中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

心の病、若手社員に急増

2018年04月11日 | 情報

これまでは、30~40歳代の働き盛りが多いという特長がありました。
西欧先進国では高年齢層が多い状況に対して、わが国では中堅層が多いというのが、一般認識だったのですが、
信憑性に疑問が残る、企業へのアンケート調査結果とはいえ、驚くべき結果と受け止めます。

心の病、若手社員に急増 「責任重いのに権限ない」
2018/3/20 日経

うつ病など心の病にかかる社員が最も多い年代は10~20代だと答えた企業の割合が、
3年間で急増し、27.9%に達したことが、20日までに日本生産性本部の調査で分かった。
40代が多いと答えた企業は35.8%で、30代も32.6%を占めるが、それに迫る勢いで若者の割合が上昇している。
同本部は「若者でも責任の重い仕事を任される一方、見合ったポストや権限は与えられず、
不調に陥る人が増えている」と分析している。
調査は2017年7月から9月にかけて、全国の企業を対象に実施し、221社が回答。
心の病にかかる社員が最も多い年代を尋ねたところ、10~20代は、前回の14年調査の18.4%から10ポイント近く上昇した。
調査を始めた02年以降、この年代は10%台で推移しており、急増ぶりが目立った。
40代は前回調査から3.4ポイント増加し、30代は6.2ポイントの減少。50代以上は3.7%で、前回より0.7ポイント減った。
14年以降、新卒採用は学生に有利な「売り手市場」化が進む。
企業が採用確保を優先して実際の仕事量などを正確に伝えず、若者が入社後にギャップの大きさに苦しんでいる恐れもある。
同本部は「仕事量が多く、高い質を求める企業は、心の病が増加傾向にある。
若者に自信を持たせるサポートが必要だ」としている。〔共同〕

第8回『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果
~「心の病」の多い世代で20代が急増。各世代共通の課題に~
公益財団法人日本生産性本部
公益財団法人日本生産性本部「メンタル・ヘルス研究所」は12月14日、「メンタルヘルスの取り組み」に関する
企業アンケート調査結果を取りまとめ発表した。
本調査は、企業のメンタルヘルスに関する取り組みの実態を分析・解明するために、
全国の上場企業2,273社を対象に2017年7月から9月にかけて実施したものである(有効回答数221社、回収率9.7%)。
本調査は2002年から2014年まで隔年で7回実施しており、今回は8回目となる。主な結果は以下の通り。

● 「心の病」の年代別割合:前回に続き、40代、30代が3割を上回りもっとも多いが、
10-20代の割合も3割近くまで上昇し、各世代の比率が平準化。 <2ページ参照>
前々回調査(2012年)以降40代と30代が拮抗して、10-20代がそれに続く形になっていた。
今回も40代(35.8%)と30代(32.6%)が多いことに変化はないが、10~20代(27.9%)の増加が大きく、
50代を除き各世代が平準化してきた。
●最近3年間の「心の病」の増減傾向は「増加傾向」24.4%、「横ばい」59.7%、「減少傾向」10.4%。
「増加傾向」に歯止めがかかるも、依然として踊り場状態。<3ページ参照>
上場企業で『最近3年間における「心の病」』が「増加傾向」と回答した企業は、24.4%と、
前回調査(2014年)の29.2%に引き続き減少した。
「横ばい」と回答した企業は59.7%と、前回調査の58.0%、前々回の51.9%から増加傾向が続いている。
2010年に「横ばい」が「増加傾向」を上回って以降、「増加傾向」の割合は減少し、
「横ばい」が増加する傾向が続いており、増加傾向は25%を下回り過去最低に。
一方、「減少傾向」は微増傾向が続くものの全体の10%にとどまり、「心の病」の増減は踊り場状態にある。
●ストレスチェック制度の実施状況:各社の平均受検率は90.0%と高水準。
今後については、実施企業の約6割が「集団分析結果の活かし方」を課題に挙げた。<4ページ参照>
ストレスチェック実施企業各社の平均受検率は90.0%となり、受検者のうち高ストレス者の割合は10.3%となった。
また、ストレスチェックの課題には「集団分析結果の活かし方(58.4%)」
「高ストレス者の面接以外のフォロー(39.8%)」「医師面接勧奨者が面接を希望しないこと(30.3%)」が上位に挙がった。
法定義務化されたことから非常に高い受検率であった一方、制度の活用面に課題がみえた。
●組織風土と「心の病」の増減傾向:ほとんどの職場で仕事の量が増え、要求される質も高まっている。
変化や仕事の質を求められる組織で「心の病」は増加傾向に。<6ページ参照>
今回の調査では9割以上の企業が「求められる仕事の量が多くなってきている」
「求められる仕事の質が高くなってきている」「従業員が自発的に今迄の仕事のやり方を変えていくことが求められている」と
回答した。職場のストレスが常態化していることが明らかになった。
これらの項目に当てはまる企業は「心の病」も増加傾向にある。

https://activity.jpc-net.jp/detail/mhr/activity001523/attached.pdf


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« メンタルヘルス対策の難しさ(5) | トップ | 僧侶の労災認定 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

情報」カテゴリの最新記事