp/contents/code/ikoushien

2.医療機関の併設施設
全国各地の精神科等の医療機関に併設されています。
代表的な施設としては、うつ病リワーク研究会のHPに、会員機関の一覧表が掲載されています。
http://www.utsu-rework.org/list/

医療と一体となってリワーク訓練が受けられることが、最大のメリットでしょう。
一方、デメリットとしては、転院を条件とする医療機関が多いことです。
転院は、慎重に検討しなければなりません。

3.民間施設
全国各地に、NPO法人等でリワーク施設が増えてきました。
東京では、例えば、
・MDA 職場復帰支援プログラム
http://www.mdajapan.net

・オムソーリ[リヴァ運営] うつ病の再発予防サービス
http://omsorg.jp/

等の施設がありますので、それぞれのHPから問い合わせてください。
メリットは、民間施設ですから、かなりの融通がきくということでしょうか。
デメリットは、相対的な効果が高いのでしょうが、利用料がかなり高額という施設もあります。
このようにバラつきがありますので、利用には慎重な検討が必要でしょう。


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